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-プロローグ-
見渡す限りの大空と、果ての見えない海洋で一面の世界。
この青い星『アヴァロン』には大きな大陸こそ存在はしないが、小さな島々に人が集まり、贅沢とは言えないが慎ましくも平和に暮らしている。
海を行く船よりも多くの飛行船が空を交うこの世界には、幾世紀も前に失われてしまった高度な技術を擁する"遺産"と呼ばれるもモノが存在し、時として危険な遺産が陸海空問わず、各地に計り知れないほど眠っている。
ダイバーと呼ばれる者達がいる。
彼らは冒険、調査、発掘、野心、様々な思いこそあれ古代の遺産の一つである『遺跡』に潜って資源や叡知を調達しにゆく。そして、それは人々の生活の糧となり、文化的技術的進歩に寄与している為、この世界におけるダイバーの持つ役割はとても大きい。
いつの頃からだろうか。そんなダイバー達の間で、とある伝説が広まった。
『新世界への鍵』
それは不老不死を得るものであり、底の尽きないエネルギーであり、莫大な富である。憶測や幻想の域を超えない未知の代物がアヴァロンの何処かに眠っていると……。
これはそんな時代の話である。