冒険者な一日4
ちょっとビクビクしながら玄関まで歩いていると。
「ヴァイオレットお嬢様こちらへ」
「ミネア?」
何故か外にいるミネアに呼ばれたのでトコトコ向かう。
「どうしたのです?」
「アルルシアお嬢様が玄関でお待ちですのでこちらへ」
おう、御姉様の待ち伏せ、恐ろしや恐ろしや、ミネアに感謝だねお土産をあげよう。
「お嬢様それは」
「美味しい物です、口を開けなさい」
あーんしたげるから、ん?いらないの?
「お、お嬢様こんな所ではしたのうございます」
恥ずかしいのかな?たしかにクミッツにでも見られたら笑われそうだよね。
「ふふふ、誰も見ていませんよ、ほら開けなさい」
「んむっ、えむっ」
ちょっとおっきかったかな?何かミネアの口にお肉を突っ込むのがいやらしい行為に思えてきたよ。
「ミネア、大丈夫ですか?」
「はい、お嬢様にご寵愛いただけて満足しております」
…………ま、まあ、満足そうだからいっか、ミネアの変な顔も見れたし、レアだよねレア。
それからミネアの案内で使用人の出入り口から入る、子供の頃はウロウロしてたけど久しぶりだね。
「あら、クミッツ」
「う、ヴァイオレットお嬢様どうしてこちらへ?」
「クミッツにお土産を持って来たからですよ、口を開けなさい」
クミッツは口が軽いからお肉詰めて黙らせよう、何を言ってもろくな事にならなさそうだし。
「は、はい……あむぅ、ジュル……」
クミッツのお口いっぱいにお肉が入って隙間から汁が顎まで流れポタリとクミッツのスカートに垂れた、ゴメンね汚しちゃったよ。
「クミッツどうですか?」
「ヴァイオレットお嬢様のお肉、美味しいです、ヒィッ」
ありゃ、ミネアが睨んでるよ、やっぱりスカートが汚れたからかな?
「ミネア、どうかしましたか?」
「いえ、ヴァイオレットお嬢様のお手が汚れましたのでお拭きする機会を伺っておりました」
「あ、すみません気が付きませんでした」
クミッツがハンカチを出して私の油で汚れた手を拭ってくれた、クミッツは気が付いて無いけどミネアの視線がクミッツに凄く刺さってるね。
「ふふふ、どうもクミッツ、もう一つあげましょう」
「お、お嬢様また手が」
「口を開けなさい」
「は、はい……もっ、んむぅ……ジュル……」
クミッツの口の中、またお肉と汁でいっぱいにしちゃった、さて。
「ヴァイオレットお嬢様お手を」
「ええ、ミネア」
ミネアもこれで満足だよね?てかいちいちクミッツにイライラしないでよね、まったくもう。
「ヴァイオレット、何をしています?」
あれー御姉様玄関でしょ?なんでここにいるの?
「お、御姉様、お土産食べますか?」
「ヴァイオレット、また好き放題出歩いて、危ないでしょう、拐われたりしたらどうするのですか」
はい、地獄を見せて反省させます。
「お姉様治安は衛兵が守っておりますよ」
「確かに近年前科のある者や要注意者が瀕死で見付かる事件以外は平和ですけど」
……私犯人かな?いやいや、私絡まれた時しか反撃してないから一部だよね、全部私じゃ無いよね?
「そんな凶悪な人物がうろついているのですよ、そんな人物にヴァイオレットが見付かったらどうするのです」
たぶん見付かる事は無いと思うんだけど。
「お姉様ごめんなさい」
「そんな顔しても、…………もういいわ、ヴァイオレット早くお風呂に入りなさい」
お、許されたよ、お姉様押しに弱い。
「あ、お姉様お土産食べますか?」
「……食べます」
鳥の揚げ物を全部受け取ったよ、御姉様全部食べるの?
「アルルシアお嬢様お皿をご用意致します」
「ええ、早くおねがい」
ホントに全部食べるの?結構あるよ?
「クミッツ、世話をおねがい」
「は、はいヴァイオレットお嬢様」
クミッツとお風呂へ向かった、クミッツまた買って来るから名残惜しそうにしないでよ。
さて、本日二回目のお風呂、お風呂好きだけど若干めんどいかも、そろそろ暑いからミネアと寝るのやめようかな?まあ魔法使えばいいんだけどさ。
「お、お嬢様、先ほどのお肉はどちらで購入されたのですか?」
「ふふっ、クミッツ気に入りましたか?」
「は、はい」
「また買ってきますよ、クミッツには行き辛い場所ですからね」
ちょっと刺激が強いからね、店員さん声おっきいし。
「お、お願いします」
「クミッツは食い意地が張りますね、そうだ、料理人のロベルトに相談して再現してもらいましょう、御姉様もお気に入りになられるでしょうから」
「それはいいですね、毎日でも食べたいです」
クミッツ、興奮し過ぎて言葉が乱れてるよ、はあ、ま、今日は疲れたしいいか。
「クミッツでしたら少し急ぎましょう御姉様が食べてしまいます」
「はい、手早くします」
クミッツの仕事はとても手早く丁寧だった、食べ物が絡むと集中力が上がるんだね。
お風呂を済ませ、御姉様の元に向かうと、既に御姉様は完食していた、夕食どうすんのかな?
「ヴァイオレット、これはどちらで買ったのですか?」
「ふふふ、御姉様クミッツと同じ事を言っていますよ、お口に合ったようで」
「ひ、ヒィ……」
いや、御姉様なんでクミッツを睨むのよ、二人共食い意地張りすぎなんだから認めてよね。
「ヴァイオレット……、場所はどこなのです?」
「御姉様、どんな危険があるやもですから向かわれるのは少し……」
てかそんな気に入ったんだ、御姉様なかなか庶民的な味覚だね。
「もう、ヴァイオレットは」
「ふふふ、ロベルトに試食させて再現させようと思いますので問題ありません、出来立てはもっと美味しいのですよ」
「そうですか、それなら早く食べさせましょう」
あれ?残ってるの?
「でしたら御姉様一つロベルトに分けてくださいませ」
「あ……その……」
やっぱ無いよね、御姉様食べ過ぎ、ストレス溜まってんのかな?
「あらあら、ではまたにしましょうか」
「残念です……」
クミッツ、御姉様に聞こえる様にそんな事言わないでよ、御姉様凹んでるんだから、ほら、また睨んでるよ。
それから御姉様は普通に夕食を食べていた、大丈夫だと思うけどオークみたいにならないでよね。
で、寝る前にクミッツの部屋を覗き寝ているクミッツのお腹を撫でた、満腹だったからか起きなかったね、仕方無いからほどほどで自室へ帰る。
「ミネア」
「はいお嬢様」
「今日は気を使ってくれましたのでもう抱き枕はしなくてよいですよ、毎日暑かったでしょう?」
ミネアに罰は終わったと伝えてみる、するとミネアの顔がみるみる暗くなりあからさまに不満そうになった。
おかしいないろいろ寝る時悪戯してたから嫌だと思うんだけどね。
「ミネア、どうしました?」
「い、いえ……」
ふむ、まだ抱き枕やりたいと、はあ仕方無いか。
「『エアこん』…………おや、強過ぎて冷えますね、これでは体調を崩してしまいます」
「お嬢様毛布をお持ちしましょう」
「いえ、慣れた温かみの方がよいですね」
「……お嬢様」
「ミネアも体調を崩すといけませんからね」
……さて、この甘えん坊なミネアはこれからどうしようかな?
先送りにしかならないけど私は甘やかす様に添い寝する事を選んだ。
レキとクーシャはベテラン冒険者で参加だね、先輩の活躍に期待。
ギルドマスターはティリスさん、これから難題に立ち向かう……はず。




