第8話
これはまだ練とくらし始めた頃のことだ
『リンが生きていく上で必ずやらないといけない事その2は己のギフトを知ることだ』
『僕のギフトって何?』
『それは自然に分かるよ。まず脱力をして次に大気と同化するように意識を空に飛ばせ』
『ふぅ………。んー、ちょっとよく分からないや』
『しかたねぇなぁ。俺のギフトで鍵を開けてやるよ』
『ん、なんか来たよ』
『何色だ。性格からして赤か青だろう。まさか紫か?』
『赤だよ』
『強化系かぁ』
『その赤とか青ってなんのこと?』
『ギフトにも色があってな。赤なら強化系、橙なら具象系、黄なら移動系、緑なら操作系、青なら事象系、藍なら変化系、紫なら特殊系ってな具合だ。あ~あとその赤何個ある?』
『5つだよ』
『お、Ⅴか。やったな。あ、あぁこれも説明がいるな。ギフトってのはランクがあってⅠ~Ⅴがあるんだ。Ⅴが効果も大きいがリスクも大きい。Ⅰは効果は小さいがリスクも小さいんだ。さぁお前のギフトの特訓を始めるか』
一呼吸置き一瞬にしてニーナの懐に入る
「!?」
予想通り姿が消え、気配が背後に現れる。右手の木刀を横凪にふるう
「くっ」
「まだまだぁっ!」
2本の木刀を矢継ぎ早にふるう。それと平行して時間を数える。3秒数えたところでまた姿が消える
「ていやっ」
1メートルほどの超至近距離から高速の突きが迫ってくる。それの軌道上に左手の木刀をのせる。木刀に細剣が刺さった瞬間その木刀を細剣ごと横に振る。
「うそでしょ!?」
「本当」
硬直した隙を突いて右の木刀で細剣をはじき飛ばす。そのまま切っ先をニーナののど元に突きつける
「降参?」
「仕方ないわ、降参よ」
“勝者は、熟練の二刀捌きを見せつけたぁリン!!!!”