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貧乏辺境貴族令嬢の契約結婚から始まる事件簿  作者: 雨夜 フレ
第三章 愛の確認

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遺言

「フランさん!どうでしょうか!」


フランはポルタ様の拭いた窓ガラスを見て顔をしかめる。


「ここ、まだ埃があります」

「すいません!やり直します!」


すごい勢いで拭き直している。


「おいおい、厳しくないかフランさん!」


ギャレット様が抗議するが、厳しい目線が飛んできた。


「なにか?」

「い、いえ!なにもございません!」

「あなたも、頑張るんですよ」

「は、はい!」


ギャレット様も窓ガラスを拭く。


「この光景にも慣れましたね?」

「ああ、そうだな」


私は紅茶を飲みながらその光景を諦観していた。


「この様子だと失恋ですかね?」

「失恋以前の問題のような気もするがな」


確かに、フランはポルタ様に対して部下のように厳しく接している。

恋愛以前かもしれない。


「なあ、フランさん」

「はい?なんですか?手を動かしてください」

「あ、ああ。えっとフランさんは初恋はいつなんだ?」


フランが固まる。

完全に地雷をふんだ音がした。


「バ、バカ!」


ポルタ様が思いっきりギャレット様を殴っていた。


「いてっ!?あ、兄貴だって気になるんだろ?」

「聞いていい事と悪いことがあるだろ?」

「それもそうか、わ、悪かったよ。フランさん」

「い、いえ。かまいません」


フランは顔を赤くしてもじもじしていた。

気のせいだろうか?

ちらちらとギャレット様見ている。


「……なるほどな」


ヴァン様が何か納得していた。


「どうしました?」

「見て分からなかったか?」

「??」


ヴァン様は顔に手をやっていた。

呆れているみたいだった。

何かとても失礼な気がした。


「あのな。おそらくフランはギャレット様に惚れているんだ」

「そ、そうなのですか?」


全然わからなかった。

私には仲のいい部下と上司にしか見えなかった。


「まあ、リアだからな」

「どういう意味ですか?」

「そのままの意味だ」


失礼だな。そう思い抗議する。


「不服です」

「と言われてもな……事実だしな」

「私が恋愛音痴と言いたいのですか?」

「まあ、端的に言えばそうだな…」


私はなぜかむっとした。


「ふーん。そんな失礼な人とは思いませんでした」


私はらしくもなく少し拗ねてしまった。


「いや、俺はあくまで事実を……いたっ!?」


私は旦那様の足に思いっきり蹴りを入れる。


「行っていい事と悪いことがあります!」

「お、おい!リア!」


旦那様は呼びかけていたが、無視をして自分の部屋に戻る。


そうして、部屋にこもっていたらドアがノックされる。


「奥様?」

「フランどうしたの?」


フランが部屋に入っていくる。


「すみません……」

「何で、謝るの?」

「いえ、私のせいで旦那様とケンカしてしまったようですので……」

「いいのよ、あれはヴァン様が悪いのだから」


そう、あれは無神経な旦那様が悪い。


「おそらく旦那様も悩んでいるのでしょう」

「悩む?なにに?」

「えっと、それは私からは言えませんが、一度旦那様としっかり話した方がいいかと思います」

「……そうね」


確かに私らしくなかったし、一度話してみるべきよね。

私は何でも分かってくれる彼に甘えすぎていたのかもしれない。


「フランありがとう」

「いえ」

「フランも頑張ってね」

「な、何のことでしょうか?」

「ギャレットのこと」

「!?」


彼女は黙ってしまった。

顔は真っ赤で手で顔を隠していた。


「ふふ、いい顔してるわね?」

「からかわないでください……」


私は可愛い彼女の顔を見ながら旦那様と話し合わないといけないと部屋を出る。


パン!   


その瞬間銃声が聞こえた。


「フラン!急ぎましょう!」

「はい!」


私たちは急いで音の方向に言った。

そこには旦那様とギャレット、血だらけのポルタ様。

そして、兵に取り押さえられている男が一人いた。


「ポルタ様!!」


フランがポルタ様に駆け寄る。


「……フランさん」

「なんで、こんなことに!?」

「それが、屋敷に用事があると商人が来てその男がいきなり小型の銃を俺の向けたんだ。それを兄貴がかばって…」


ギャレット様は、手を強く握っていた。

血は止まり指先は赤くなっていた。


「……ふ、手のかかる弟だ…」

「なんでだよ!兄貴!」


ギャレット様の頭に手を置きポルタ様は優しくなでる。


「……お前は優しすぎる。だから、父上は……」

「兄貴?」


そこで言葉は止まり、手は床に落ちる。


「兄貴!」


彼の声は屋敷中に響いた。

心から死んでほしくないと訴える声は痛いほど響いた。











読んでいただき、ありがとうございます。

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