表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

5番テーブルご指名

作者: 星野☆明美

「あっけみさーん、5番テーブルご指名でーす♪」

「あいあーい!」

フリルだらけのピンクのドレスをまとって、5番テーブルへ向かう。

先に同僚のひとみちゃんとともえちゃんがスタンばっていて、客にウイスキーの水割りを作っていた。

「君が明美ちゃん?」

「はーい。あらこちらのお客様、顔色が悪いわ」

「株式会社ガミラスの社員様よ」

顔色がなんていうか、青い。

「酔ってないの?」

こっそりともえちゃんに聞く。

「相当呑んだから酔ってるはずよ?顔色が変わらないのよ」

「我々は、母星ガミラスの名に恥じることなく、地球征服を行う!」

すっくと立ち上がって、妙なことを口走る客。

「おー!」

他の客が同調して声を上げる。

へー。

しらけ顔で私たちは彼らを眺めた。

「あのー、お客様?ガミラスって会社、ですよね?」

「何を言う!我らが故郷の星の名だ」

ヒック。

しゃっくり。

酔ってるな。

「特別室へごあんなーい!」

声を張り上げて、他の従業員の注意を引く。

「大丈夫なの?酔ってないように見えるけど?」

黒服が耳打ち。

「大丈夫。ぐでんぐでんだから」


「お客様、特等席へご案内致します」

客の両脇をがっしりと支えて、誘導する。

カーテンで仕切られた席に座らせて、従業員はばらける。

でっかいレバーをがちょん、と下ろすと、客席が回転してどんどん速度をあげた。

「いっちょあがり」

意識のない客からみぐるみはいで、持ち物を並べる。

物騒な武器多数。

そっちは買い取り業者行き。

「ひーふーみーの、ちっ、しけてやがんな。これっぽっちしか銭持たずにきやがって」

「客はどうします?」

「いつものように店の裏口から叩き出しとけよ」

「悪い店だなぁ」

「知ってて働いてるくせに」

「地球征服狙ってる悪い奴らを一網打尽!バー竜宮城とはこの店のことさ」

「いいんかなー?」

私はポリポリ頭をかいた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ