集結
【マリア・アズーラ号甲板】
フレア:「ひえ~。元気だった、父さんにヒューマ?」
ヒューマ:「うん。ぜんぜん元気だったよ」
ファロス:「すまんな母さん。わざわざ来てもらって」
夫と息子に顔を寄せるフレア 鼻をヒクヒクさせる
フレア:「2人ともだいぶ潮くさい男になったわね」
ジェス、グレイス「フレアさん、久しぶり!」
フレア:「まあジェスにグレイス。子供、大きくなったじゃない」
サーラ:「お母さん、大変だったでしょ?」
フレア:「サーラちゃん、潮くさくなってない」
1人離れたとこに立つベルタ
フレアとベルタの目が合う
ベルタ:「久しぶりですフレアさん」
穏やかに微笑むベルタ
フレア:「相変わらずキレイね、ベルタさん」
同じく穏やかに笑みを返すフレア
フレア:「それで本当なの父さん?」
ベルタ:「ああ、本当だ」
ジェス:「待った待った待った待った待ったあ!」
ジェスがファロスの前に立ち、グレイスはベルタの前に立つ
一同:「???」
ファロス:「どうした、ジェスにグレイス?」
ジェス:「よーく考えましょう、ファロスの旦那」
ファロス:「何をだ?」
グレイス:「そうよ、ベルタも落ち着いて。たしかにファロスさんは良い人だけど、ヒューマにお母さんって呼ばれることになるのよ。良く考えて」
ベルタ:「おかあさん?」
ジェス:「確かにベルタは絶世の美女だ。だけどフレアさんと苦楽をともにしてきたことを忘れちゃいけませんぜファロスの旦那」
ファロスとベルタ「???」
ファロス:「何を言っているんだジェス?」
ベルタ:「私がヒューマのお母さんってどういうこと?」
グレイス:「え?だってファロスさんと結婚するんじゃないの?」
ベルタ:「私が?なんで?」
ジェス:「そのことを話すためにフレアさんを呼んだんじゃないんですか?」
ファロス:「なんで私が母さんと別れなきゃならないんだ?今でもフレアを愛しているぞ」
フレア:「私は、冥府に行くっていうから来たんだけど」
ポカンとするグレイス
音を消して、逃げようとするジェス
ジェス:「いたたったあい!」
夫の耳を引っぱるグレイス
グレイス:「ちょっと、あんた!ちゃんと確かめたんじゃないでしょうね!」
ジェス:「いやー。そうじゃなかったみたいでー」
グレイス:「まったく、ヘンな勘違いして!」
ジェス:「ゴメン、ゴメンよう!」
夫婦げんかを眺める一同
ヒゲをボリボリかくファロス
ファロス:「さて、始めるとするか」
セレンの方を向くファロス
ヒューマ:「父さん?冥府に行くのにどうして母さんが必要なんだ?」
ファロス:「太陽を隠す必要があるからだ」
一同:「なんだって?」
ヒューマ:「どうして冥府に行くのに、太陽を隠さなきゃならないんだ?」
ファロス:「説明してくれるんだろうね」
うやうやしく頷くセレン
◆時間経過
中天に輝く太陽
【マリア・アズーラ号甲板】
セレン:「昼は生者の時間であり、夜は死者の時間。この夜を支配する月の力を増幅させて、昼の力を弱くすることが必要です」
ジェス:「じゃあ、夜に行けばいいじゃないか?」
耳を押さえているジェス
セレン:「冥府に行った状態で朝になると、帰ってくることができません。どれだけ時間を要するか解らないので、夜が続く状態をつくるのです。それ以上に太陽の力を弱くすることが重要なのですか」
沈黙する一同
ジェス:「他に方法はないのかよ?冥府に行かなくても済むような」
グレイス:「せっかく太陽が復活したのに、また隠すなんて」
セレン:「隠す、といっても冥府に行っている時間だけです。冥府から無事に戻ることができたら、また日は昇ります」
サーラ:「でも、無事に帰ってこられるの?」
ファロス:「それは大丈夫だ」
ヒューマ:「本当に?」
ファロス:「オレは、冥府に行ったことがある」
唖然とする一同 ファロスに注目が集まる
ファロス:「母さんを探しにな。行ったことがある。だが、母さんはいなかった。死んではいなかった。オレは冥府から帰ってきた」
フレア:「そうだったの・・・」
ファロス:「決死の冥府行きだったが、オレは戻ってきた。今度の方が安心だ。正式な行き方を知っているセレンがいるからな」
セレン:「オーッホッホッホッ。そうおっしゃっていただけると幸いです」
ファロス:「では、頼む」
読了ありがとうございました。
まだ続きます。




