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75話 巨人王国と奴隷人


「え、えっと……王様? 陛下?」


 目の前の幽霊少年がまさか、巨人王国に(しいた)げられてきた奴隷人間の王だったとは。


『いかにも』


 予想外の事実に面喰らっているコチラを、クスクスと笑う彼の姿は、おおよそ俺がイメージしていた王族の態度とはかけ離れている。

 それでも相手は王なわけだし、ここは敬意を示しながら接するべきなのだろう。



「へ、陛下……本日はお日柄もよく……そ、あの」


『いいっていいって。そんな(かしこ)まらないでくれよ。さっきと何も変わらなくていいんだ』



 そう言って奴隷王ルクセルは気さくに微笑んでくれた。

 彼の容姿が少年って事もあり、親しみが湧きやすいのは確かだけど、いかんせん相手は幽霊なのだ。よくホラー映画などで幽霊が生者を罠にはめ、闇落ちさせるパターンなんてのは頻繁に見る光景だ。機嫌を損ねれば何をされるかわかったものではない。例え、今のところ友好的な雰囲気を築けていたとしてもだ。



『それにキミは太陽の光を持って来ちゃったからねぇ。こっちの方こそ、無碍(むげ)にはできないさぁ。気を楽にしてねぇ?』


「そ、そうですか。じゃ、じゃあ……ルクセル様が、そう仰るのであれば……」


『まだまだ(かた)いよ。キミは視ちゃいけないものまで、その目にしてしまっているんだよ? ボクなんかよりも偉大すぎる世界に、不遜な一歩を踏み出しているキミが、今更、礼節なんてわきまえるのかい? (ことわり)(もてあそ)ぶ錬金術士らしくないじゃないかぁ』




 ふむ。

 確かに錬金術士たるもの、禁忌を追い求め、神すら冒涜することも(いと)わないロマンの持ち主でなければならない。


 まさか、幽霊王に錬金術士がなんたるかを教わってしまうなんて、さすが王様だ。

 それならば、錬金術士然としているのが筋というものだろう。


「そ、そっか。それでは、今まで通りでよろしく」


『うん、やっぱりそっちの方がいいねぇ』



「ところで、幽霊を視てしまうのってそんなに悪いことなの?」


『世界にとってはね。ここの、()(あるじ)にとってもかな? ボクらにとっては、別にどちらでもいいんだけど』


 ふむふむ。

 気になる言葉がポロポロ出てくる出てくる。

 ようやく本題に入れそうな空気だぞ。


「今の(あるじ)?」


『まったく、錬金術士っていうのはどうしてこうも質問が多いのかねぇ』


 肩をすくめ、苦笑いをする奴隷王ルクセル。


『まぁ、話題に事欠かないという面で、キミ達は退屈しない存在だよね』


 そして、彼はニヤリと少年のような笑みを俺に向けてきた。



「お褒めの言葉、感謝いたします」


 俺も同じようなノリで笑顔を送っておく。


『ハハハハハ』



 それを見た奴隷王は、愉快そうに声を上げて笑った。

 そして王に呼応するかのように、複数の幽霊たちの『『『ォォオオォォオオオ』』』と怨嗟じみた復唱が墓地に再びこだまし、PTメンバーが不審な顔をするのだった。




――――

――――



「ね、ねぇ……タロちゃん、本当に大丈夫なの?」


 ゆらちーが心配そうに辺りをキョロキョロと見回しながら、俺の右肩にソッとしがみついてくる。



「うん、大丈夫だよ」


 ゆらちー。近いよ。当たってるよ。

 実は、俺の精神安全の方が大丈夫じゃないんだ。



「て、て、天士さまが言うのです。ま、ま、ま、間違いありません!」


 ゆらちーとは逆サイドにいるミナが、俺の左肩から腕にかけて全身をくっつけ、ゆらちーを安心させようと声を張り上げてくれる。

 言ってる事とやってることが全然噛みあってないミナに、少しだけおかしくなってしまい、思わずクスリと笑みがこぼれる。これによって、ゆらちーのプニプニに対する思念が霧散していき、『グッジョブ、ミナ』と胸の内で彼女を称賛しておく。妹のミシェルは、幽霊とか怖がるタイプではなかったから、こういった年相応な少女の態度を見てしまうと、どうしても兄心というものがくすぐられるのだ。



「ミナ、幽霊さんはとっても優しくて、かっこよくて、いい人だから。大丈夫だよ。ほら、現に今、俺達のために墓地の道を開いてくれているだろ?」


 実は今、奴隷王ルクセルの計らいで、『浅き夢見し墓場』の最奥へと一直線に進めるような道をつくってもらったのだ。かつて、アンノウンさんたちと『巨躯なる追跡亡者エル・ナイトウォーカー』を倒した際に起きた現象に似ていて、墓石が次々と分かたれていく。そうして生まれた空間を俺達は堂々と歩んでいるのだ。



『褒めても、これ以上は何も出せないよ?』


 クックックと笑う奴隷王ルクセル。

 成り行きだけど、この幽霊の力を借りる事ができて僥倖(ぎょうこう)だった。

 なにせ、普通に奥まで進むとなるとエンカウントしたモンスターを倒していかなければならない。しかし、遭遇する全ての骸骨(スケルトン)骸骨兵士(スケルティ・ポーン)さまよう骸骨(エル・ワイト)などは俺達に敵意を示さず、素通りしていく。



『ここでは僕らの方が与えられている権限が強いんだ』


 戦々恐々と周囲の敵を観察するパーティメンバーを見ながら、心底楽しそうにルクセルはつぶやく。



「タロ……こんな現象、聞いた事ないぞ?」

「一体、何をしたのかな……」


 晃夜(こうや)夕輝(ゆうき)もさすがに、この事態は予測していなかったのか、狼狽気味で奥へと進んでいく。



「ルクセル、権限が強いってどういうこと?」


『単純だよ。ここの、今の(ぬし)に与えられた権限が、妄執に囚われた同胞よりも、ボクたち幽霊の方が上ってことなんだ』


「ふぅーん?」


 だから、こんな芸当ができるのかとひとまず納得しておく。



「そういえば、ルクセルたちは巨人の奴隷だったらしいけど。やっぱり、その、大変だったの?」


『いや? とても充実し、栄華と幸福の極みだったよ』


 奴隷なのにか……。



『その眼は、疑っているね?』


「いや、別にそんなことは……」


『ふぅん? 我らが真の王が誤解されたままっていうのも嫌だから、少しだけボクらの事を小さき錬金術士殿に話しておくとしよう』



 そう前振りをして奴隷王ルクセルは、かつての巨人王国と奴隷人間の歴史を語りだした。


『当時は竜や悪魔、水族や妖魔、精霊とアンデッドの間で激しい争いが繰り広げられていたんだ。人族は森の友エルフや、大地の隣人ドワーフ、力と叡智の守護者である竜人などと手を取り、なんとか生存にこぎつけてはいた。それでもだいぶ厳しい状況で、人族はどんどん数を減らしていった』


 竜人? 竜とはまた別の勢力だったのか?

 ……興味深いな。


『そんなとき、魔力は少ないけども、人間よりも圧倒的な破壊力を持った巨人たちが、ボクたち人族に協力を申し出てくれたんだ』


 協力、とは言うものの、奴隷ではないのか?



『竜や精霊が人族に下す評価は、欲深く、下等で卑劣な生物そのもの。だからこそ、巨人族も表立って人族と協力関係を敷くことはできなかった。奴らを敵には回したくないからね。だからここらの人族は形式上、東の巨人王国(ギガ・マキナ)ヨールンの奴隷という立場になった』


「巨人って人族を食用にしたりしなかったの?」



『もちろんさ。彼らが人間を食べたりしたら、すぐに痙攣(けいれん)をおこし、脳に障害を残してしまうそうなんだ。食した量にもよるけど、症状が酷い者は死に至ることもあった。だから、他の食物が必要だったんだ。今までだったら、動物を狩ったりすれば良かったかもしれないけど、彼らの領域には竜などの怪物たちが浸食していたため、食用動物たちが捕食されていき生息数が激減していたんだ。そういう流れもあって、食糧事情が切迫しつつあった』


「それで人間を奴隷にするのと、どう繋がるの?」



『ないものは作ればいい。そう考えた巨人たちだけど、彼らは人間ほど器用でもないし、知識があるわけでもない。そこで、農作物や畜産に対し経験豊かな人族に目をつけたわけ。人族は、生産能力はあるけど、それらを守る力がない』



「なるほど。巨人族が武力面で人族を保護する代わりに、食糧事情を解決しろと」



『ご明察。そういうわけで、ボクたちヨールンの奴隷人間は安全を確保された状況で、心おきなく田畑を耕し、牛や豚や羊などを繁殖させていったわけだ』



 ウィンウィンな関係だったのか。

 というか、巨人が人間を食べれないっていうのは意外な話だったな。



『あの頃が一番、幸せだったなぁ』


 少年姿の幽霊はそっと悲しみの笑みを浮かべた。

 かつての平和だった故国を想い、遠い目をする奴隷王ルクセル。


 そんな彼の様子から、どうして『東の巨人王国(ギガ・マキナ)ヨールン』は滅んでしまったのか、一体何が起きて幽霊になっているのか、東があるなら、北や南、西にも巨人王国は存在していたのか。聞きたい事は山ほどあったけど、なんだか口にできる雰囲気ではなかった。

 

 それに俺は、少しだけ巨人王国に関する情報を錬金術を通じて手にしている。

 一部の素材や【写真】の説明欄には竜によって巨人は滅ぼされたと記されていたから、直接の滅亡原因は把握している。わざわざ、深く追求するのはやめておこう。




「はらはら……まことに『夜のうつろな巨兵(ナイト・エルスナイト)』が棒立ちでありんすね」


 全身に鉄製の鎧を着込み、大きく分厚い長方形の盾(タワーシールド)を片手に3メートルを超える大きな骸骨がずっしりと、例の太陽にまつわる文字が彫り込まれた石碑の前で仁王立ちをしている。

 

 話をしているウチに、どうやら『浅き夢見し墓場』の最奥へと到着したようだ。

 そしてボス級モンスターの真横を、何のお咎めもなしに通り抜けていく俺達。



 さすがのアンノウンさんも、隣からくる圧迫感が気になったのか、『夜のうつろな巨兵(ナイト・エルスナイト)』をチラリと見ては、感嘆していた。



「幽霊さんのおかげです、アンノウンさん」


「……さようでございますか、銀麗の錬金術士殿」


「ちょ、その呼び方はっ」



 すぐに晃夜(こうや)夕輝(ゆうき)へと目を向けるが、二人は『夜のうつろな巨兵(ナイト・エルスナイト)』を見上げながら話し合いに夢中になっていたため、こちらの会話を耳にしている様子はなかった。



「このモンスターがレアドロップする『墓守の大盾(グラブ・キーパー)』は、盾役(タンク)のボクとしては喉から手が出る程に欲しいよ」


「早い話が、ドロップするまでに何回倒せって」


「だよね……でも、欲しいなぁ」


「ほらほら、二人とも。そろそろ、行くよー! いくよね? タロちゃん」


 そんな旧友二人に、ゆらちーが落ち着かない様子で俺に質問をしてくる。

 あまり、ここが好きじゃないのかもしれない。

 ならば、満を持して、待望のその先へ飛び込むとしましょうか。


「ユウ! コウ! みんな! それじゃあいくよ!」


 俺はみんなに一言断わってから、『閃光(せんこう)石』を握り、巨人たちの栄光が刻まれた巨石に向かって勢いよく打ちつけた。


 石と石がぶつかり合い、アイテムの効力が発揮して辺りは眩い光に一瞬だけ呑まれる。俺の視界もすぐに真っ白に染まった。次に、何かとてつもなく重いものが引きずられるような『ゴゴゴゴッ』という音が地面の震動とともに、足元から鳴り響いてきた。


「!」


 俺は『閃光(せんこう)石』によって奪われた視界が戻るのを待ちわびる。


 たった、三秒。

 だが、その三秒が、すごく待ち遠しい。


 何が起きている。

 何が待っているのだろう。

 

 錬金術によって解き明かされる、謎。


 巨人王国と奴隷。竜との争い。

 ここにはその残骸が眠っているのだろうか?

 

 もしくは、未だに輝かしくも力強いその魔法生物たちが、この先では悠々と存在しているのだろうか。高鳴る胸が期待をどんどん膨らませていく。



『これで、道が……キミ達、錬金術士でいうところの〈未知〉が開けたねぇ』


 すぐ傍で、奴隷王ルクセルのそんな言葉が耳に入ってくる。

 粋な事を言ってくれるじゃないか。

 

 そんな想いを幽霊少年に向けながら、静かに目を開けた。



「これは……地下……墓地?」


 

 目の前にあった巨石は真っ二つに割れ、周囲の墓標を押しのけるように左右へとずれていた。そして、先程まで巨石があった場所には、古びた石作りの階段が地下へと続いていたのだ。

 


「おいおい、ほんとにすごいダンジョンがあるじゃねえか」

「タロ……ここのダンジョンって、多分、いや絶対。クラン・クラン内では誰も発見できてないと思うよ」

「タロちゃん、お手柄だよー! アンデッドと言ったら、地下墓地探索だもんね!」

「天士さまにかかれば、こんなものです!」

「総員、タロ閣下に敬礼!」

「よきかな、よきかな」



 地下墓地……。

 響きはなんとも不気味なのに。

 みんなも俺も、これから待ちうける未知にワクワクしていた。



『地下墓地ではないよ』


 だが、俺達の歓喜と予想が交った意見に、否定の声が上がる。

 俺だけにしか聞こえない、奴隷王ルクセルの一言だ。



「どういうこと?」


『この先は……死の(ことわり)(もてあそ)ぶ者によって……さまようむくろの下に隠された都市ヨールンがある』



「えっと……?」



『我らが愛しい故郷』

『今は入れぬ、我らが都市』

『ここに踏み入ろうとする不届きな者を、今の(あるじ)に知らせるのが』

『我ら、実体なくして繋ぎとめられた者に与えられた役目』


 矢継ぎ早に語るルクセルからは、狂おしい程の執念と、ただ義務に身を委ねる諦めの境地、二つの相対する雰囲気を感じ取れた。



「ん、待てよ……。え!? じゃあ、ボス的な存在に俺達のことを知らせるの!?」



 そして彼の語る中には、聞き捨てならない内容がある事に気付き、即座に確認を取る。



『『『ォォォォオオォォオオ!』』』


 同時に、おびただしい呻き声が俺達に向けられた。

 


「た、タロちゃん!?」

「おい、やばいのか!?」

「引き返すべきかな!?」

「撤退でありますか!」

「て、て、て、て、天士さ、まま」

「みなさんや、心まどふなかれ」


 ルクセルの声は聞こえなくても、幽霊たちの叫びは認識できるみんながドッと慌てる。かくゆう俺も、例外ではない。

 やはり、幽霊は油断のならない相手ということだったか。



『心配しないでよ』


 後悔と自責に駆られた俺に、奴隷王ルクセルはニコニコと微笑んでいる。



『不届きな者だったら報告しなくちゃいけないけど』


 そして、スーッと俺のお腹を通りぬけていき。


『再び、光をもたらすキミが、キミ達が不届き者なはずないじゃないか』


 墓地の暗い夜空へと飛翔していく。



「びっくりさせないでくれよ……」


『それじゃあ、ボクたちはここでお別れかな。視えないお嬢さん(・・・・・・・・)とは仲良くね?』


 よく分からないことを言ってくるルクセルに、俺は首を傾げた。

 だが、彼はそれが何か言う素振りを見せずに、しばらくジッと俺を眺めた。



『じゃあ頼むよ、小さな錬金術士殿。それと、我らが真の王に――』


 全てを言い終わる前に、ルクセルは姿を消してしまった。

 今回は『また視えるといいね』と去り際に言ってくれなかった事が、少しだけ気掛かりだ。


「幽霊、消えちゃった」


「さっきの手鏡か? それでまた、発見できないのか?」


 晃夜(こうや)のアドバイスに従い、俺は『妖しい魔鏡』を使って周囲を詮索してみるが、鏡面にルクセルが姿を現すことはなかった。


「ダメだ……見つからない」


「このままいても、いつ『夜のさまよう巨兵(ナイト・エルスナイト)』が動きだすかわからないし」

「行くでありんすね」


 夕輝(ゆうき)の意見に素早くアンノウンさんが賛同し、俺達は先に進むことにした。



「本当に大丈夫なのかな……」


 ビクつくゆらちーに晃夜(こうや)がニマリと笑い、メガネをクイっと持ちあげた。



「冒険に危険はつきものだろ」

「そうだね。それに、こんな頼りない(・・・・)錬金術士だけを先に行かせるなんて、ボクたち『百騎夜行』にはできないでしょ」


 夕輝(ゆうき)がフッと爽やかに笑う。


「頼りないってなんだよ」

 


 俺が二人に食いつくと、晃夜(こうや)は無言で目をつむり始めた。

 そして、夕輝(ゆうき)が『いちーにー……』っと数えだし、『さんっ』と言い終われば、晃夜(こうや)はパチっと目を開ける。


 何がしたいんだ?

 俺が再び首を(かし)げていると、晃夜(こうや)が『わるいな』と謝ってくるけど、笑いをこらえているのが一目瞭然だった。


「なんだよ、二人とも」


 俺が疑問に思うと、サッとミナが駆け寄ってくる。


「天士さまは、そのっ。可愛らしかったですよ」


 なぜか、褒められた。

 


「あはははっ。もうダメだよ、コウ」

「あぁそうだな、ユウ」


 笑いだす旧友二人に、完璧に置いていかれている俺。

 それどころか、周りのみんなすらも二人が何に対してウケているのか察している気がする。



「早い話が、今のはお前の真似な」

「ほら、『閃光(せんこう)石』だっけ? タロが作ったアイテムだけどさ」


「そうだよ。アレがなきゃ、この先のダンジョンは発見できなかったんだ」


 ドヤ顔をしておく。



「タロ、説明してくれたでしょ? 『閃光(せんこう)石』が発する光を見ると、視界が阻害されるって」


 もちろん仲間には事前にアイテムの説明はしてある。

 前回はリリィさんに、『溶ける水(ウォタラード)』の効果を言っておかなかったから、多少なりとも危険にさらしてしまったのだ。



「早い話が、お前以外、全員、発光する前に目をつむってたぞ」

「光を見なかったボクらは、目に異常はなかったってわけだね」


 …………。



「だからなタロ。お前がボーっと突っ立てるのを俺らは眺めてたわけだ、錬金術士殿?」

「自分で作ったアイテムなんだから、しっかりしようね? 錬金術師殿?」


「タロちゃんは少し天然さんなのかなー、そんなところも可愛いよね!」

「天士さまはそれでいいのです。足りない所は私がぜーんぶ埋めます!」

「あえかなり」

「サァーイェッサー!」



 …………。



 は、恥ずかしい……。

 自分で作ったアイテムに視界を奪われていたのは、俺だけだったのか。



 錬金術士である、俺としたことが……。


 

 穴があったら入りたい。






 あ、ちょうどいいことに、地下へと続く階段があるじゃないか。


 俺はそそくさと、穴へと入って行った。





新作、始めました!


『どうして俺が推しのお世話をしてるんだ? え、スキル【もふもふ】と【飯テロ】のせい? ~推しと名無しのダンジョン配信~』


→【https://ncode.syosetu.com/n1197ic/】


お読みいただけたら嬉しいです。


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