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訓練な一日4

「ふむ、初めて森に来た」

「りゅーくんは箱入りねえ」

「うるさい」

 さて、私らは森に着いた、街の出入りでりゅーくんがバレるかと思ったけど素通りできたね。


 あれ?学園だと皆りゅーくんの事知ってるのにね。ちょっとりゅーくんがボロい装備になってるだけなんだけど。


 そうそう、りゅーくんの今の見た目は中古装備にに身を包んだ新人冒険者だね。ベテラン二人に引率されて初々しい感じ……まあ、その通りな現状だけど。


 あと、何かりゅーくん私から距離を取るんだけど。何かしたっけ?


「リュシオネル様」

「な、何だヴァイオレット」

「いえ、ご気分はどうかと」

「問題無い」

 んー、何か距離が遠くなったんだよね。




 少し進んでクーシャの制止、私らは従い止まる。


「レキ、一匹捕まえて来なさい」

「むう、わかった」

 レキはちょっと嫌そうに先行する。アレりゅーくんにやらすんだね…………。


「何だ?」

「りゅーくんの訓練よ」

「ヴァイオレット?」

「リュシオネル様、頑張って慣れて下さい」

 ほどなくギイギイと鳴き声を響かせながらレキがゴブリンを捕まえてきた。


 全身が緑色で子供くらいの大きさ、ちょっと頭が大きくて身体のバランスが悪いけど人形だね。


「…………ゴブリンだな」

「りゅーくん見たことあるの?」

「本で絵を見ただけだ」

「そお、さありゅーくん殺しなさい」

「は?」

 いきなり人形の魔物を殺せってハードル高いよね。まあ、コレが出来ないといろいろ問題があるんだけど。


「ほらりゅーくん早くしないと鳴き声で他のヤツが来るわよ」

「む……」

 戸惑うりゅーくん、最初だからしょうがないね。




 りゅーくんが戸惑うのを三人で見守る、視線をチラチラ向けられるが助け無い、冒険者の通過儀礼だから甘えさせらんない。


 りゅーくんは決意したのかゴブリンに剣を突き立てる、血が吹き出しゴブリンが捕まえるレキから逃げ出そうとひたすら叫び抵抗する。


 りゅーくんは歯を食い縛り深く押し込む、…………ゴブリンは最後にか細く鳴いて静かになった。


「…………リュシオネル様、もう」

「あ、ああ、っ、うっ」

 りゅーくんは小走りで木陰に行き吐いた。




「きた、きた」

「そうね、りゅーくんが遅いからよ」

 いや、それは仕方無い……てか普通はギルド内でやらすでしょうが、私も自分が終わってから知ったんだけど。


「ヴァイオレット、りゅーくんを守りなさい、りゅーくんは大人しくしてるのよ」

 私がお守り担当なんだね、責任重大だよ。


 りゅーくんはまだ青い顔してるから変な事しないと思うよ。




 ワラワラ来たゴブリンはクーシャとレキにあっさり殲滅された、一匹こっちに来たのは私が頭を一突き、りゅーくんにギョッとされちゃったよ。


 ゴブリンの群れを片付けたらギルドに戻る。


「クーシャ、今日はこれだけですか?」

 やけにあっさり帰るから私はクーシャに聞いてみる。


「ヴァイオレットはなかなか鬼ねえ」

 鬼はさっきタギーが退治に連れてかれたじゃん。


「お嬢、ひどい」

「何がですか?いつもは」

 レキにまで言われたよ、いつももっと狩ってたじゃん。


「ヴァイオレット、りゅーくんの顔見なさいよ」

「リュシオネル様?」

 あ、何か限界そう、ゴメンねりゅーくん。


「早く帰るわよ」

「おなか、空いた」

「レキ、少し我慢しましょうね」

 私らはギルドに帰り、受付で報酬を…………。




「ちょっと三十匹以上なんだから追加報酬出しなさいよ」

「はあ、ですから追加しましたから」

「安いでしょ、こっちは半人前と新人連れてんのよ」

 クーシャがまた受付さんを和ましてる、てか半人前とか耳が痛いね。


「お嬢、痛い、おなか、空いた」

「レキが綺麗にしないからですよ」

 私はそれを和やかに眺めながらレキをくしで毛繕いする。


「おい、ヴァイオレット、いいのか?」

「リュシオネル様、お加減は如何ですか」

「……ああ、それより揉めているんだが」

「クーシャはいつもですから大丈夫ですよ」

 それにあの受付さんの和んだ空気見てよ、クーシャがか弱かったらお持ち帰りされちゃうよ、私が先に貰うけど。


「何なのよもう……」

 言ってたらクーシャがプンプンと頬を膨らませながら帰って来た。



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