訓練な一日1
蒸し暑い朝、私はベッドから汗だくで起き上がる、昨夜はカチカチの腹筋をお楽しみで過ごしたけどもう魔法無しは暑くて限界だね。
「おはようございますヴァイオレットお嬢様」
「ええ、ミネア、…………少し近くありませんか?」
なんか臭い嗅がれてるみたいでヤなんだけど。
「お風呂をご用意しております、どうぞ」
「ええ、クミッツ行きますよ起きなさい」
「ふえ?は、はい」
抱き枕になってたクミッツを起こしお風呂へ向かう、道中ミネアが近い、なんかクミッツとの間に割り込む感じでグイグイ来るね。
さて、服を脱がされミネアにサワサワと洗われる、ミネア、なんか触り方ねちっこいからね、やるならお姉様にしたげてよ。
ちなみにクミッツは自分で洗ってる、時間が勿体無いから入れたけど、正直私が洗いたかったな。
お風呂も済ませたし朝食をいただく、忙しいお父様とお姉様は既にお仕事に出ているから一人ご飯と、ちょっと寂しい。
野菜と薫製肉のスープとパン、あとデザートにオレンジ。
美味しくいただいてからはて?と思う、何か重要な事を忘れてるような……。
「う、ヴァイオレットお嬢様」
そこにクミッツが駆け込んで来る、騒がしいね。
「どうしましたクミッツ」
「いらしてます」
「私にお客ですか?」
ん?ルネスとは約束してないし、私の付き合いで家まで来る人いないよね?
「りゅ、リュシオネル様が……」
りゅーくん?ちょ、なんかミネアの空気が冷たいんだけど、チラリ、怖い怖い怖い怖い怖い、ミネアなんか無表情で怖いから、ほらクミッツも顔が引き釣ってるし。
「すぐに行きます」
「お嬢様、先触れも無い来客など帰して参ります」
「よいのですよミネア」
てか止めてミネア、身分が違い過ぎるから、王子殿下帰したら首飛んじゃうからね。
朝食もそこそこに私はりゅーくんを出迎える、くぅ……もったいない。
「お待たせしましたリュシオネル様」
「ふむ、早すぎたか」
「ええ、忙しない方でございますね」
「ミネア、着替えを用意してきなさい」
やめてー、りゅーくんにきつく当たるのはホントやめて。
「畏まりました」
ミネアはりゅーくんを一睨みして私の部屋に向かった。
「…………申し訳ございませんリュシオネル様」
「構わん、が、私も嫌われたものだな」
「そ、その分今日は私がお相手いたしますから」
や、宿屋で休憩も受け入れちゃうから、てか、その程度で済ませて欲しい。
「…………わかった」
「ではこちらでお待ちを、私は着替えて参ります」
何で返答に詰まったのかな?もしかしてやらしい想像した?んな訳無いか。
「ご一緒いたしますか?」
ちょっとからかってみる。
「…………早くしろ」
ちょっと間があったね。
私は手早く男装に着替える、ミネアのピリピリする気配がさらに私を急かす気がする、わかってるから、早くりゅーくん連れ出すから。
「ヴァイオレットお嬢様」
「どうしましたミネア」
「男性は皆オークです」
「え、ええ…………?」
先日突き刺して『スタンがん』した記憶が蘇る、あの焼けた豚さんのお肉の香り、じゅるり、おおっと。
「一番効果的なのはぶら下がった南国果実のような一物を蹴りあげる事です、容赦してはいけません、踏みつければなおよろしいのです」
「ミネア、リュシオネル様はそのような方ではありませんよ」
ミネア、私に言うだけにしてよね、実行なんかしたら皆晒し首だからね。
「お嬢様とオークを二人きりなど心配です」
「はあ、わかりましたタギも同行させましょう、代わりの門番を用意しなさい」
「…………畏まりました」
ティリスさんにタギーでも紹介しよう、タギーも独り身でどうとか言ってた気がするし。
あとりゅーくんをオークとか言わない。
「…………お嬢出かける前からひでえ目にあいやしたぜ」
「ミネアがカリカリしていますから帰ってからも覚悟がいりますよ」
「うひぃ」
まあタギーにはティリスさん紹介するから、まだ内緒だけど。
「リュシオネル様は何も言われてませんよね」
ちょっとミネアがオークオーク言ってたから心配になっちゃう。
「言われはしていない」
睨まれてただけか…………いや、よくないけどさ。
「お嬢、俺ら大丈夫ですかい?」
「リュシオネル様は寛大ですから、私だけで許していただけるようになんとかします」
「お嬢……俺なんかの為に」
いや、お姉様とパパの為だからね。
「お前ら本人の前で何を言っている…………無体な真似はせんから案内しろ」
「畏まりましたリュシオネル様」
腕とか組みましょうか?あ、今男装か、りゅーくんまで変な噂が立つからやめとこ。
「マジで寛大な方ですね……」
そうそう、りゅーくんは寛大だよ、だからタギーもミネアを押さえるの協力してね。
私らはそのままギルドへ向かった。




