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武装警察隊ダグフェロン 地球に侵略された星の『特殊な部隊』はハラスメントがまかり通る地獄だった  作者: 橋本 直
第十六章 銃と女

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第82話 HK33

挿絵(By みてみん)

「じゃあ、射撃訓練だな。一応、うちでは拳銃は百発。ショルダーウェポンは千発が月のノルマだ。東和陸軍とかじゃもっと撃ち込んでるがうちは予算が無いからな」


 かなめはそう言うと段ボールから自動小銃を取り出した。


「拳銃、百発……ショルダーウェポン、千発……。ショルダーウェポンって……長い銃のことですか?」


 誠の間抜けな問いにかなめは明らかに軽蔑のまなざしを誠に向けてきた。


「長い銃って……ライフルって言えよ。まあ、いいや。うちの長物の基本はHK33なの。まあ、パイロットは基本カービンタイプのHK53を使うんだけどな」


 そう言ってかなめは黒くて短い小銃を誠に手渡す。


「やっぱり銃器はドイツ製よね……こいつはローラーロッキングシステムなんていうヘッケラー&コックお得意の特殊システムで反動が小さいのよね……大型の7.62mm弾を使うG3だってアタシならフルオートで撃てるもの。FN-FALって同じ弾を使う銃はそもそもフルオート射撃なんて諦めてセミオートオンリーに改造されてるくらいだもの」


 誠のHK53よりも少し長めのHK33を受け取ったアメリアが早速マガジンを銃に叩き込むとボルトを引いて射撃を始める。


 アメリアもまた戦闘用人造人間『ラスト・バタリオン』である。数百メートル先のターゲットに早いセミオートマチックの射撃で次々と命中させていく。


「僕も」


 誠はそう叫ぶとそのままアメリアの半分ぐらいの距離にある的に向けて狙いをつけた。

 

引き金を引くが弾が出ない。


「マガジンが入ってないな。ボルトも弾いていない。普通それでは弾は出るわけがない」


 カウラの言葉に誠は照れながらマガジンを差し込んでボルトを引く。さすがにセレクターを安全状態からセミオート射撃に切り替えることを忘れるほど誠は間抜けでは無かった。


「当てますよ……」


 そう言いながら誠は引き金を引いた。


 アメリアの銃の上げる断続的な射撃音に紛れて一発の銃声が鳴るが、弾は的のはるか上方を超えて行った。


「オメエはホント……銃は向いてねえな」


 かなめはそう言うとかなめのライフルであるSTV40で視線のはるか先のターゲットを狙う。


「便利ねえ、かなめちゃんは。光学機器無しでこの距離を狙えるんだもの」


 HK33を置いたアメリアはそう言って自分の銃の上部にある小型のスコープを指さした。


「当たりめえだろ?銃の弾道は全部頭ん中で計算済み。当たって当然って奴だ」


 そう言って十発射撃を終えたかなめはさらにマガジンを交換して射撃を続ける。


「拳銃百発……長物は千発……そんな撃つの?それこそ一日中走ってる方がマシだよ」


 かなめの言葉に誠は少し落ち込みながら見事に的を外しつつ射撃訓練を続けることにした。




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