第六章・真実
始まってしまった麻穂とロボットの“二人”の生活。人とロボットの違い。・・・・それは何なのだろう。
何なんだこの人は
それがボクの主人(麻穂って人)に対する正直な気持ちだ。
頭が少しおかしいんじゃないんだろうか?人間ってのはもっと現実めいた生き物じゃないのか。特に大人ってのはそういうものだと、ボクは今まで思ってたんだけど。(―そういえばそれもボクにインプットされた情報なのかな・・・)
とにかく、この人は変だ。
急に「疲れないの?」とか聞いてくるし、
「晃彦」と、彼氏だったらしい人物の名前でボクを呼んでみるし。
ボクはただのロボットだ。
ただのお手伝いロボットさ。
電気で動いてるカラダだ。疲れるかって?ばかばかしい。
(疲れるってどんな感じだよ?)
それに元カレの名前で呼ばれても困る。
そういうの苦手なんだよ。
何なんだ?なぐさめてほしいのか?
ボクはそんなことまでインプットされてない。
ボクがこの家に来て一週間が過ぎた頃“ユカ”という人間が来た。
彼女はどうやら主人の友達らしい。
突然の訪問に主人は慌てていた。・・・・まぁ、それは分かる。
けど、・・・主人は、ボクのことを隠そうとした。
「ユカ!?どうしたの?いきなり!」
「ちょっと近くまで来たからさ、どうしてるかなと思って・・麻穂あれからいっこうに大学来ようともしないし。・・あがっても、い?」
「え、うん。・・あ、ちょっと待ってて!部屋汚れてるの!ちょっと片付けるから!!」
と言って彼女は“ボクを”片付けた。
―ちょっと待て、ボクはこの部屋の汚れなのか・・?
「ごめん、ちょっとの間ココに入ってて!」
彼女は押し込むようにボクを寝室へおいやった。
「出ないでね。」
ピシャンっと勢い良くふすまを閉める。
「すんごい久しぶりに来た〜麻穂ん家!」
由香という人物が部屋に入ってきた。
「・・そうだね、確か由香が最後に来たのアレだ、去年のクリスマス。由香と、タケシと、私と、・・晃彦の四人でパーティーした時。」
「―・・そっかぁ、結構経ってるね。」
「うん。あの頃と今じゃ、もう違うもんね。 晃彦がいない。」
「麻穂・・」
「戻りたいよ。」
ふすま越しに聞こえる主人の、小さな部屋を彷徨うように発せらるその声は力ない。
「麻穂、・・もう、戻れないんだよ。過ぎた日は帰らない。晃彦君だって・・。死んだ人は帰らない。私達は進まなくちゃいけないんだよ。生きるってことは、そうゆうことだよ。」
その一言でボクは、晃彦という人物がただ、主人のまえから消えたのではなく、完全にこの世から消えてしまったのだと言う事を知った。
同時に彼女の寂しさもボクは知ってしまった。
ボクは彼女が、毎晩深夜に目を覚ましては泣いてるのを知っていたから。
その孤独を・・知ってしまった。
大切な人を永遠になくしてしまったという
言いようのない寂しさを
知ってしまったんだ。
最近から作者ページに「読者の人数が分かる!」というような画期的!?(笑)なシステムが作られました。
少ないけれど、ちゃんと読んでくださってる人がいるっていうのはやっぱり嬉しいですね〜(^^)
頑張ってサボらずに書き続けたいと思います!!
最終話まで付き合ってもらえると嬉しいです。よろしくお願いします(^0^)/