245話 ちんまい領主さま
ロゴあり
ついに! 書籍版3巻が【6月30日】に発売です(都内)!
全国の書店さんでは【7月2日】発売となっております。
Web版と違い、【妖精が踊る崩玉】要素が多めです!
予約も開始しております。
あなた様のお力が……4巻を紡ぐ命脈となります!
書店さんやAmazon、楽天ブックスなどでご予約お願い致します!
巨人のドーンさんが仲間になった。
とは言え、事はそんなに単純ではない。
領民たちはどよめくし、街中にチラホラといる傭兵にだって見られてしまうかもしれない。なので早急に自分の広大な館の敷地へと入り、巨人のドーンさんを中庭に座らせておく。
「ドーンさんの気持ちはわかった。当分はこの館の警備をお願いします」
「神子サマノ敵ハ何人モ通サナイ。潰シテ壊ス」
「ありがとう。でも攻撃するのは『衛兵』か『騎士』たちが敵だと判断してからだよ?」
「御意ニ。神子サマノ命ハ絶対順守」
ドーンさんの声音の節々からは、かなりの意気込みが漏れ出ている。まるで物凄い大役に大抜擢された役者のような、そんな気概だ。
この猪突猛進さが、裏目に出ないようにしっかり手綱を握っておかないとだな。そう考えたところで、この突進的な彼はもしや……と思い立ち、【盤上で踊る戦場遊戯】から駒の【戦車】を取り出す。
「ドーンさん、これを手に置くから。君の俺に対する思いを込めて」
「御意ニ。太陽ト月ヲ我ラニクレタ神子サマヘノ熱イ思イ、全力デ込メル」
やはり、というべきか。
戦車の駒は強い輝きを放った。
こ、これは……【兵士】の駒に込められた『雷炎の衛士+2』の時とは比べ物にならない輝きだ。
:駒【戦車】に【天園の豪貴+10】が輝きました:
:駒の形態が【太陽神の騎馬車+1】に昇華しました:
ふむ。
巨人族の元々の性質である……太陽光を浴びると理性が戻る、というのが結びつき、太陽神なんて大層な名前がついたのか?
それとも純粋にドーンさんの俺に対する強い思いが、太陽神も納得する程に熱かったとか?
しかし神なんて名がつく駒とか……神の名を冠する者、物ですら俺の駒にすぎないと?
駒を握り、俺は天空に向けて両手で万歳。
「いい、いいぞ! 錬金術という名の盤上では神すらも我が駒! やはり錬金術士はこうでなくてはッ」
でも使うのはちょっとだけ怖いので、なるべく使わないでおこうと思った。
◇
ドーンさんを落ち着かせた俺は『錬金術の研究所』の様子を見る。
順調に研究員NPCたちは『水』を上位変換しているようだ。
ステータスボードを確認すれば、Lvが上がっている者もいる。というか、【種族】羊毛娘のピリオドだ。
常時、眠そうな表情をしている子だけど、どうやら頑張ってくれてるらしい。
もともとピリオドだけLv1だったからレベルの上昇が他の二人より早かったのだろう。だからと言って、褒めることは忘れない。
「ピリオド、よくやってるな」
「はぁーい、水を変えるのたーのし」
俺はモフっとピリオドの頭をなでる。ちなみにピリオドの頭には羊のような小さな角が二つ生えている。さらに手や足には長いふわふわの毛も生えている。羊毛アクセサリーみたいなオシャレ装備に見えるが天然物だ。角と手足のもふもふ以外は、人間と同じで可愛らしい容姿をしている。
なのでつい、なでてしまったのだが……。
「ピリオドだけ……ずるいです」
「うしゃあああ、もっと頑張らねーと領主さまに認めてもらえねえ!」
コロンとスラッシュには贔屓しているように見えてしまったかもしれない。これは指導者としてダメな対応だったかも。
だから俺はコホンと息を吐き、二人の頭もなでてやる。
と思ったけど、二人とも背が俺より高いので……。
「二人もよくやってくれている。ピリオドは一番年少だったから、最初に褒めたんだ。さぁ、コロンとスラッシュも、ちょっと、その…………座って……」
領主なのにちょこっと情けない。
という内心はひっこめて、二人の頭にいい子いい子しておく。
「よしよし、よく頑張ってる」
すると二人はクスリと笑いつつ、満足そうにしてくれた。
うむ。これぞ、良き指導者の姿であろう。
本日は夜にもう一話、更新!
できたら、いいなぁ、、、
がんばります




