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雨の一日2

「では始めましょうか、ヴァイオレット様はこちらです」

 私はロベリー先生の誘導でセッティングされた席に座る。


 ふむふむ本格的にするんだね、紅茶だけじゃ無くてお菓子とか軽食もあるよ、食べていいのかな?


「では、早速始めましょう、ルネス様がいらっしゃいましたよヴァイオレット様」

 ふぇっ?あ、は、始まったんだ、な、なんかしないと。


「よ、ようこそルネス」

「…………」

 ロベリー先生からのお叱りは無いね、ルネスは?ありゃパニックになってるよ、頭の中真っ白になってそうだね。


「ルネス様いつまで棒立ちになられているのですか?ヴァイオレット様がお迎えしてくださいましたよ」

「は、はい、ごきげんようヴァイオレット、よい天気ですね」

 いや、雨だよルネス、しとしと降ってるし、てかさっき天気悪いから憂鬱とか言ってたでしょ。


「ルネス様は雨がお好きなのですね、ですが今回は晴れをよい天気としましょう」

「は、はい」

 ルネスは顔を赤くしたまま席に着いた。


「はい、ヴァイオレット様、ルネス様お二人共落第点にございます」

 ぶー、いきなりじゃわかんないもん、ほらルネスなんか赤かった顔が青くなってるじゃん。


「ロベリー先生不足を教えていただけませんか?」

「もちろんですヴァイオレット様、まず親しいご友人でもお迎えしたなら立ち上がり会釈をいたしましょう、印象も変わりますよ」

「はい、先生わかりました」

 ふむふむ、確かにメイドさんが出迎えて案内するだけじゃイマイチか。


「ルネス様はもっと余裕あるお姿で行動いたしましょうまるで罪人に見えてしまいます」

「は、はい」

 確かにビクビクしてこれから判決を言い渡される感じだったよね。


「そしてお二人共」

「はい」

「は、はい」

 まだあるのかー、ロベリー先生厳しい、てかまだりゅーくん参加すらしてないし。


「ヴァイオレット様はルネス様に着席を促してください、ルネス様は着席を促されるまで座ってはいけません」

 ほえー、そうなんだね、私もたぶん普通に座っちゃうよ。


 しかし皆真面目にロベリー先生の話し聞いてるよね、まあロベリー先生はふざけてたらその人を強制参加させそうだけどね、私みたいに。


「さあ、ヴァイオレット様次はリュシオネル様がいらっしゃいましたよ」

 りゅーくん参戦だね、さあ気合い入れて招くよ…………りゅーくんが私のお茶会に来るのか、なんかいいね。


 せっかくだからお出迎えしちゃおう、失敗は今やっとかなきゃね。


「ヴァイオレット?」

 ルネスが不安気に声をあげるけど私はりゅーくんを迎えにりゅーくんの前まで来た。


「リュシオネル様ごきげんよう、ようこそいらっしゃいました」

「ああ……」

「どうぞお座りになられてください」

 ついでに椅子も引いちゃえ、メイドさんには悪いかも知んないけどね。


「大変結構ですヴァイオレット様」

 おや?なんが誉められちゃったね。


「そうなのですか?メイドの邪魔をしたかと思うのですが」

「リュシオネル様はヴァイオレット様より高い身分に在らせられますからヴァイオレット様が動かれた方がよろしいのですよ」

 そうなんだ、でもりゅーくんならもてなすけど他は相手によるかな、まあ呼ばないけどさ。


「そしてリュシオネル様」

「あ、ああ」

「せっかくヴァイオレット様に招かれたのですからお気持ちを一言でも仰られた方が喜ばれると思いますよ」

 うんうん、そだよね、ああ……だけじゃなんかね、恥ずかしいセリフ言われるのもあれだけど。


「気を付ける」

「はい、…………ではヴァイオレット様のお茶会を始めましょう」

 ……ん?始まんないよ?あ、もしかして私が進行しろって事?ロベリー先生教えてくんないとか、もう。


「リュシオネル様、紅茶でよろしかったかしら」

「あ、ああ」

「ルネスもよろしくって?」

「え、ええ」

「では、お茶をお願い」

 私が言うと、メイドさんらが畏まりましたと紅茶をカップにそそぎ並べてくれる。


 ロベリー先生は私が勝手に進行するのを微笑みながら見てる、ちょっとできたら正解か不正解か教えて欲しいんですけど。

「リュシオネル様、ルネス、どうぞ」

 まあいいや、ガンガン進行しよう、お茶どうぞ、私も飲んじゃお。


「ではそこまでにしましょうヴァイオレット様」

「はい」

 お、終わったね、あー疲れたー。


「ヴァイオレット様もう少しでしたね」

「ロベリー先生はお人が悪いです」

「ヴァイオレット様が熱心ですのでつい厳しくしてしまうのですよ」

 べつに熱心なつもりは無いんだけどね、それより答え合わせプリーズ。


「さて、ヴァイオレット様」

「はい」

「お茶会に招いた方は招かれた方より先にお茶やお茶請けを口にいたします、何故でしょうか?」

「…………あ、毒味ですね」

 世の中怖いからね、ヤダヤダ、私もクーシャに耐性付けなさいよねって何回か毒の薄いヤツ飲まされたよ、あの時は酷かったね。


「正解ですヴァイオレット様、古来よりお茶会はよく暗殺や毒殺に使われておりましてその様な暗黙のマナーができております、近年はその様な事件は聞きませんが所謂伝統にごさいます」

 ほへー、確かにティータイムとか隙だらけだよね、招かれて毒飲まされたら逃げらんないだろうし。


「さて、難しいお話しは終わりにしましょう、ヴァイオレット様達はこのままお楽しみください、メイドは付きませんからおかわりはご自身でお願いします」

「はい、ロベリー先生ありがとうございました」

 さて、なんかお茶会普通にする事になったね、ルネス、いい加減緊張するのやめない?りゅーくんは怖くないからさ。


「リュシオネル様おかわりを」

「ああ……」

「ルネス、お菓子がありますよ」

「え、ええ、ええ……いた、いただくわ」

「ヴァイオレットは滑稽な友を持つのだな」

 りゅーくんちょっと私のムッチリな友達を滑稽とか言わないでよ、今なんかテンパって可愛いでしょ。


「リュシオネル様、そんな言葉はルネスに失礼ですよ」

「ヴァイオレット、だ、だだだだ、大丈夫ですリュシオネル様、私は滑稽な道化にございますから」

「ふむ、ルネス、すまない……」

「りゅ、りゅしゃるり、いっ、いひゃい」

 舌噛んだねルネス。


「ヴァイオレット、やはり滑稽だと思うのだが」

「ふふふ、そういうところは可愛らしいとしておいてください」

 なんかルネス空回りだね、さて、お菓子お菓子と、何から食べようかな。


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