別視点
「次の議題だ」
薄暗い部屋の中、いくつかの空席のある円卓。機械的な印象の声。
「先日依頼の際に『白』が行った独断と、それに伴う事項だが……」
「此方としては、少ーし困ったんだけどなー? 特に子供の死体が出ないとなるとー、貴族様じゃなくてもねー?」
どことなく間延びした声。
「し、しかしっ、『彼』につきましてはきょ、興味深い物がありましてなっ!」
神経質そうな、そこはかとなく吃音のある声。
「し、『白』こそ我々の究極のせ、成果とも言えましたが、先日観測したアレはまた既存のどの属性とも全く違うと考えられる未知の現象が発生している上『白』を受けない特性も観測されているとなれば実に興味深いと言わざるを「ストップだ」ヒィ!」
「あちらは現状我々に従順ですしなぁ。うちとしては手が掛からなくて少し違和感」
疑問というよりは、残念そうな声。
「まぁー既に終わったことですしー? 以降同じ事が起きなければ良いんですけどー? 『白』の方はどうなんですー?」
「『白』の方の再教育はまあぁ、それなりにぃ? やらせてもらってますよって」
「こ、壊さないで頂きたいものですなっ! ど、同様のモノが産まれる可能性はひ、低いのですから」
「使い勝手だけなら『青』や『赤』の方が上ですけどー」
「静粛に。『白』の方はそれで良い。問題はだ」
「『色』に含めても良いと思いますよぉ? まあしばらくは任務は無理でしょうが」
「えー、直ぐに使えないんですかー?」
「『教育』せにゃぁならんでしょ」
「まーそっかー。此方としても反対では無いかなー」
「あ、アレがどのような物かは未だ完全に理解は出来ておりませんが、く、『黒』がよろしいのでは?」
「では、以降『黒』とし、そのように。次の議題だ」