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貧乏辺境貴族令嬢の契約結婚から始まる事件簿  作者: マモシ
第一章 見えない脅威

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8/18

戦争の理由 前編

今回は二本立てです。

19時にもう一度更新します。

よろしくお願いします。

あと、ブクマと評価もよろしくお願いします!

祝宴から一週間。

私は公爵家の生活にも慣れてきていた。


「奥様、おはようございます」

「ええ、おはようフラン」


フランが扉を開け部屋に入ってくる。

私はベッドに座り手を上にあげ伸びをする。


「気持ちいい朝ね」

「はい」

「今日の予定は?」

「特にありません」

「はあ、そう……」


ただ、問題はあった。

やることがないのだ。


「ねえ、フラン何か手伝う事は……」

「奥様、メイドの仕事はメイドの仕事です」

「はい……」


おっしゃる通りだった。

だが、とにかくやることがなく暇だった。

ヴァン様に聞いても「いるだけで意味がある」と言われるばかり。


「さあ、着替えますよ。奥様」

「はあーい」


慣れた手つきで着替えさせられ私は朝の準備を終える。

そうしていつものごとく朝食の席に着く。


「おはようございます」

「ああ、おはようリアリス」

「うん、おはよう奥方」


うん?なぜこの方がいるのだ?


「なぜいるのですか?王子?」


私は指をさし尋ねる。


「こらこら、一国の王子に指をさすものではないよ?」

「はあ」


王子は相変わらず余裕な笑みで、ヴァン様は呆れていた。


「リアリスすまない」

「いえ、ヴァン様は悪くありません。どうせ、そこの腹黒王子が悪いのです」

「はは、ずいぶんな言いようだな?」

「あなたにはぴったりです」


私はこの前の一件でこの王子が苦手で嫌いだ。

なので容赦などない。


「ふふ、やはり其方は面白いな」

「お褒めいただきありがとうございます。で、何か御用ですか?」

「やはり、話が早いな」


そういって王子は書類をテーブルに置く。

そこには隣国の名前があった。


「これは?」

「隣国の鉄の輸入量のデータだ」


私は書類を手に取り確認する。


「これは……まさか?」

「ああ、その予兆だ」


最近になって大幅に輸入量が増えている。

これだけの数は戦争まじかしか起こらない現象だ。


「戦争が起こると?」

「いや、確証は持ててない」

「と言うと?」

「隣国は近くの国に片っ端から戦争を仕掛ける蛮族だ。うちが対象とは限らない」


そう、隣国はとにかく戦争が大好きだ。負けようが構わず、仕掛けてまた時間を空けて攻めてくる。

では、なぜ完全に制圧しないかと言うと、問題はその地形にある。

周りを山に囲まれており、進軍が困難なために攻めきれず、みんな嫌気をさしているのだ。


「そうですか、ではなぜ、その資料をもって公爵家に?」

「ふふ、本当に話が早い」


すると、彼はもう一つ書類を出してくる。

そこには隣国の周りの国のサインが入っていた。

ただ、そこには我が国のサインがなかった。


「これは隣国周辺の国同士で隣国の鎮圧目的とした共同戦線の契約書類だ」

「それは、また物騒な」

「ああ、非常物騒だ。今回、隣国周辺国は奴らの蛮行に耐えかねて殲滅しようとしている。そしてその契約書がうちにも回ってきたのだが……」


王子は微かに微笑み手を口元に持っていく。


「誰かさんに「汚い」と言われたのを思い出してな?なら、今回は綺麗に行こうとしているわけだ」

「うっ!?」


しまった。

まさか、こんなとこであの言葉が自分の首を絞めるとは。


「はあ、王子はどう綺麗にするつもりですか?」

「ああ、それが今回の相談事だ。どうにか奴らの進行を止められないか?」

「と、言われましても。私は軍人ではありませんよ?」

「其方なら、いい案が思いつくかと思ってな?」

「ビンセント、あまりリアリスに無茶な要求をするな」


ヴァン様は強い抗議の目で言ってくれる。


「そうか……すまなかった」


うん?やけに素直だな?


「なら、しかたない。この書類にサインをするしかないな」

「「!?」」


この男、私にそんな重要なことを全部任す気だったのか!?


「おい!ビンセント、自分でも考えたんだろうな?」

「ああ、考えたさ、だがいい案は出なくてね?」


彼はおどけて答える。

絶対嘘だ。


「はあ、分かりました。少し考えさせてください」

「うん。いいよ」


そのにっこりな顔をビンタしてやりたい。

だが、ぐっと堪えて考える。


「王子、今回の進行はどこの国か予測は完全に不可能なのですか?」

「ああ、密偵を放ちたくてもあの国はよそ者は入れないからね」

「そうですか……」

「攻める国が分かれば何かいい案が出るのかい?」


私はコーヒーを一口飲み答える。


「分かりません。ですが、隣国の狙いが分かるかもしれません」

「狙い?」

「はい、いくら隣国が戦争が好きだと言っても不思議な点が多すぎます」



「不思議な点?リアリスなんだそれは?」


「ヴァン様、不思議ではありませんか?戦争が好きとはいえ、いくら何でも片っ端から仕掛けていては、好きな戦争が長続きなどしません。いずれ疲弊し民がいなくなくなります」


「まあ、たしかにな」


そう、蛮族だと言っても生きているのは同じなはず。ならこの闇雲に見える戦争も意味があるのかもしれない。


「つまり彼らはただの、蛮族などではないと?」

「はい、彼らはおそらく戦争をやめられない。やめたくても」

「やめたくてもか…」


そう、それが分かればもしかして道が見えるかもしれない。

彼らを殺さずに、そして穏便にことは済むかもしれない。

幾多の戦争、それに意味があるなら。



読んでいただき、ありがとうございます。

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