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シェフ:Lika様その2

誕生日でいただいたSSですー!

Lika様とのコラボ作品『犬好きな俺と犬を飼ってる如月さん』の番外編その2です!


もうキャワイイの!

子犬がキャワイイの!

きゃっきゃ。


 こんにちは。柴犬のポテチです。

 ポテチというのは僕の名前です。誰が何と言おうと僕の名前です。

 ちなみに先輩犬……僕の姉さん的な存在の柴犬の名前はピスタチオです。


 ピスタチオにポテチ……。

 とても可愛いとは思いますが、どことなく僕は不安です。

 だって……僕の飼い主が時々、ビールとポテチを食べてるから……。


 そんな飼い主は只今仕事に赴いています。

 今家の中には……僕と先輩犬、ピスタチオ姉さんのみ。略してピスタ姉。


 さてさて、ここで皆様に質問です。

 ワンコ同士で会話しているという描写……コメディならともかく、ヒューマンドラマならどう表現するでしょうか。


 仮にここで僕とピスタ姉が突然ペラッペラ日本語を喋りだしたら、違和感バリバリの筈です。

 既に僕が喋りまくっているというのはさておき、人間にとって喋る犬というのは中々に不気味だと思うのです。想像してみてください。ドックフードを食べたワンコが突然……


『おい、ドライフードはもう飽きた』


 とか言い出したらどうでしょう。困ってしまいます。

 つまり何が言いたいのかと言うと……僕とピスタ姉が会話するのを……皆様はどう思われるでしょうか。

 

 うわっ、不気味じゃね? とか思うかもしれません。

 かといって、会話しない事には作者の力量的に何もお伝えする事が出来ません。

 さて、どうしたものか……


『ピンポーン! お客さんだよーっ 宅配便かもしれないよー 居留守使っちゃ駄目だよー?』


 その時、僕の飼い主である如月さんの不気味すぎる声が家の中へと響き渡ります。

 これは昨夜、酔っぱらった如月さんが勢いでインターホンへと録音した声です。本人、たぶん覚えてません。


『ピンポーン! お客さんだよーっ 宅配便かもしれないよー 居留守使っちゃ駄目だよー?』


 再び鳴り響く不気味な声……いえ、インターホン。

 クールな設定は何処にいったのでしょうか。当初の設定は「死んだ魚の目をしたBL好きのクールお姉さん」だった筈です。クールなど一ミリも感じません。


『ピンポーン! お客さんだよーっ 宅配便かもしれないよー 居留守使っちゃ駄目だよー?』


 あぁ! もうウザイ!

 この声を不気味インターホンを三回も聞かされる身にもなってほしい。

 そんな事を思いながら玄関へと。とびらをカリカリしつつ、外のヒトに抗議します。でも分かってくれるでしょうか。


「むむっ、このカリカリ音……もしや……家主は留守か」


 どうやら分かってくれたようです。

 なんで分かったかはさておき、ホっと一息。


 そのまま、ドアの前のヒトが遠ざかっていくのが気配で分かりました。

 嗅いだことの無い匂いだったので、恐らくセールスか何かでしょう。

 

 さて……僕がこんな目に遭っているというのに……先輩犬のピスタ姉は何をしているのでしょうか。

 ちょっとイタズラしにいきましょう。




 ※




 如月さんのマンションは3LDK。僕達が如月さんの留守中に行き来出来るのは洋室二つとリビング、そして玄関への廊下。如月さんの寝室へのドアは閉じられています。たぶんビールの缶とかが転がってるからだと思います。掃除しなさい。


 そして北側の洋室……ここには基本的に如月さんがダラダラする為のソファー、そして僕達の玩具が置かれています。


 むむっ! 蝶々が! 蝶々が舞っている! 

 僕は蝶々へとジャンプ! でも蝶々を捕まえる事が出来ません。

 むぅ……ちょうちょー!


 というか……これは蝶々の玩具です。如月さんが買ってくれました。

 でもこんな釣り竿に吊るされただけの玩具で……僕が喜ぶとでも思ってるのかぁ!

 ちょうちょ! ちょうちょ!


 するとその時、ピスタ姉のイビキが聞こえてきました。

 なんとお昼寝中のようです。ククク、イタズラチャンス到来だぜ……。


 ソファーの上に敷かれた毛布。その上にピスタ姉は丸くなって寝ていました。

 むふふ。ぐっすり眠りおってからに。これから僕にイタズラされると知りもせず……。

 

 そのままソファーの上に駆け上が……れない!

 っく! しまった! 僕はまだソファーの上に上がれない程の子犬ちゃん! ピスタ姉も子犬の部類に入るけども、僕よりは大きい。


 うわぁーん! ソファーの上に……なんとか、なんとか上がりたい……!


 その時、毛布の一部が垂れてきました。

 しめた! これに掴まって……アクションスターのように、具体的に言えばト〇・クルーズやジ〇ッキー・チェンのように駆け上が……れない!


 むぅ……ピスタ姉にイタズラしたいのにぃ……ピスタ姉! 起きて! 僕をソファーの上にあげて! 寝ているピスタ姉にイタズラしたいから!


 僕は吠えて起こそうとしますが、ピスタ姉はピクリともしません。

 むぅー……どうするべきか……。


『ピンポーン! お客さんだよーっ 宅配便かもしれないよー 居留守使っちゃ駄目だよー?』


 その時、再びあの不気味音声が……いや、インターホンが。

 またセールスでしょうか。そのまま玄関へと向かう僕。むむっ! この匂いは! 


「あれ……留守かな……」


 この匂いはあの人だ! 如月さんが発情期になるあの人だ!

 僕はターッと玄関先へと向かい、再びドアをカリカリ。すると……


「……あぁ、このカリカリ音聞いてるだけでも幸せ……」


 なんかラリってる? 大丈夫か、この人。

 

 うぅ、でもどうしよう。なんだか無性に……この人に会いたい! 

 僕はここに居るよ! 


「……あの、何してるんですか?」


「えっ? ぁ、い、いえ、なんでも……」


 むむっ、今度は別の匂いが……。この匂いは同じマンションに住む男の子だ。

 具体的に言えば、ミルちゃんの飼い主だ。


「如月さんのお知り合いですか?」


「えっ? まあ、そんな感じ……」


「そうですか……なら決闘を申し込みます」


「あ、はい……って、何で?!」


 なんだか只ならぬ雰囲気だ。

 二人の男の戦いが今、玄関を隔てた向こうで始まろうとしている。

 

「では如月さんクイズ! デデン!」


「いきなりクイズ始まった?!」


「如月さんの好きなビールの銘柄は?」


「え、えー……なんだろ……スーパー〇ライ?」


「ぶっぶー。如月さんはビールより梅酒が好きです」


「え?! ビールの銘柄って言ったよね?!」


「では第二問! デデン!」


「スルー?! そして何問まであるの?!」


 なんだか戦いは続きそうだ。

 するとその時、背後にピスタ姉さんが!

 

 わっふー! お姉ちゃーん! 

 

 そのままピスタ姉へと飛びつく僕。

 でも僕のタックルはすぐに返されてしまい、代わりにお腹を前足でムニムニされる。


 あぅぅぅぅ、お姉ちゃん! 僕それ弱いのに!

 

 一通りムニムニされた後、再びピスタ姉は元々居た洋室に。

 そのまま、またソファーの上で寝るのかな? と思っていると、ソファーから毛布を落として……その上でうつ伏せに寝そべり始めた。


 むぅ、お姉ちゃん……僕も混ぜておくれ。

 ピスタ姉の背中へと顎乗せ……いや、これは何か違う。

 もっと……もっと、くっつきたいの! 暖かい所でモフモフしたいの!


 するとピスタ姉は横向きに寝直し、お腹の部分にスペースを開けてくれる。

 そこに滑り込む僕。

 

 むぅ……ピスタ姉のお腹……それに毛布……モフモフの森に包まれたかのような……感覚……


 なんかねむくなってきた……あったかくて……


 




「第二十三問! デデン! 如月さんの飼っているワンコの名前は!? 全て答えよ!」


「ピスタちゃんとポテチちゃん!」



いつまでクイズを出してるんだー!(ノシ≧Δ≦)ノシ


Lika様、本当にありがとうございました。

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