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貧乏辺境貴族令嬢の契約結婚から始まる事件簿  作者: 雨夜 フレ
第二章 揺れる信念

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24/40

神隠し

今回も二本立てです。

二度目の更新は16時です。

よろしくお願いします!


「ようこそ、おいでくださいました」

「今回はよろしくお願いする」


私はたちは今ニビアの領主の城に来ていた。

城は歓迎のムード一色だった。

これには、私もヴァン様も驚いていた。

嫌われているものだとばかり思っていたからである。


「随分歓迎してくれているのですね?」

「ええ、前回の件もあります。公爵様には大変前領主がご迷惑をおかけしたので」


領主は人懐っこい笑みを浮かべる。

前領主のことはあまり知らないが、この領主は違和感しかない。

この領主の笑みには裏がある人間特有のにおい。または雰囲気が漂っている。

なにかある。そう確信する。


「ですが、前の領主の話ですしそこまで気にしなくても……」


私は少し揺さぶりをかける。


「いえ、いえ!そんなわけにはいきませんよ!」


領主は強く否定する。

やはり、表面には本性は出ない。


「それで、今回はなぜニビアに視察に?」

「実は、今回はある組織の拠点がここニビアにあるかもしれないと思い視察に来た次第です」


ここは素直に理由を言い揺さぶりをかける。


「そ、そうなのですか!?」

「ええ」


その言葉を聞いた瞬間領主の方が少し上がる。

やはり何か知っている。


「なので、今日はゆっくり場内で休ませてもらい明日からニビア領内を視察しようと思います」

「わかりました。今日はぜひこの城内でごゆっくりして行ってください」


また柔らかい笑み。

この笑みは何度も見た。

記憶に焼き付いている貴族の笑みだ。


そうして私たちは宿泊する部屋に案内された。


「またお迎えに来ますので、少しの間、部屋にておくつろぎください」

「ああ、わかった」


執事は部屋から出ていく。

そうして二人の空間になる。


「ヴァン様、やはり領主は何か知っていますね」

「おそらくな」


だが、おかしい。

確かに領主以外からは歓迎されているようだった。

なぜ?恨まれているのでは?

それとも、本当に前回の件を気にしているから?


「ここの領主は前の領主とは違って、一筋縄ではいきなさそうだな」

「ええ、どうも、かなり切れるタイプのようですね」


それに、この部屋だ。

上等な客間のようだが、埃の一つもない。

部屋の掃除が行き届いているのが不思議だ。

ここは辺境近くの土地。客など滅多に来ないはず。

急な視察、それ対応したにしては準備がいい。


「……予想していた?」

「リアリスどうした?」

「もしかしたら、ここの領主は視察が来るのを予知していたかもしれません」

「本当か?」

「あくまで現段階では予測でしかありませんが、可能性は高いです」


メイドに毎日掃除させていた可能性もあるが、それでも、シーツや、カーテンまで埃っぽくないのは無理がある。高確率で予知していた可能性がある。


「では、領主はこのニビアに彼らの拠点があると思っているのか?」

「そこまでは、分かりませんが、少なくても視察される可能性があるとは考えていたと思います」


異常な歓迎。

埃一つない部屋。

領主の裏。


これはなにをさしている?


「少なくても、現時点では不明なわけだな?」

「ええ、目的は一切不明です」

「はあ、また後手か?」

「いえ、今回は少なくても先攻はこちらです。ですので、今は相手の出方を見る状態なだけですよ」


そう、これでどう動くかだ、領主、または彼がどう動くか。

それが、今回の先攻の鍵だ。


「お待たせいたしました。旦那様よりのご命令で今から城内の案内をさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか?」


これは願ってもない事だった。

例え、何かの罠だとしても行く価値はある。


「ええ、お願いできますか?」

「畏まりました」


そうして私たちは城内のあらゆる個所を案内される。


「この城は歴史が長く。一時は国王も住んでいたとされています」


古い昔、この辺境近くに王族が住んでいたのは有名だ。

ゆえにこの城は大きく古い。


「そして、ここがその国王が使用されていたとされるワイナリーです」


案内されたのは地下室のワイナリーだった。

そこは、地下だというのになぜか空気が澄んでいた気がした。


「見事なものですね?」

「ええ、ここでは今でもその当時のワインが保管されてもいますのでとても貴重で……」


ガチャン

不意に入り口から音が鳴る。


「うん?今の音は……」


次の瞬間、部屋の中に果物のような甘い香りがした。


この匂いは……!?

やはり!


「ヴァン様!」


視線の先のヴァン様は体をふらつかせていた。


「うっ!?」


私は体から力が抜けていくのが分かる。

そうして私は意識を失った。


「よし、三人を運び出せ」

「は!」


兵士たちが領主の命令で動く。

だが、そこにいるはずの人物がいない。


「た、大変です執事がいません!」

「よく探せ!」


だが執事は見つからない。

まるで神隠しのように執事は消えたのであった。










読んでいただき、ありがとうございます。

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