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掌編小説集3 (101話~150話)

クイズショー

作者: 蹴沢缶九郎

ここはクイズ番組『世界クイズ倶楽部』の収録スタジオである。番組の司会者は名調子で挑戦者を紹介した。


「さあ、今回の挑戦者は鈴木さんです。意気込みをどうぞ。」


「全問正解して賞金を持って帰りたいと思います。」


「OK、頑張ってください。それでは第1門。○×の2択問題です。カモノハシは卵から産まれる。○か×か?」


「う~ん、○だ!! ○です!! あ、でもファーストアタック使います。」


「ファーストアタックを使っての○ですね? では、100枚あるカードの中から25枚カードを選んでください。」


鈴木は言われた通りカードを25枚選んだ。鈴木が選んだカードを確認した司会者は驚きの声をあげた。


「おーっと、なんと!! 鈴木さんが選んだカードの中にサバイバルカードが4枚もありました!! これはラッキー!! では客席前列から3列目のお客さん、ご起立ください。トリップコールをお願いします。」


観客によるトリップコールがなされた後、鈴木の元に5枚の書類が配られ、鈴木はその書類1枚づつにサインをする。


「では、サバイバルからのトリップなので…。」


と、そこへスタッフがやってきて、何やら司会者に耳打ちをした後、司会者は申し訳なさそうに説明した。


「ええ、大変失礼しました。こちらの手違いで、世界クイズ倶楽部ルールブック372ページ、ファーストアタック規則第5条の第34項によりますと、オーディエンスチャレンジが50パーセントを越えない限りファーストアタックは使用不可だったらしく、使えるのはライフラインゼロとエンジェルタイムとかでして…。それと、トリップコール時に3回…」


正しくルールを理解している者など誰もいない。

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