贈り物
【活火山付近 帰り道】
手詰まりな感じの一行
ヒューマ:「どうしようか」
サーラ:「私たちミランのお母さんじゃないけど、必死に呼びかけるしかないんじゃない?」
フレイ:「それしかない、か」
セレン:「方法がないわけではありません」
セレンに注目するヒューマとサーラ、それにフレイ
ヒューマ:「まだいたんですか?」
ずっこけるセレン
セレン:「もちろん、私は世界の平和を案ずる魔法使い」
フレイ:「なんですか、その方法は!」
詰め寄るフレイ
ムキムキの男2人をはじき飛ばしてセレンの襟首をつかみ前後に振る
フレイ:「なんですかそれは。早く教えてください」
セレン:「ちょっと、お待ちなさい」
ヒューマ:「フレイ、落ち着けよフレイ」
我に返るフレイ 襟を直すセレン
セレン:「まったく野蛮ですね」
サーラ:「あるんですか、方法が?」
セレン:「冥府に行くことです」
一同:「冥府?ってどこ?」
セレン:「死者の世界です」
一同:「死者の世界?」
◆回想
セレン:「この世界は天界、地上界、冥界に分かれていると言われています。私は長年冥界の研究をしてまいりました。冥界には死者の国があります。そこで火の探求者の母の魂をつれてくるのです」
◆回想終わり
ポカンとするヒューマとサーラ、それにフレイ
サーラ:「そんなことできるの?」
ヒューマ:「う~ん」
フレイ:「船とかあるんですかね」
セレンのことをほったらかしにして歩くヒューマとサーラ、それにフレイ
セレン:「ちょ、ちょっと待ちなさい」
道端に燃えるような赤い花に目がとまるフレイ
サーラ:「まあ、キレイじゃないとても」
花を摘むフレイ
フレイ:「ミラン・・・様に見せてあげようかな。花、見たことあるのかな?」
ヒューマ:「見たことあっても、なくてもいいじゃんか。持って帰ろう」
サーラ:「そうよ。ね、何かツボみたいな、物入れ持ってない?」
ヒューマ:「ツボ?」
キョロキョロするヒューマ
ヒューマ:「あの、ツボ持ってません?」
セレン:「ツボ?」
ヒューマ:「そうツボ」
セレン:「オーッホッホッホッ。レフタ、あれを出してさしあげなさい」
左側のムキムキ男がうやうやしくツボを出す。それはいわゆる青磁のおしろい入れ
セレン:「これは旧時代の名工がつくりたもうた極上の一品で、この世に二つとない銘品で・・・」
ヒューマ:「ちょっと借ります!」
ツボをかっさらうヒューマ
セレンとレフタ:「あっ!」
ヒューマ:「借りてきたぞ」
フタを開けてサーラに手渡すヒューマ
サーラ:「なんか粉、入っているけど」
高価なおしろいを捨てるサーラ
セレン:「あああ、なんてことを!」
サーラは両手で土をすくうと、息を吹きかけてからツボに入れて、花を生けた
ヒューマは手をかざして太陽の光りを当てる
サーラ:「これで当分持つと思うわ」
フレイ:「ありがとうサーラ」
サーラ:「じゃあ、戻りましょう」
3人の様子を歯ぎしりして見ているセレン
セレン:「お待ちなさい!あなたたち!」
不思議そうにセレンを振り返る一同
ヒューマ:「早く戻りますよ」
セレン:「何を言っているんです。冥府に行くには第一人者である私の研究室が一番なのです」
ヒューマ:「それはわかるけど、まだ冥府に行くって決めたわけじゃないよ」
セレン:「はっ?」
ヒューマ:「冥府に行くのが一番良い方法かどうか、みんなで話し合わないと。ミランに一番良い方法をみんなで考えるんだ」
サーラ:「そうです。それが一番なんです」
セレン:「しかし冥府へは・・・」
フレイ:「だから急ぎましょう」
先を急ぐヒューマとサーラ、それにフレイ
取り残されるセレンとムキムキ男達
ライタ:「どうなさいますか、セレン様」
セレン:「きいーっ」
ドレスの袖を噛むセレン
セレン:「つべこべ言わずに早くみこしを担ぎなさい!」
読了ありがとうございました。
まだ続きます




