婚約破棄された一日2
「お帰りなさいませヴァイオレットお嬢様」
「ええ、ミネア戻りました」
「お楽しみでした様でなによりです、お風呂になさいますか?」
私は今汚ならしい格好をしている、ミネアは慣れた様子で私をお風呂へと誘導し、家族に顔を合わせる前に小綺麗にしようという魂胆だろう。
「ええ、お姉様に見つかる前にね」
「ヴァイオレット、私が何ですって?」
「あら、アルルシアお姉様」
「もう、また汚れて帰って来て貴女は婚約している大事な身体なのよ」
私はミネアに視線を送る、首を横に振られた、私の婚約破棄はまだお姉様に伝わっていないみたいだ。
「お姉様もご一緒にお風呂へ入りましょう」
「もう、お話しは終わっていませんよ」
お姉様の手を引いてやればもうもうと牛さんの様に鳴きながらも来てくれる、母が違い似ていない姉妹だが仲良くできている。
お風呂に到着、メイドのクミッツが私の服をおずおずと脱がせる、お姉様にはミネアとフエが付いた、私は亡くなったお母様に似たパープルの髪をクミッツにまとめて貰い先に浴場に入る、お姉様は長い金髪がフワフワで手間がかかるのだ。
「お、お嬢様、ふ、不手際がありましたら」
「ふふふ、クミッツが不手際をしたら夜に呼び出しましょうか?」
「が、頑張ります」
私は知っている、クミッツがダイエットの為に腹筋運動を繰り返しお腹が男性の様に硬く締まっている事を、私のパパのお腹はぷにぷになんだよね残念。
うっかりミスが多いクミッツはミスのたびに私がお腹を撫でるという罰を与えている、カチカチで凹凸があるお腹を撫でて嫌がるクミッツが可愛らしくてたまらない。
あいたっ、クミッツの力んだ指が私の髪を引っ張る。
「す、すいません」
「いいのよクミッツ、夜にいらっしゃいね」
「ひ、ひぃ」
今夜はクミッツとお楽しみだね、たっぷりと可愛がってあげよう。
クミッツは一度ミスをすると集中するのか急に私の世話が上手くなる、もしかしてお腹ナデナデされたいからわざとやってない?
クミッツが髪を洗い終わった頃お姉様が隣の髪を洗うための椅子に背中を預ける。
「ヴァイオレット、貴女はもう少し貴族として節度を持った行動をですね」
「あら、お姉様お疲れではありませんか?お顔の張りがよろしくありませんよ」
お姉様はこのカレイド家を継ぐためにお父様のお仕事を手伝っている、毎日忙しいんだろうな、お相手はまだいない、頑張り屋のお姉様に釣り合う相手じゃ無いと私は認め無いんだからねふんすふんす。
「ええ、少し……そうではありませんヴァイオレット、話を反らしましたね」
「お姉様、私疲れは脚の付け根に溜まると聞いたことがあります、マッサージ致しますね」
「あ、お嬢様」
「ヴァイオレット、はしたないですよ」
いえいえ、全裸のお姉様が横にいらっしゃるのならお触りしませんと、クミッツには悪いけどね。
「お姉様はスベスベですね」
「……んっ、知りません」
運動不足でムニッとしたお姉様のお腹を上から下へ、お臍の下の下腹部は優しく優しく、お姉様の赤ちゃんが楽しみ楽しみ、お腹と脚の境をクニクニと、溜まってませんか?
「んんっ、ヴァイオレットや、止めな、ひぁん」
ムッチリした太ももを撫でたら可愛らしい声がお姉様から出る、うん、もっと。
「ヴァイオレットお嬢様、このあと旦那様がお待ちですのでこの辺りで」
「そうですか、お姉様またにしましょう」
「み、ミネア、助かりました」
お姉様、お姉様のそのムッチリした太ももはまだ私が狙っていますからね。
「クミッツ、手間を掛けましたね」
「い、いえ……でしたら今夜は……」
「今夜は長くなりそうですね」
「ひぃ……」
お姉様成分の不足はクミッツに立て替えて貰いましょう、うへへ、おっと夜まで我慢我慢。
しかし、クミッツはこんなにも私の身体を洗うためにサワサワするのに自分がされるのは嫌なのかな?胸の触り方も意識してるし股も平気で開かせるのに不思議なもんだね。
「んっ……」
「アルルシアお嬢様申し訳」
「いえ、何でもありません」
お姉様は隣で悩ましい声を我慢してるし、お姉様可愛い。
花の浮いた湯船に肩まで浸かる、うぃー、たまんないね。
「ヴァイオレット、お話しを続けますよ」
「何のお話しでしたかしら?」
なんだっけ?お姉様のムッチリした太ももをハムハムするお話し?
「婚約者のいる貴女がフラフラと毎日毎日海月の様な生活をしていて私は心配なのです」
「ああ、それでしたら先程解消したいと向こうから申し出がありましたので承りましたと了承してまいりましたよ」
「え?そんな……」
「これでお姉様と長く同じ屋根の下で生活できますね」
やっぱり実家暮らしのが気が楽だもんね、学園を卒業したら毎日ゴロゴロしながら暮らしたい。
「り、理由は何ですか?」
「新しいお相手がお気に入りらしいので」
男だけど。
「あ、貴女は何も思いませんの?恥をかいたのですよ」
「いえ、私には不釣り合いなお相手でしたから気が楽になりました」
「お、お父様は」
「これからお話しに伺いますわ」
「わ、私も同席します、貴女にだけ嫌な思いはさせられません」
お姉様優しいんだけどねー、パパはたぶんそんな反応しないと思うなー。
身なりを整えてお姉様と二人お父様の執務室へ、何故か緊張するお姉様が可愛い、パパは怒んないってば。
「ヴァイオレット、聞いたよ婚約破棄されたそうだね」
「はい、お父様、ギリス様からのお申し出をしかと承りました」
「お父様、ヴァイオレットは悪くありません、少し身勝手で傍若無人で八方美人なだけで、だれこれ構わず愛想を振り撒くだけの可愛い妹なのです」
なんかお姉様可愛い以外私の事貶してない?執事のムートンとヨシュアが笑いそうなんだけど。
「アルルシア、落ち着きなさい、ヴァイオレット」
「はい、お父様」
「わしは嬉しい、お前は非難されるかも知れんがあのような男にお前はやりたく無かった、もうずっと家にいてくれ」
「お父様、何を仰いますか、ヴァイオレットは今傷付いているのですよ」
いや、ぜんぜん、私は自由だーって感じだけど。
「お父様、不束な娘ですが今暫くお世話になります」
「ヴァイオレットまで、もう」
お姉様が牛さんになりそうなくらいもうもうと鳴くのを聞きながらパパが悲しまなくてよかったと私は思っていた。




