狂気
【冥府 王の城 王の間】
玉座に収まるセレン
赤鬼青鬼が控えている
セレン:「いいかお前達。今すぐに地上に打って出る準備をしろ。そして地上を闇の花畑にかえるのだ」
赤鬼:「新しき王よ。なぜそのような事を」
セレン:「知れたこと。地上のみならず全天地を冥府にしてやれば、我が妹のルナの魂を、このオカマに入れて戻すなど、まどろっこしいことなど必要がない。魂のまま存在することができるだろう」
ムチが一閃してオカマを奪い取る
セレン:「なっ!」
ベルタ:「じゃあ、このオカマはあなたには必要ないわね」
セレン:「お前は流水の聖女!なぜここに!」
ルナ:「兄さん、もう止めて」
セレン:「ルナ!我が妹ルナよ。なぜお前がそいつらと一緒にいるのだ」
ルナ:「兄さんを止めてもらうためよ」
セレン:「止める?兄であるオレを妹のお前が止めるのか?冷たい冥府から救いだろうとしている兄を止めようというのか?」
ルナ:「兄さん、おかしいです。死んだ人間が生きかえるなんて、間違ってます」
セレン:「間違っていることなど何もない!お前の命を、お前の命を奪ったこの世界など滅びてしまうがよい。冥府になってしまえば良い。そもそも」
激しくヒューマを睨み付ける
セレン:「このような不安定な輩に、地上を統べさせているのが間違っているのだ!」
ヒューマ:「間違っているかも知れない。俺たちは不安定かも知れない」
拳に力をこめるヒューマ
ヒューマ:「不安定だからこそ、俺たちは協力するんじゃないか。力を合わせて世界を正しい方向に持って行こうとするんじゃないか」
セレン:「そんな甘い考えをしているから、貴様ら人間は迷走するのだ。私のように」
両手の上で魔法の力を増幅させるセレン
同時にセレンの顔の血管が黒く変色していく
白目が赤く染まり、髪が逆立つ
セレン:「人智を越えた存在ではないと世界など支配できぬわ!」
徐々にセレンが「人ではないモノ」に変わっていく
背後に禍々しい影のようなものが見える。
ルナ:「兄さん・・・」
ベルタ:「何かに、支配されているみたいね」
セレン:「全天地を支配するのは、このオレなのだぁ」
赤鬼、青鬼とともに立ちはだかる
ベルタ:「どうやら問答無用みたいね」
セレン:「ルナの命を奪った世界なんぞ滅ぶが良い!ルナが戻るのなら、世界と引き換えにしても惜しくはないわ!」
◆冥府の王セレン、赤鬼、青鬼と対峙する一行
しかし・・・
ヒューマ:「体が、重い」
フレイ:「思うように身動きが取れない」
サーラ:「どうなってるの・・・」
ベルタ:「・・・」
セレン:「愚か者どもよ。生者は太陽の下でこそ力を発揮するものだ。ここは冥府。1ミリたりとも太陽の光りなどありはしない」
太陽の力を出そうとするヒューマ
ヒューマ:「太陽の力が出ない!」
サーラ:「そんな」
セレン:「お前の力は、オレがしてやった化粧が封じているのだ。この冥府で太陽は死ぬのだ!」
フレイ:「なんとか、ならない・・のか?」
ベルタ:「悔しいけど・・・何ともならないようね」
どんどん体が重くなる
サーラ:「ヒューマ・・・」
サーラの胸が輝き、冥府に太陽の光りがあふれる
サーラ:「これは?」
セレン:「なぜ、大地の乙女から太陽の光りが!」
フレイ:「体が軽い。動くぞ!」
ヒューマ:「今だ、いくぞみんな」
◆セレン、赤鬼、青鬼を退ける一行
倒れるセレン
ルナ:「兄さん」
ベルタ:「待って!」
セレンの体から不気味な影が現れる
ヒューマ:「なんだあれは?」
サーラ:「すごいエネルギー」
ベルタ:「・・・・」
けたたましい笑い声とともに飛び去る「黒い影」
ルナ:「兄さん、兄さん。大丈夫?」
セレンを助け起こすルナ
セレン:「・・・ルナ。ルナ。どうしたんだ。私はまたお前に会いにきたというのか」
完全に我に返り、ヒューマ達を見るセレン
セレン:「あなたたちは・・・どうして冥府に?」
ヒューマ:「覚えてないのかよ」
ベルタ:「どうやら何かに操られていたようね、あなた」
セレン:「わたし、わたしが操られていた?」
ベルタ:「もし正気でやっていたら、あなた相当にヤバイことしていたわよ」
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まだ続きます




