一話※
初めての投稿になります。
暖かい目で見てあげてください。何か間違いがありましたら、教えてください。
人の死なんて案外あっけないものなんだと実感する。
私(朝霧優花)は今満月の月明かりの下、赤い血だまりを下敷にして、目を血走った男に絶賛襲われている最中ですよ。
あらゆる体術も刀術も様々な武道も必死に修めてきたけれど、薬品には勝てない。
・・・というより、想像すらしてなかった。
麻酔薬を打たれて動けなくなった私に目の前の男は、目が血走った状態で「優花ちゃんがいけないんだよぉ。僕のことを警察なんかに話すからぁ」と言いながら、私のお腹を裂いて出てくる内臓の中から、子宮だけを取り出して頬ずりしてる。
・・・キモいなこいつ。
ヤンデレとストーカーが混じると快楽殺人者のようになることを誰か教えてやれ。
それでも、生きていて意識が薄れつつも保っているのは、肉体改造と精神鍛錬によるものかもしれない。
もちろん最悪の事態に備えていろいろ準備していたから、あとで報いを受けるがいい。
・・・警察以外に話すところはないからね?
大人しく、縄に捕まっていなさい。っていうか捕まっとけこの変態!
あぁ、眠たくなってきた。
次があるなら、人間関係に煩わされない森にこもる賢者とかに生まれ変わりたいな・・・
ネット小説に出てくるような無双とかしてみたい。
夢だったんだよね。
あと数年したらフルダイブ出来るVRが発売されるのに・・・
そのための貯蓄だって、家が買えるくらい貯めてあったんだよ?
許すまじ!クズ男め!
私の貯蓄どうしてくれる!
マジで田舎に引っ越して必要最低限のものを揃えて、ゲームの中で賢者やる廃ゲーマーになりたかったのに!
その願い、しかと受け止めた。
・・・えっ、知らない声が頭に響いて来たんだけど!?
「ええええぇ」
私はまさかの頭に響いて来た知らない声に、驚きの声が出てしまいながらも深い眠りについた。
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皆様に質問があります。
これはどうなっているのでしょうか。
私の目の前には、見事なスライディング土下座を決めた男の子とおじいさんと女性がいる。
テンプレの予感を感じます。
これは俗にいう、異世界転生モノの始まりに瓜二つ!!
・・・でも、言いたいことが1つある。
「いまいち状況がつかめないから、土下座はいいので説明をお願いします」
「なんとお優しい方じゃ」
「いい人そうで良かったね」
「まさしく神の子に相応しい資質を持っているわね」
直角になるように、頭を下げてお願いしたら、両手を前に組んでウルウルした目で見つめられました。
言ってはいけない気がするけど、言っときますよ。
じいさんがそんなことしたって、キモいし引かれるだけだと思うのです。
ほら、男の子と女性も二歩下がって引いてるどころか、他人のフリまでしてますよ。
みんなもそうでしょう?想像できるものならしてご覧なさい。
そして「神の子」とか言いやがりましたよ。
神の子と言えば、人間関係において一番厄介なやつですよね。
国に神でもないのに、聖女のように崇められ、政治に利用される。
まさに、人間関係の坩堝確定間違いなし!
そんなの絶対いや!やりたくない!別の人に押し付けてやりたい!私は森の中で生活するのよ!
頭の中でぐるぐる考えているうちに、三人が体操座りで円になってこそこそ話してるんだけど。
仲間はずれされているみたいで寂しいな・・・
「すまんすまん。今から説明する」
あっ、おじいさんが立ち上がってこっちに来た。
「まず、お詫びじゃ。本当にすまんな。お前さんは、神になり得る資質と魂をもったものでな。地球は魔力がないせいで、そういう者が居る確率はかぎりなく低い。まあ、両方を持っているものなど創造神様くらいなものじゃが。・・・それは置いといて、死因はお腹を裂かれて出て来た多量出血による、出血死ってところじゃな。優花は、えげつないの。ストーカーのことを警察に相談しても動かないからって、証拠のビデオと送り付けられた手紙を親友に、しかも自分が死んだらマスコミに送れって言った後、優花が本当に死んでそれを知った親友が本当にマスコミに送ったもんだから、地球では大騒ぎになっとるよ。」
呆れた顔をしながら、ホレと言って動画を目の前に出現させた。
ホログラム出て来た近未来的な画面の向こうには、記者会見のような場所が映し出されていた。
そこにいる3人の頭の頂がツルツルで光が反射してる苦顔のおっさんが、相談者に対する対応の不手際と被害者が加害者に殺害されてしまったことについて話をしていた。
マスコミは、遠慮何それ美味しいの?とばかりにどんどん攻めて質問をしている。
正直に言おう、スカッとした。
警察に相談しても、自意識過剰でしょうとか言われた日には、殴ろうかと思ったぐらいに酷かったからね。
「せいせいしたって顔に書かれておるぞ・・・」
ゲフンゲフン。
私としたことが、表情に出してしまった。
「まぁいい、続きじゃが。お前さんは地球での一生を終えた後に、神族になって新たな世界神として生きてもらうつもりじゃった。けど、悪魔の邪魔が入ってしもうたせいでもう一人分の人生を送ってもらうことになってしまっての。本人の意思も死ぬ間際に承認済みだし、ワシらが管理しとる異世界テラスに行ってもらおうと思ってな。希望があれば、できる限りのことはしてやれるぞ。」
それってつまり、私の野望も叶うってことだよね!
「じゃあじゃあ、森に引きこもりたい!」
「そんなことでいいのか?もっとこう、美少女にして!とかチートほしい!とかあるじゃろうて」
「自力で何とかするし、必要ありません。丁重にお断りします。」
「断られるのは、初めてなんじゃが・・・」
「適当で」
「わかったよ!ここは僕たちの出番だね」
「容姿のことなら、私に任せなさい!」
今までずっと経緯を黙って見守っていた二人が元気よく返事してきた。
やる気があるのはいいことだね。
勢いがありすぎて、やり過ぎないか心配は残るけどね。
それはそうと、そろそろ名前を教えてもらわないと。
感謝する人の名前も知らないなんて恥になりかねない。
「忘れていたのですが、お名前をお伺いしてもよろしいですか」
「忘れておった。わしは世界神のガイアじゃ。異世界テラスの全体的な管理をしておる」
「私は運命神のアリアよ。様々な運に関することだったりを管理しているわ」
「僕は生命神ライク。優花ちゃんでいうところの輪廻転生に関することだったりを担当しているよ。よろしくね」
わぁーお・・・想・定・外☆
まあわかっていたけどね。
テンプレ通りならそうでしょうとも!
でも、色々裏情報だったりを教えてくれるのは、そんなことがあるからなのかな?
まぁ、裏情報なのかは定かではないけどね。
とにかく私は、適当に後のことは二人に任せていたら、周りが白く点滅しだした。
この空間も白いのに、さらに白くなると目が潰れそう・・・
・・・眼球大丈夫かな?
異世界ついたら失明とか嫌だよ?
「もう、そんな時間かのぅ。時が過ぎるのはあっという間じゃ」
「あとは、僕らに任せてよ」
「最っ高の仕上がりにして見せるんだから!」
頼もしく見せる姿に安心して、あとは任せて私は目を閉じるのだった。
一抹の不安は残るけどね。
・・・大丈夫だよね!?
基本は、これくらいの長さになります。
視点変動によって、多少の差はあります。短くなる場合は、できるだけ前もってお知らせします!
作者は句読点をつけるのが好きなので、おかしい所とかあれば遠慮せず教えてくださって構いませんよ!
優花は、基本メンタルかなり強い女の子です。経緯などは、そのうち出てくるかも・・・
楽しみに待っていて下さい!