4話 血を吸われるという感触
拝啓 ファンタジアゲームズの皆さんお元気ですか?僕は地図なき世界でバンパイアのフレイヤと生活しています。それはそうとして皆さんそろそろ正式サービス開始日が近いですので僕の事は気にせず頑張ってください。
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俺は仕事をした後、フロッグビーンズという食べ物を買ってきた、それはなんと美味しいとアンドリューさんに教えてもらい買ってきた。
「ただいま〜帰ったぞ」
「あっおかえりー!」
玄関で出迎えてくれたのはフレイヤだ、前回俺がここに来た時に十字架の棺桶で眠っていた。
「トマト買ってきた!?」
フレイヤはバンパイアなので人前に出たら騒ぎになるので用がある以外は外に出ないようにと言ってある。まあこいつは100%トマトジュースでも生き延びられるるらしい(まだそこら辺は謎だ)
「なあフレイヤ」
テーブルで夕食のフロッグビーンズを食べている俺は無表情でトマトを食べているフレイヤに思ったことを聞いてみた。
「人の血を吸わなかったりトマトジュースとか飲まなかったりすると性格が変わんのか?」
フレイヤは手を止めて食べ掛けのトマトを置いて一言
「そうだよ、私達吸血鬼は今でも血を吸いたいという欲望と隣り合わせなんだよ、だけどそれを抑えるために食べてるのがトマトって訳」
「なるほどな、まあでも人の血を吸ってもバンパイアにはならんのだろ?」
「なるよ」
フレイヤのその言葉に俺はビーンズを吹き出した。
「それが定番ってものでしょ?」
定番という意味が分からないがまあ少しだけバンパイアの事は知っている。
血を吸われている間は性的快感とか感じるみたいなんだがそこら辺をもっと聞きたいので勇気を振り絞って
「俺の血を吸わねぇか!?」
と言うとフレイヤはトマトを落とした。
「なっ…ええええ!」
フレイヤは叫んで椅子と共に後ろに倒れた。バンパイアのくせに血を吸えとはそんなに驚くものなのだろうか?
「まって!それは正気なの?てかバンパイアになりたいって事!?」
テーブルから顔を半分出しながら「正気か」と聞いてくるのも・・・あれだ普通は上から目線で言うセリフなのに下から目線で言うのもよくわからない。
「う〜ん考えてたんだがそうなるな」
俺は即答するとフレイヤはため息をついていた
「嫌ならいいぞ?」
「違うよ」
「じゃあ何故ため息をついた」と聞きたかったがまあフレイヤには何か他の心配があるのだろうか?まあ人の血を吸うんだから多分俺でも躊躇うと思う。
「なら何故だ?」
「それは・・・吸った経験皆無だし」
バンパイアのくせに1度も吸わないとなると本当にバンパイアなのか信じられないのだが?そもそもどこから吸うのか知らないとか言いそうな感じだ。
「分かった!やるからさ!」
フレイヤは数回頬を叩くと俺の後ろに立った。俺は首筋が見えるようにするとフレイヤはため息をついて
「吸ってる間は力もなんも入らないからね!」
顔を赤らめたフレイヤは大きく口を開けて俺の首筋に向かって齧り付いた。
「ん……」
血が抜けていく感じと何かわからないが痛みは噛まれた時のほんの一瞬だ。でもこれが吸われている時の快感なんだろうか?
「はい、いいよ」
フレイヤは首筋から歯を抜くと口についた血を手で拭い定位置(椅子を立てた)に戻るとトマトを食べ始めた。
「これが吸われている時の感触なんだな…何ていえばいいか分からんけど…あれ?フレイヤ目の色が」
血を吸う前は黒だった目の色が赤くなっていた、そうこれこそ普通のバンパイアだ。
「わからないけど吸ったらなったんだよね!まあそのうち戻るよ」
フレイヤは笑顔で言っているが俺は貧血なのか分からないが頭がクラクラするので今日は寝ることにした。