ポルタ襲来
今回のことは正直何も心配していない。
これは、非常に簡単な問題だ。
だが、根が深い。
それだけが心配だ。
「ギャレット様そこ拭き切れていません」
「そ、そこまで気にするのか?」
「当たり前です」
フランがギャレット様を怒っていた。
最近は見慣れた光景だ。
「ふ、ギャレット様も慣れてきたみたいだな?」
「ええ、良かったです」
彼が来てから数週間経っていたが、以前ハウゼンに動きはない。
それが不気味だ。だが、一つ確かなことはある。
「こないな。ポルタは」
「ええ」
そう、第一王子は自分で来るはずなのだ。
彼は自分の正体がばれるとまずい。
ここは城外だ。ギャレットの話を信じる家臣も出てくるかもしれない。
となると第三者に関わらせたくないはずだ。
「そうなる前に自分で処分したいというわけか」
「はい、そうだと思います」
おそらくなんだかんだ自分で理由を付けてくるだろう。
だが、いつまでたっても来ない。
「なにか城であったのか?」
「その可能性も否定はできませんね」
あの国は色々きなくさい。
そういう話もあり得るのだろう。
「ギャレット様遊んでますか?」
「い、いや、俺はまじめに……」
「いや、弟はふざけています」
「「!?」」
そこには、ポルタ様がいた。
「あ、兄貴!?」
「フランさんそんな男よりこの私をご指導してくれませんか?」
「はい?」
フランは困惑していたが怒っていた。
「今は、ギャレット様の指導中です!」
フランは思い切りポルタ様を蹴り飛ばす。
「あ、兄貴ーー!!」
ポルタ様は気絶していた。
そこに駆け寄るギャレット様。
「ちょっと、フラン!やりすぎよ!?」
「す、すみません。つい…」
でもなぜここにポルタ王子はこんな訪問の仕方を?
それから一時間後ポルタ王子は目覚めた。
「は!?」
急に飛び起きるポルタ様。
「ここは?」
「兄貴ここは公爵家のベッドの上だ」
「ギャレットか……」
「大丈夫ですか?」
「はい、フランさん!」
「あ、兄貴?」
ポルタ様はフランを見ると途端に元気になった。
「どういう事なんでしょうか?」
「まさか……惚れたのか?」
「え?どういうことですか?」
「そのだな、ポルタ様はフランに惚れたのかもしれないと言う事だ」
そんな馬鹿な。
一目ぼれとでも言うのか。
そんなのは小説の中だけでは?
「ポルタ様はなぜここに?」
「お前は公爵家の奥方だな」
「はい、改めまして、リアリスと申します」
「うむ、よろしく頼む」
うん?今よろしく頼むって言わなかった?
「た、頼むとは?」
「俺も世話になる。と言う事だ!」
「はい!?なぜですか!?」
「ここで、フランさんにご指導をお願いするのだ!」
な!?旦那様の言う事は当たっていたと言う事か!?
「い、いや、一国の王がこんなとこにいては……」
「そんなことは問題ではない!」
「はい!?」
彼は断言する。
「ここに何より大切な物を見つけた!」
そういってフランを指さす。
「わ、私ですか?」
「そうです!」
「あ、兄貴……」
そんなポルタ様をギャレット様は感動した様子で見ていた。
「応援するぞ兄貴!」
「ああ、弟頼むぞ!」
ポルタ様は暖かい目線を弟に向ける。
とにかく、この兄弟は人の話を聞かないことだけは分かった。
「ヴァン様どうしましょうか?」
「本来はどうするつもりだったのだ?」
「えーと、本来はケンカの延長線上だと思っていたので話し合いをさせるつもりでした」
「それで解決予定だったのか?」
「いえ、妥協点を探ろうかと思ってました」
それが妥当な選択だと思っていたが、ここにきて急展開であった。
「なら、少し作戦を変えよう」
「と、いいますと?」
「うまく成就してもらうか失恋をすれば諦めもつくだろう」
「まさか、ヴァン様……」
「ああ、しばらくは滞在していただこう」
「本気ですか?」
「ああ」
その目には一切の冗談がなかった。
こういう時の彼は本気だ。
そうしてさらに生活は賑やかになった。
だが、この時の私はあんな結末が待っているとは到底予想もしなかった。
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