訓練な一日3
「ちょっとレキ、何してるんですか」
「さいしょ、かんじん」
りゅーくんはレキと模擬戦をする事になり、地べたに転がされた。
ポキッと嫌な音がしたからあばら骨とか折れた気がする。
私明日には首を晒されてそうなんですけど。
「ほら、私らってまず強さで序列を付けるじゃない」
「クーシャ、先に治療を」
「死にやしないわよまだ」
そうだけど私の首が危ないんだってば。
「ぐぅ……」
「あらあら、りゅーくん痛そうね」
クーシャ、それ私の心の呼び方だから。
「『ヒーリング』ほらりゅーくん頑張りなさい」
むう、私もりゅーくんって呼びたい。
「がはっ、はぁ…………」
「リュシオネル様大丈夫ですか?」
「あ、ああ……ヴァイオレットもこんな目に」
「はい、何度も骨を折られました」
痛いんだよね…………、慣れないし、りゅーくん頑張って。
「何言ってんのよりゅーくん、ヴァイオレットも、実戦なら殺されてるわよ、怪我しないように立ち回りなさい」
いや、そこはもうちょい木製の武器にしてくれるとかさあ。
「次はヴァイオレットよ、レキ泣かしてやんなさい」
「お嬢、がんばれ」
「…………はい」
私は絶望的な気持ちでレキに対峙する。
「行きます」
私はレキに向け剣を構え踏み込む、レキの大剣は長いから近いほど威力が落ちる、つまり骨を折られない威力まで下がる。
「ふぎゃぁ」
「あはははは、勇ましいわねえ」
私は毎度ながら吹き飛ばされる、受け身を取って怪我は避けたけど。
それよりクーシャは何で悪役みたいな事毎回言うんだろう?気に入ってるの?
と、いきなり私の肩に手が乗る。
「ヴァイオレット、無事か?」
「え、は、はい、リュシオネル様」
ふぇっ、りゅーくん何?どったのよ。
「ヴァイオレットはそんな甘い鍛え方してないわよりゅーくん」
うん、非常に毎回厳しいです。
「女にここまでの仕打ちは無いだろう」
りゅーくん怒ってる?私のために?
「あら、りゅーくん知らないの?普通は負けたら死ぬのよ、死ぬだけで済むかしら?」
だよね、負けて捕まったらどうなるか…………相手が人間でも酷いのに、ましてオークとかゴブリンなら…………。
「…………知らん」
「そりゃりゅーくんはお坊ちゃんだから知らないわよね」
ちょっと、クーシャあんまり煽らないでよ。
「りゅ、リュシオネル様」
「…………」
「ヴァイオレットも甘ちゃん坊やを連れて来たわね」
そりゃ王子様だからほどほどだと思うよ、だけどりゅーくんはかなり他と違うんだから。
「クーシャ、最初から言い過ぎですよ、っ、レキ何です?」
レキが何か言いたそうだから耳を近付ける。
「りゅーくん、すじがいい、クーシャ、きたえたい」
「クーシャが?レキもそう思うのですか?」
「うん、お嬢より、つよくなる」
「…………そうですね」
ただ、私が弱いってじかに言わないで凹むから。
しばらくクーシャがりゅーくんを一方的に罵ってた。
「それじゃあヴァイオレット、次はアンタがりゅーくんの相手したげなさい」
「へ?はい」
何で急に私?今までクーシャが柔らかい布を丸めた棒でポコポコ殴ってたじゃん。
「木でやりなさい」
私はクーシャに言われたとおりに木剣を持つ、りゅーくんはそのままだね、クーシャは木対布でポコポコにしてた。
「リュシオネル様よろしくお願いします」
「手加減は無用だ」
りゅーくんはクーシャにポコポコにされてたからかちょっと気が立ってるね。
「では行きます」
りゅーくんが突進してくる、予想外なソレを私は剣で受け。
「あぅ」
弾かれ転倒しそうになる。
「まだよ」
りゅーくんはクーシャの声に弛んだ気配を締め直し私に向き直る。
「なっ」
りゅーくんは私が不意討ち気味に投げた木剣を弾いた。むう、クーシャズルい、このまま組み付いてりゅーくんの武器を奪おうとしたのに。
「くっ、やめっ」
まあ、もう突っ込んでるから組み付くんですけどね、うりゃぁ、りゅーくんの剣貰っちゃうぞー。
私はりゅーくんを逃がすまいと密着して脇を持ち上げるようにホールド、蹴られないように下半身も密着させるよ。さあ、剣をよこせー。
「ふぬぅ、もう少し」
「……こ、降参だ」
りゅーくんが自ら敗北を認めた、んー、何か不完全燃焼だね。
「あはは、レキ行きなさい」
「うん、わかった」
?何故かレキがまたりゅーくんをクンクンしてる。
「りゅーくん、けだもの」
「あははははは、りゅーくん今晩はお泊まりね」
「うるさい、せんわ」
ん?何で盛り上がってるの?
「ヴァイオレットは何も思わないのか?」
「リュシオネル様?私では不足でしたか?」
「ち、ちがっ」
「あははははは、りゅーくん頑張んなさいあははははは」
いや、だから何で盛り上がってんの?訓練でしょ?
特にりゅーくんが私に背を向けて前傾姿勢なのが気になる、腰痛めた?あ、私が重かったのか…………しまったな。
「さて、りゅーくんもいるから今日は簡単な依頼にするわよ」
「え?リュシオネル様も連れて行くのですか?」
「そうよ、りゅーくん実戦が足らなすぎじゃない、何処の箱入りよ」
お城なんだけど、まあ、普段何してるのとかは知んないけど。
私らはゴブリン討伐に行く事になった。あれ?角ウサギとかもっと優しいのあるよね?




