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クール美少女の秘密な趣味を褒めたらめちゃくちゃなつかれた件  作者: ネコクロ
第2章「譲れないもの」

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第47話「ロリ巨乳の姉」

「さすがに着てたのは駄目だよ」


 正直言えば、鈴花ちゃんが僕の着ていた服を着ることに興奮を覚えないわけじゃない。

 だけど、やはり自分の匂いや汗が付いた服を着せるのは抵抗がある。


 だって、臭いや汚いと思われたら立ち直れないじゃないか。


 そんな僕の思いとは裏腹に鈴花ちゃんはプクッと頬を膨らませてしまう。

 完全に拗ねてる時の様子だ。


「いじわる……」

「あっ、いや、別にいじわるをしてるわけじゃないよ?」


 僕が鈴花ちゃん相手にいじわるをするわけがない。

 そんなこと、そろそろわかってくれてもいいはずなのに鈴花ちゃんは子供っぽく拗ねてしまった。


 最初はクールで大人っぽい印象が強かった彼女だけど、一緒にいるうちにこんなふうに子供のような態度を見せることが多くなった。

 おそらくこっちが鈴花ちゃんの本性なのだろう。

 怒られることに対して耐久が0に近いし、かまって欲しがる節があるからね。


 とてもかわいいから問題はないのだけど、こういうふうに拗ねられてしまうと少し困る。


 どうやって機嫌を直してもらおう?


 そう悩んでいると、ふとどこからともなく聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「――ふーちゃん、ただいま~。あれ? この靴誰のかな?」


 聞こえてきたのは呑気で優しい女の人の声。

 僕の姉さんの声だ。


「えっ、なんでもう帰ってきてるの……? 確か、今日は用事があって遅くなるはずじゃ……」


 姉さんが帰ってきたことに僕は戸惑ってしまう。

 今日は用事があるから遅くなると聞いていたから油断した。

 まずい、女の子を家に連れ込んでると知られて姉さんに何を言われるかわかったものじゃない。


 もう既に靴が見つかってるようだけど、変に誤解される前に説明をしないと。


「ごめん、鈴花ちゃん。ちょっとだけ待ってて……!」

「あっ、うん……」


 戸惑いながらも鈴花ちゃんが頷いたことを確認し、僕は急いで部屋を出る。

 そして階段を駆け下りると、玄関先で鈴花ちゃんの靴と睨めっこをする小柄で童顔な少女がいた。

 だけど小柄で童顔なのにもかかわらず、女性らしいある一部分は主張がとても激しい。


 そう、身長などにいくはずだった栄養が全て集まってしまっているのではないかと思うほどに、女性らしい部分――胸が、大きいのだ。

 そんなロリ巨乳の彼女は艶々とした綺麗な黒髪を指で弄りながら首を傾げていた。


「ね、姉さん、おかえり。今日用事があるから遅くなるって聞いていたけど、早く帰ってきたんだね?」

「あっ、ふーちゃん。ちょっと相手に用事ができちゃったからね。ところでこの靴……女の子のだよね?」


 ロリ巨乳の少女――いや、姉さんは、僕に気が付くと笑顔を向けてきた。

 しかし、この家にあるはずのない靴があることに興味深々なのか、すぐに鈴花ちゃんの靴を指さす。


 去年までは姉さんも僕と同じ学校に通っていたのでこの靴が女の子の物だということは知っている。

 だからここで否定したところで意味なんてない。


「う、うん、そうだね」

「女の子を連れ込んでいるの?」

「あっ、えっと……」


 姉さんが帰ってきたことで混乱していた僕の頭はきちんと回らず、うまく言葉が出てこなかった。

 そのせいで、姉さんにある勘違いをさせてしまう。


「そっか、ふーちゃんにも春がきたんだね」


 ニマニマと嬉しそうに僕の顔を見つめてくる姉さん。

 僕より二つも年上なのにその表情はとても子供っぽく、好奇心に溢れていた。


「あの、姉さん? 何か勘違いしてないかな?」

「ん~? してないよ~?」


 姉さんはかわいらしく小首を傾げるけれど、この様子は絶対に勘違いしている。

 ニコニコととてもかわいらしい笑顔が今は不安でしかない。


「いや、してるよね? 僕たちはそんな関係じゃないからね?」

「ふふ、そうだね~?」

「姉さん話を聞いてよ」

「ちゃんと聞いてるよ~?」


 嘘だ。

 だってさっきからニマニマが収まってないもん。


 普段の姉さんなら人の話を聞かないことはない。

 むしろ相手の話に耳を傾け、相手に話すことの愉悦感を与えるほどの聞き上手な人だ。

 しかし僕が女の子を連れ込んでいたことが嬉しかったのか、今は僕が誤魔化そうとしているようにしか見えないらしい。


 その後もなんとか僕は姉さんに説明をするけれど、わかってもらえたのかどうかよくわからなかった。


「――疲れた……」


 姉さんの誤解を解くことにドッと疲れを感じた僕は重たい足で自分の部屋と戻る。

 結局理解はしてもらえた気がしなかったけど、それならまた時間を空けて説明するしかないだろう。

 今は鈴花ちゃんもいるのだし、あまり彼女を一人にしておくのもよくないからね。


 そんなことを考えながら僕は自分の部屋のドアを開ける。

 本当ならノックの一つでもするべきだったのだけど、慣れ親しんだ自分の部屋の前に着いた途端反射的にドアを開けてしまったのだ。


 そして目に入ったのは――。


「えへへ、文君の匂いだぁ」


 白いカッターシャツに身を包み、服の袖を口元に当ててニコニコの笑みを浮かべている鈴花ちゃんだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] まあ、自分の部屋ならノックはしないよねえ。そして、一人でほおっておいたら、ヒロインのポンコツ化が進行…
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