ブラック企業ー漫才風ショート・ショート
「白木です」
「黒田で~す」
「二人合わせて、グレイです」
「ボーカルの黒田です」
「そっちは4人組のバンドだろ」
「あ~ら、ごめんなさい。タッちゃんです」
「それはグレイゾーンの方だろう」
「達也は朝倉みなみを甲子園に連れていきます」
「説明はいいよ」
「本当は、白と黒を混ぜるとグレイ(灰色)になるからですよ~」
「始めから言えよ。それにしても顔、黒いな。ヒサロか?」
「ハワイです~」
「お前、パスポート持ってないだろ」
「鳥取の羽合です~」
「ベタだな。お前、鳥取まで行く金ねえだろ」
「公園のベンチです」
「恥ずかしいだろ、いい大人が」
「この前、若手って言ってたじゃない」
「まだまだ若手だけど、俺たちもう31だろ」
「32です~」
「いつなったんだよ」
「今日です~」
「早く言えよ。おめでとう」
「ウソです」
「ウソかよ。顔だけじゃなくて、腹も黒いのか」
「腹黒で~す」
「もういいよ。まあ、黒いと言えば、最近話題のブラック企業。知ってるか?」
「いい企業で~す」
「どこがだよ。従業員をこき使う会社だぞ」
「給料が安い、最高!」
「どこがだよ。安い給料でこき使う、最悪じゃん」
「料金が安い~」
「確かに、モノは安いかな」
「会社、儲かる~」
「会社、儲かっても、お前、関係ないだろう」
「ハイト~、ハイト~(ハイホー、ハイホー)」
「配当?お前、株主かよ」
「大株主!」
「えッ、道理で節約してたと思った」
「ケチで~す」
「帰りに楽屋の弁当持って帰るんですよ」
「2つで~す」
「2つかよ。弁当無いと思ってたら、お前かよ」
「今日もカバンに入れました」
「今日もかよ。そんなことしてると株価下がるぞ」
「もう売っちゃいました」
「凄いな。今、実は株価下がっているんですよ」
「丸儲け~」
「俺も買いたいなあ。いい会社ないか~?」
「●■▲」
「今話題のブラック企業のだろ」
「ブラック最高!」
「従業員に優しくて、潰れない所無いのかよ?」
「あるよ~」
「あるのかよ?」
「ブラックじゃなくてゴールデ~ン」
「本当にゴールデン?」
「従業員には凄~く優しい~」
「従業員に?」
「絶対潰れな~い」
「どこだよ。その株買うよ」
「買えない~」
「どうして?」
「国ッ。借金が有っても公務員の給料は下がらな~い」
「確かに潰れないな」
「でも、国民にとって本当のブラック企業は国と地方自治体!」
「おいおいそこまで言うなよ。そこはグレーでいいだろ」
「グレー、グレー」
「お後がよろしいようで」




