1.好きって何?
「つ……つつ付き合ってください!!」
ほらまた来た。告白。
私、夢乃 飛鳥。
つい最近この辺に転校してきた。いわゆる転校生ってやつかな?
「無理。だいたい何? 皆さ。顔や性格がよければいいわけ?」
「そ……そんなことないっ」
「じゃあ……さ。なんなわけ?」
「いや……それは……」
「返す言葉ないなら諦めてちょーだい。マジ引くから」
皆私を「女番長」という。
なぜかって……?
それは……ま。あとでわかるわよ。あとで……
「う……うぁぁぁんっ」
何故いきなり泣く。意味不明……。
そして男はその場をあとにし、泣きながらどっか行ってしまった。
なんでふっただけで泣くの?
自分がOKもらえるとでもおもってたのかな?
それ、絶対おかしい。なんて言うっけ……自信過剰?だっけ?
私はあの変人男に構ってるのに手いっぱいいっぱいだし。
「夢乃さ〜ん」
ほら出た。あの変人男が……。
「あんま近寄んないでくれる? 暑苦しい」
「冷たいなぁ〜もう〜」
微妙に距離縮めてんじゃねーよ!!
―バキッ―
「グヘッ!!」
私は変人男を思いっきり力をたくわえた拳で頬をパーンチ。
「もう近寄るな。変態」
マジわかんない。私なんかに構って楽しいのだろうか……。
もちろん私は疲れる。この変人男の名前は桐原 涼だったような……。
席も隣。教科書忘れたり消しゴム忘れたり……。マジやめてほしい。
「だーかーら。返事考えてくれた〜?」
「なんの?」
「告白に決まってんじゃん」
「……は? 誰が誰に告白したんだハゲ」
「俺が。夢乃さんに」
「嘘付け。私は告白なんかされてない。されたとしてもおまえどうせ本気じゃねーだろうし。」
そうそう。男にとって恋愛は遊びでしかない。
私は恋愛は大事だと思う。でも恋愛って何?
誰かを好きになるってどうゆことなの?そうゆう経験あんまないからよくわかんない。
告白なら星の数された。でも自分から告白したことなんてない。
恋までいかないのだ。気持ちが……。
「頭いいな〜」とか「カッコいい」とかは思う。でもそれから上はない。
好きってどうゆうことなのかな?
いつか私も体験できるのかな?
不安でいっぱいなこの学校。大体皆、体目当てや容姿が可愛いからなどの些細な事で告白する。
それを繰り返したら、結局運命の相手とやらには逢えてないのではないのだろうか?
本当に……好きって感情はどうゆうものなのかな?