闇に溶ける。
今日も二本立てです!
よろしくお願いします!
2回目の更新は16時です。
「帝国ですか……」
「ああ、そういう事だ」
「だが、お前らなぜ、リアリスには言う気になったのだ?」
「ふん、あんたや、他の人と違ってな嬢ちゃんは本気で俺達も助けようとしていたそれだけの違いさ」
私にの言葉に嘘はない。
どうにかできるかもしれない。
だが、今はまだその時ではない。
「情報ありがとうございます」
「いいてことさ」
聞けることは聞けたので私たちは牢屋を後にした。
「リアリスどうする気だ?」
「どうとは?」
「戦争を止めるのではないか?」
「そうですね。今は様子見ですかね……」
「というと?」
私は隣国を指さす。
「隣国はとりあえず我が国の援助で生き延びる。だけど、帝国の影はチラつく。この状況では私にできることは相手の出方を見るだけです」
「後手に回ると言う事か……」
「はい、嬉しくはありませんが、下手に動けば余計に相手の思うつぼですから」
「そうだな」
今回は私にできることはない。
「分かった、なら、リアリスは休むことに専念していろ」
「はあ、ヴァン様もう休養は十分ですよ……」
本当によほど契約は破棄をされったくないと見える。
「それより、お仕事はいいのですか?」
「ああ、しばらく開けてもらえるようにジュエルが調整している」
「何か予定があるのですか?」
「あのな、妻が誘拐されて倒れているのだぞ?仕事に手が付かなくもなる」
「??」
契約結婚の相手にそこまで気を使わなくてもいいのでは?
これは契約相手としてやることをやろう。
「ジュエルさん」
「はい、奥様」
何もない物陰からジュエルさんが出てくる。
「ヴァン様の仕事を通常通りにお願いします」
「な、なにを言ってるのだ!?リアリス!?」
「畏まりました。奥様」
「ちょ!?まて、ジュエル!?」
「旦那様、奥様命令ですよ。絶対です」
「い、いや。屋敷の主は俺で……」
「絶対ですよ?ヴァン様」
私はにっこりする。
「リアリス!?」
「さあ、行きましょう」
「リアリスーーー!!」
ヴァン様の叫び声は廊下に響いていた。
だが、書斎のドアが閉まり鎮まる。
「さあ、私もできることをやろう」
そうして、私はフランのもとに向かう。
「フラン」
「はい、奥様なんでしょうか?」
「あなたなにか知っている?」
「何かとは?」
「帝国の噂とかよ」
フランは手を口元に持っていき考える。
「そうですね、これはあくまで噂ですが、なんでも周辺国は新兵器を見せられたとかなんとか」
「……それは噂ではないのでは?」
「いいえ、噂です」
あくまで、噂としておきたいらしい。
「新兵器ね……詳細は?」
「いえ、詳細は不明です」
となるとますます、下手に動くことはできない。
「はあ、八方ふさがりね?」
「はい、今はゆっくりしておきましょう」
そうして庭で紅茶を飲むことにした。
「美味しいわね?」
「私までよかったのですか?」
「ええ、話し相手が欲しいんだもの」
「ふふ、畏まりました」
その顔は以前と違って柔らかい笑みだ。
「ねえ、フランの家族は元気?」
「はい、当面は心配いらなさそうな予定です」
「そう……よかったわね?」
「はい」
穏やかな時間は過ぎるのが早い。
たわいもない話をしていたら、もう夕方だった。
「もう、こんな時間ね」
「はい、夕食の準備ができる頃ですね」
「ヴァン様は仕事終わらせたかしら?」
「大丈夫ですよ。旦那様はああ、見えてやるときはやりますから」
「ふふ、そうね」
そうして夕食の席に着くとヴァン様が少しやつれた姿で現れた。
「リアリス、恨むぞ?」
「お仕事は大事ですから」
「はあ」
そうして夕食も住み寝る時間になったのだが……
「なぜ同じベッドにいるのですか?」
「リアリスが心配だからだ」
はあ、それでどうして同衾になる。
「ヴァン様、どうかご自覚してください、契約結婚は破棄する予定なのですよ?」
「は、破棄の予定があるのか!?」
「それはそうでしょう、いつまでも血なまぐさい貴族の争いの中にはいたくありませんから」
「……そうか、なら余計に今日は一緒に寝る」
そういって布団を頭からかぶるヴァン様。
「もう、子供ですか、あなたは」
「子供で結構!」
私は仕方なくいい案を考える。
そして名案を思い付く。
「なら、こうしましょう」
そういって大きな熊の木彫りをベットの真ん中に置く。
「このラインより向こうがヴァン様にしましょう」
「い、いや。それでは意味が……」
「では、おやすみなさい」
「リアリス?リアリス!?」
「むにゃむにゃ」
「もう寝ている!?」
その日はいい夢が見れた。
その翌日、事態は急展開を迎えた。
牢屋の男たちが全員殺されていた。
まるで闇の中に溶けるように。
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