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貧乏辺境貴族令嬢の契約結婚から始まる事件簿  作者: マモシ
第一章 見えない脅威

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10/21

帰り道

今回も二本立てとなります。

二本目は16時になります。

よろしくおねがいします!


公爵家を出るとき、空はよく晴れていた。


「お気をつけて、奥様」


フランのその言葉が、やけに胸に残った。


1時間後。


「よし、手帳もとれたし帰ろうかしら」

「もう帰るのかい?」

「ええ、パパ。また来ますから」


そういって実家を後にしようと馬車に乗る。

それからしばらく馬車に揺られていた。

だが、違和感に気付く、やけに揺れが長いと。


(そろそろね)


急に馬車は止まりドアが開く。


「大人しくしてな」

「……」


私はただ静かに頷く。

そして目隠しをさせられて、馬車を降り何か建物の中に入る。

目隠しが外される。

そこはどこかの小屋だった。

そして目の前には男が三人。


「あなた達は周辺国の方ですね?」

「……」


肯定はない。

だが、男の一人の眉は微かに動く。


「どうして私を誘拐など?」

「ふん、あんたの存在は邪魔にしかならないからさ」


やはり、こうなったか。

遅かれ早かれ動くと思っていたが、思った以上に速い。

それに、移動の日程がばれている。


「密偵がいますね?」

「ふふ、屋敷の奴はよく働いてくれてるよ」


男は下卑た笑みだった。


「で、私を殺すのですか?」

「は、そんなのはもったいないね。身代金でも貰ってそのあとは知らん」


どうも、この人たちは使い走りで本命はまだ裏と言うわけだ。


「それが、命令ですか?」

「そうだとしたら?」

「お粗末ですね?」

「ほう」


男は近寄ってきてナイフをポケットから出す。


「嬢ちゃん忘れるなよ?身の安全は保障されてないんだぜ?」


ナイフが眼光に迫る。


「それは出来ないでしょ?」

「何を根拠に…」

「困るのでしょ?私が死ぬと」


男の顔は微かに動く。


「なぜだ?」

「だってそうでしょ?私が死ねば公爵家は確実にあなた達を許さない。それは周辺国からすれば面倒この上ない。しかもまだ望まない戦争にもなる」

「お嬢ちゃんどこまで知ってる?」

「そうですね。あなた達周辺国がまとめて私たちに戦争を仕掛けようとしていることですかね?」


今度ははっきり男の顔に冷や汗が流れる。


「恐れ入った。そこまでばれているとはな」


母の手帳これは実に役に立った。

母の手帳では隣国周辺の国の鉱物や食料の輸入量が書かれていた。

だが、最近の輸入量と比べると極端に少ない。

つまり、そこまで急に増えているのだ。

そして昨日の話、隣国を手に入れようとしている動き。


それらを加味して考えると何か違和感があった。

どうしてそこまで隣国を制圧したかったか。

それは、わが国を責めるうえであの土地は邪魔だったからと考えるのが自然だ。


「どうですか?」


私は自分の整理した内容を話す。


「ふん、お見事だな」


どうも正解のようだ。


分かっていたが、なんともまあ。


「本当にひどい話ですね?」

「なんだと!?」

「これはデータを見直せば誰でもわかります。たとえば賢い王子様とか」

「!?」


何を意味するのか男は理解したようで部下に何か話していた。

おそらく事実か確認させているのだろう。


「でも、解せません。なぜ、そこまでして戦争がしたいのですか?我が国と周辺国の戦力ははっきり言って違い過ぎます。勝ち目は薄いはずですよ」

「それでも、やらねばならぬ」


また理由か……


私は言葉を探るようにして話す。


「名誉ですか?」

「そうだ!貴様らに受けた屈辱を晴らす時だ!」


前大戦時、彼らは我が国に負けた。

だが、王は植民地化をしなかった。

それは甘さゆえではなかった。

そこまで余裕がなかったのだ。

そもそも戦争を仕掛けてきたの彼らだった。

そのため準備などできるはずもなかった。


なんて理由だと思うかもしれない。

だが、当人たちからしたら死活問題なのだろう。

強い眼差しがそれを証明している。

ただ、違和感がある。

まるで、追い込まれているようなひどい焦燥感がある。


「なにに、怯えているのですか?」

「!?」


彼らは肩が上下に動くそれは確かな動揺。

ビンゴだ。

彼らは怯えている。

大きな恐怖に。

それが黒幕だ。










読んでいただき、ありがとうございます。

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