機密エリア
【聖都スクード 星の騎士団本部前】
騎士団本部に入るヒューマとサーラ、それにフレイ
門番の騎士がいる
フレイ:「第六等星の騎士フレイザードです。どなたか一等星の騎士にお目通しを願いたい」
門衛:「そなたのマスターは?」
フレイ:「一等星オリバヌス」
轟音を立てて門が開いた
本部に入るヒューマとサーラ、それにフレイ
【星の騎士団 本部】
門衛:「しばし待たれよ」
しばらくすると、年配の騎士が出てくる
年配の騎士:「おお、そなたはバステン家のフレイザードだな。私は一等星マルキニオス」
軽く会釈する一行
年配の騎士:「オリバーの手紙から詳細は聞いておる。そちらが、太陽の子と大地の乙女様。長旅大変でした。さあフレイ、まずは帯剣を解け」
フレイ:「お話があります。マスター」
年配の騎士:「帯剣を解いてから聞こうか」
フレイ:「私の話を聞いてください」
サーラ:「お願いします。フレイの話を聞いてください」
やや不審な顔になる年配の騎士
フレイ:「お耳を」
内緒話をするフレイ
ギョっとする年配の騎士
年配の騎士:「なぜその話を?」
フレイ:「お連れした2人も知っています」
サーラ:「急ぐんです。世界がおかしくなる前に、止めないと行けないんです」
ヒューマ:「もう、騎士団だけの問題でもないんですよ」
思案する年配の騎士
年配の騎士:「解りました。本来ならば合議を行った上で決定をするのですが、そこまで知っているのであれば、隠しても意味がありませんな。ご案内しましょう」
年配の騎士に連れられて騎士団本部を歩く一行
【本部 工房前】
重々しい扉に二人組の警備兵
手には五つ星の紋章がある盾を持っている
警備兵:「これは・・・」
年配の騎士:「開けてくれ」
警備兵:「しかし、ここから先は機密エリアです。我が騎士団の中でもー」
年配の騎士は自分の盾を見せた。大きく刻まれている一つ星の徽章
年配の騎士:「開けろと言っている」
警備兵:「かしこまりました」
警備兵は両開きの扉にあるくぼみに、それぞれ持っている盾をはめ込んだ。扉が反応して自動で開いた
年配の騎士について工房に入る
【工房内部】
ヒューマ:「ここは・・・」
現代で言うところの工場
幾人かの職人と、機械仕掛けの設備が盾や鎧をつくりあげていく
見たこともないようなシルエットの服をきた職人達が作業をしている
サーラ:「(声も出ない)」
若い作業員に声をかける年配の騎士
年配の騎士:「すまんが、工場長に会わせて欲しい」
作業員:「お約束は?」
年配の騎士:「ないが、急ぐのだ」
作業員:「わかりました」
奥へと消える若い作業員
サーラとフレイは阿呆のように工場を眺めている
ヒューマ:「ミランにつれていかれた町にもこんなような所があったよ」
サーラ:「え?」
若い作業員が戻ってくる
若い作業員:「どうぞこちらへ」
案内される一行
【工房 応接間】
星の騎士団の盾が飾られた応接間
一行を出迎えたのは壮年の男
工場長:「これはマルキニオス殿。突然の訪問に驚いております」
ちらりとヒューマとサーラを見る工場長
工場長:「それに、外部のかたに私たちの設備を見せるとは、星の騎士団は契約を守るというものだと思っておりましたが」
年配の騎士:「ヘクトール工場長。この2人は、太陽の子と大地の乙女様だ」
工場長:「なんですと!」
ヒューマ:「あの、火の民のことについて、いえ、活火山近くにある火の民の村のことについて聞きたいんです」
一行を見回す工場長
工場長:「理由くらいお聞きしても良いのでしょうね」
◆時間経過
指でテーブルをとんとん叩く工場長
工場長:「ミランといいましたか、その娘は」
ヒューマ:「はい、オレが知っている事と言えば、それくらいです」
工場長:「なぜ、名前しかしらない娘のことに血眼になるのです?なぜ危険を冒すのですか?」
ヒューマ:「それは、この世界にとってミランが大切な人だからです。もちろん、みんな大切なのにはかわりないんですが」
サーラ:「彼女を助けたいんです。悪い人に騙されて、心までなくして、あまりにもかわいそうです」
工場長:「会わせていただけますか?そのミランという娘に」
ヒューマ:「会う?」
工場長:「同族として興味があります」
フレイ:「興味?ミラン様は見せ物ではありません!」
工場長:「いや失礼。そういう意味ではなくて私たち以外に外の世界と接触を持っている火の民を知らないのでね。それにやはり他人事ではない。私たち火の民は助け合わないと」
読了ありがとうございました。
まだ続きます