訓練な一日2
「お嬢、お前さんの紹介ってその小綺麗なガキかい?」
私とりゅーくんを先頭にギルドに入る、丁度出会い頭にティリスさんがいて、いきなりそう言って来る。
「マスター、違いますよ、後ろのタギーです」
とりあえずりゅーくんに絡もうとしたから先制してタギーを差し出す、りゅーくんに絡むのはNGだかんね。
「ガキか…………」
ああ、りゅーくん凹んだよ、荒っぽくてゴメンね、でも今日は全体的にこんな感じだから。
「ふうん、お嬢のお気に入りか、はは、取りゃしねえよ、で、そいつか」
「ええ、家の門番です、マスター好みかと連れてきました」
「お嬢、俺は護衛ですぜ」
あれ?そういやタギーには言って無かったっけな?
「いえ、タギーが女性を紹介して欲しいと以前言っていましたから今日は連れて来たのです」
「お嬢、もうちょい酒場とか飯屋とか無かったんですかい」
そんな事言われてもねー、いきなりりゅーくん来たし予定なんか無かったからねー、アポなしってヤツだから。
「へえ?お嬢が連れて来たんだ使えるんだろうな」
「ええ、マスターの期待には答えてくれますよ」
たぶん。タギー頑張って。
「よし、今からオーガ狩りだお嬢、借りてくぜ」
「もちろん、いいですよ」
「お嬢、俺は護衛ですぜ」
「クーシャとレキがいますからタギーは大丈夫ですよ、マスターは無事にタギーを帰して下さいよ」
腕しか返ってこないとかは勘弁してよね。
「任しときな」
タギーはティリスさんパーティーに連れられて行った、ナムナム怪我しないでよ。
「……よかったのか?」
「はい、マスターにはお世話になってますから」
人手を貸し出すのはやぶさかじゃ無いよ。
さて、ティリスさんが今回狩りに行くオーガだけど正直私はクーシャとレキが討伐するのを見てただけなんだよね。
二、三メートルはある身長にムキムキな身体、お祭りのお面何か目じゃないくらいの怖い顔、ちょっと腰が引けたのが見付かって二人に下がれって言われたんだよね…………悔しい。
と、あんまりモタモタしてらんないからりゅーくんを案内してレキとクーシャが待ってるだろう訓練場へ向かう。
「お嬢、お嬢」
訓練場ではレキが尻尾をパタパタさせて出迎えてくれる、クーシャは無言でりゅーくんをじーって見てるね。
「く、クーシャ?」
「あらあら、ふうん」
尻尾がフリフリ揺れてる、ご機嫌なの?
「クーシャ?」
「ヴァイオレットもついに発情期なのねえ」
「なっ、違いますよクーシャ」
いきなり何言ってんのよ、りゅーくんは言えないけど第二王子なんだから。
「ふうん、デートって奴なら帰りなさい、遊びじゃ無いんだから」
そういうとこ厳しいよねクーシャ、だけど遊びで来て無いってば。
「違いますよクーシャ、こちらはリュシオネル様、私と同様に厳しい訓練を望んでいます」
「ふうん、お坊ちゃんに見えるけどねぇ」
今度はクーシャがりゅーくんに顔を近付ける、ち、近くない?あとレキは何でりゅーくんのお尻をクンクンしてるのかな?
「レキどお?」
「まだ、まだ」
いや、何を調べてたのよ。
「何だろうか?」
「んー?アンタが発情してるか聞いたのよ」
「なっ」
「クーシャ、失礼ですよ」
何調べてんのよ。
「ほら、襲って来たら嫌じゃない?でもヴァイオレット安心よ」
「何がですか」
りゅーくん怒ったらどうすんのよ。
「レキがまだって言ったでしょう」
「ええ」
「耳貸しなさい…………初物よお」
「え、あ…………何を、もう、クーシャは」
「あははははは、いいじゃないお似合いよ、あはははははは」
りゅーくんの大事な事を私に暴露された。
ま、まだだったんだね、練習とかお城でしてるのかと思ってたよ。
「ヴァイオレット、何を言われた」
「ふぁっ、りゅ、リュシオネル様……な、何でもありません」
りゅーくんいきなりは刺激が強いから、背後に立たないでよ。
「あははははは、ヴァイオレット顔真っ赤よ」
「お嬢、赤い」
「もう、からかわないで下さい、ほら、二人は自己紹介からして下さい」
「何誤魔化してるのよヴァイオレット、あはははははは」
うぅ、クーシャにからかわれるネタが増えた。
「あはは、私はクーシャよ」
「レキ、レキ」
「信頼できる冒険者の二人ですリュシオネル様」
獣人だけど偏見無いよね?
私はりゅーくんなら大丈夫だと思うけどちょっと不安だったりする。りゅーくんが差別的でありませんように。
「リュシオネルと言う、ヴァイオレットに負けないほど強くして欲しい」
りゅーくん、頭下げちゃったよ、いいの?てか偏見持ってごめんね。
「ふうん」
「いいよ、わかった」
しかし、りゅーくん私より強くってやっぱり前の事根に持ってるでしょ?
これから私も経験したレキとクーシャの地獄の訓練が始まる。




