表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気まぐれ食堂ねこまんま〜動物好きおっさんの異世界飯テロ日誌〜  作者: はぶさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/300

幕間:プルンのぷるぷる記念日

僕の名前はプルン。スライムの子供だ。

でも、最近の僕は、名前みたいに「ぷるん」としていられなかった。


体が、なんだか水みたいにゆるゆるになっちゃって、いつも地面にだらしなく広がっていた。みんなみたいに、ぼよんって跳ねて、森の中を駆け回りたいのに、それができない。仲間たちが楽しそうに鬼ごっこをしているのを、木の根元でじっと見ているだけ。寂しくて、悔しくて、体がもっと溶けちゃいそうだった。


そんな時、森の仲間が噂しているのを聞いたんだ。森の奥に、不思議な料理屋があるって。


怖かった。でも、独りぼっちはもっと嫌だった。僕は、最後の力を振り絞って、そのお店に向かった。やっとたどり着いたけど、ドアを開ける力も残ってなくて、気づいたらドアの隙間からお店の中に染み込んでいた。情けなくて、また泣きたくなった。


お店の旦那さんは、僕を見ても驚かなかった。それどころか、僕の悩みを優しく聞いてくれた。「浜辺のクラゲみたいだな」って言われた時はびっくりしたけど、僕の気持ちを分かってくれたんだって、なんだか嬉しくなった。


そして、旦那さんが作ってくれたのは、キラキラ光る宝石みたいなデザートだった。


《特製、ぷるぷる復活ベリーゼリーだ》


僕がそれを体に取り込むと、信じられないことが起きた。

ゆるゆるだった僕の体に、芯が一本通ったみたいに力が戻ってきたんだ。だんだん体がまとまって、失くしていた綺麗な丸い形に戻っていく。


そして――


「ぼよんっ!」


跳ねられた。

僕のみたいなところが、ちゃんと地面を蹴って、体を空中に持ち上げてくれた。嬉しくて、楽しくて、何度も何度も跳ね回った。旦那さんは、そんな僕を優しい顔で見ていた。


お土産にもらった「サプリメント」は、僕の宝物だ。これを大事に体にしまって、僕は元気にお店を飛び出した。


森に帰ると、ちょうど仲間たちが集まっていた。

みんな、元気になった僕を見て、すごく驚いてた。


「プルン! 元に戻ったの!?」

「すごい、ぷるぷるしてる!」


僕は、みんなの前で、今までで一番高くジャンプしてみせた。


「ぼよーーーーんっ!」


みんながわっと歓声をあげる。

「もう鬼ごっこできる?」「一緒に遊ぼう!」って、僕の周りに集まってきてくれた。


僕は、嬉しくて何度も頷いた。

もう独りぼっちじゃない。


あのキラキラしたゼリーの味と、旦那さんの優しい顔を思い出す。

あの日、あの場所は、僕にとって、ただの食堂じゃなくて、魔法のお店になった。そして、今日という日は、僕の「ぷるぷる記念日」だ。


今度は、みんなを連れてあのお店に行こう。そして、世界一おいしい、あの宝石みたいなデザートを、みんなにも食べてもらうんだ。


ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございます!皆さんの感想や、フォロー・お気に入り登録が、何よりの励みになります。これからも、この物語を一緒に楽しんでいただけたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ