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武装警察隊ダグフェロン 地球に侵略された星の『特殊な部隊』はハラスメントがまかり通る地獄だった  作者: 橋本 直
第二十一章 揺れるココロ

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第104話 英雄失格

 アメリアの言葉を聞くまでも無く、誠の心には一つの結論が出ていた。


「僕はそんな異能力者の野望を(くじ)く英雄にはなれませんよ。(がら)じゃないです。今日はこのまま寮に帰って、明日実家に帰ります」


 それが誠の出した結論だった。


「そう、寂しくなるわね。地球で飼い殺しにされる危険にさらされる方が、うちにいるより気が楽ってことね」


 そう言うアメリアの言葉は珍しく本音が含まれているように聞こえた。


「僕がいなくても組織は回りますよ。誰かが代わりを務めてくれるんじゃないですか?それにその『法術師』って僕一人じゃないんでしょ?」


 誠は少し嫌味を込めてそう言ってみた。


「確かに遼州人にある程度の割合で『法術師』の素質を持つ人間はいるわ。でも、誠ちゃんほどの『素質』を持つ存在となるとそう代わりはいないのよ。少なくとも今のところは私の知る限りいないわね」


 そう言うアメリアの言葉にはどこか諦めた調子があった。


「じゃあ、これから探せばいいんじゃないですか?僕が見つかったんならきっと他にも適した人材が見つかりますよ。意外と近くにいたりするかもしれませんよ」


 誠は投げやりにそう言い返した。


「誠ちゃんも冗談を言うのね。ツッコミしかできないと思ってたのに」


 アメリアの言葉を耳に聞きながら誠はそのまま機動部隊の詰め所を後にした。


「冗談のつもりは無いんですけど……何度も言いますけど、僕は別に英雄になりたいわけじゃないんで。それじゃあ失礼します」


 廊下に出た誠は自分自身に言い聞かせるようにそう言ってみた。


 ふと振り返ってみたが、アメリアは誠を追ってくる様子もない。誠の言っていたことがある意味的を得たものだったと自分では思っていた。


「そうだ……僕はアニメに出てくるような英雄になりたいわけじゃないんだ……僕の代わりだってきっとごまんといるに決まってるんだ」


 自分自身にそう言い聞かせるように誠はそうつぶやいていた。



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