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7.フルール・ロゼ

私達がクール帝国に来てから、6年経った。

アーウィン王国の新しい王妃は、王子と王女を1人ずつ産んだらしい。

これでもう、私とシオンがアーウィン王国に戻る必要はないだろう。

戻ったら、今度こそ殺されるかも知れないし。

どうか皆様、私達とは関係ない所でお幸せに。


今私は皇太子に頼んで、薬師として帝国宮廷内で働いている。

シオンは従兄弟のリオンとティアと、帝国宮廷で仲良く過ごしている。

エヴァはようやく療養が終わり、帝国宮廷魔法師長として働き始め、ラヴィはその補佐で副師長をしている。

そして、皇太子は帝国公爵令嬢を婚約者に迎えたが、この婚約者が問題有りだった。


「ああ~ら、カレン様。

相変わらず、薬臭いですわね!

平民に混ざって働くなんて、私には理解出来ませんわ!」

出た。

皇太子の婚約者、フルール・ロゼ、15才、ピンク髪。

父親は帝国公爵、母親は元皇女で皇帝の妹。

身分だけなら、私より上だから言い返さないけど、突っ込み所は盛り沢山だ。

「あー、ピンク頭!

何、姉ちゃんと同じ顔してんだよ、ブス!」

…シオン。

私と同じ顔にブス言うな。


フルールの問題、その1。

私と同じ顔という事。

母親同士が異母姉妹だからと言って、同じ顔である必要、無いでしょう!?

『蒼穹の鳥』では、フルールはほとんど出番がなかったけど、絶対、作者が新しい顔を考えるのが面倒だったんだと思う。


因みにシオンは本気で、フルールの事をブスだと思っている。

シスコンを拗らせているシオンにとって、前世の私の顔が一番美人なんだそうだ。

6年前は私もよくシオンに

「ねえちゃ、ブスになったね!」

と言われたものだ。

カレンは傾国の美女なのに。

前世の私の渾名は『ヅカ(宝塚)の王子様』だった。

つまり、かなりの男顔。

…シオン、頑張れ。


「わー、今日も頭に花を咲かせてるね。

頭の中が花畑だから、お揃いだね!」

ティア・シュヴァルツ、12才。

帝国公爵である皇弟を父親に持つ。

「…本物の花なら、摘んで兄上に差し上げるのに。

使えないな」

リオン・ド・クール、12才。

帝国第二皇子、ブラコン。


フルールの問題、その2。

皆から嫌われ過ぎ。

皆と仲が良い私が妬ましくて、私に嫌味を言う度に皆に嫌われる、という悪循環。

もう諦めればいいのに。


「カレン、父が胃薬が切れたって言ってるんだけど…」

「ラヴィアン様!

お会い出来て嬉しいです!!」

ラヴィを見た途端、フルールは物凄い勢いでラヴィに迫った。


フルールの問題、その3。

ラヴィの事が好きな事。


ラヴィは結界を張って、フルールが近付けないように阻んだ。

「近付かないで頂けますか、ロゼ公爵令嬢。

私の婚約者と同じ顔だというだけで不愉快ですし、いっそ塵に戻って頂きたいものです。

私の名前を呼ぶ許可は出していませんので、呼ばないで下さい。

というか、塵に戻って下さい」

ラヴィは早口で、物凄い失礼な事を言っている。

フルールはラヴィが何を言っているか、理解していないようで、ずっと目がハートだ。


「…賑やかだね。

ご機嫌よう、ロゼ公爵令嬢」

皇太子が挨拶すると、フルールの顔がスッと真顔になった。

「ご機嫌よう、皇太子殿下。

用事を思い出しましたので、失礼しますわ」

フルールは会釈をすると、立ち去ってしまった。


フルールの問題、その4。

婚約者である皇太子が嫌いな事。





名前の意味:

フルール・ロゼ=薔薇の花

ティア・シュバルツ=黒い涙

リオン・ド・クール

【本来はクール・ド・リオン=ライオン(獅子)の心】

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