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武装警察隊ダグフェロン 地球に侵略された星の『特殊な部隊』はハラスメントがまかり通る地獄だった  作者: 橋本 直
第九章 勝利のあと

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第56話 なじみの店

「これからオメエを連れていく店は男子下士官寮の近くなんだわ、……まあこれまでの五人もそこに連れて行ったが、基本的にオメエはこれまでの連中とは違う扱いをしろって叔父貴に言われてるが……同じ店でも飲み方を変えれば問題ねえだろ」


「違う扱い?」


 かなめの言葉に誠はどこか引っかかるものを感じていた。


「そう、誠ちゃんは特別なの……理由は言えないけど」


 そう言ってアメリアはその糸のような目をさらに細めた。


「嵌めたからですか?みんなで寄ってたかってここに来るしかないように仕向けたから……」


「それもあるけどそうしなければならなかった理由もあるのよ。そこが他の五人とは違う所。他の五人はうちがあまりに『特殊』だから同盟司法局の偉いさんが監視のために差し向けた……まあ『招かれざる客』ってところかしら」


 アメリアはそう言って笑った。


「僕は歓迎されているんですか?」


「歓迎してるよ……まあ、初対面の時にぶっきらぼうだったのは悪かったけど……貴重な『ツッコミ』がいないとうちは旨く回らないんだ」


 かなめはそう言って自分の後ろに座る誠を見てニヤリと笑う。


「もしかして僕の才能って『ツッコミ』じゃないですよね……僕と他の人と何が違うんです?他の人でもあそこに座れば……」


 誠は戸惑いの色を浮かべながらかなめを見つめた。


「とりあえず誠ちゃんは特別なの……確かに他の五人にツッコミの役割は期待してなかったし、誠ちゃんなら見事にツッコミを入れてくれそうだし」


 そう言ってアメリアは笑った。


「僕は特別……どうしてですか?」


 誠は笑顔を浮かべつつ、これまで去っていった第三パイロット候補生達に思いをはせながらそう尋ねた。


「だから言えねえって言ってんだろうが!頭の固い野郎だな」


 薄ら笑いの誠の表情が気に入らないらしく、助手席のかなめがそう言って後部座席の誠に振り返った。


「言えないんですか?何かいけない理由でも……」


「誠ちゃん。今は言えないの。今、誠ちゃんはうちに残るかどうか迷ってるでしょ?そのうち時が来れば言えるようになるわ」


 戸惑う誠にアメリアは優しく話しかける。


「時が来ればですか……」


 誠は今一つ事情を呑み込めずにそうつぶやいた。


「そうだ、時が来れば嫌でも思い知らされる」


 運転席のカウラは静かにそう言うと右に大きくハンドルを切った。




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