襲撃
「はかせ〜」
ノックしてから、ドアを開け部屋に入ると
カタカタ........カタカタ......カタカタ
いつもの様に何か作っている最中だった。
この状態の博士は、集中し過ぎて周りの事が気づかないことが多
い。そんな時は、ただただ作業が終わるまで待つか近くまで行って声を掛けるかである。
今は特に急いでいないので前者の方である。まあ、あまりにも気付かなかったら声を掛けるだけだ。
十分後
......カタカタ...........カタカタ......カタ....カタカタ........
三十分後
........カタカタ.......カタ....カタ...............グ〜.......グ〜
どうやら寝ているらしい
「ちょっと〜寝ないでよ〜」
ユサユサ
「.....お〜い.....は〜か〜せぇ〜」
ユサユサ.........ユサユサ
完全に熟睡状態だ。よくあることなのだがもう待てなくて仕方ない。こんな時には、いつもの起こし方をするしか無い。
まずは...また肩でも揺すってみるか
「はかせ〜起きてよ〜」
ユサユサ.......ユサユサ......ガクガク.....ガクガク.....
「う〜ん」
お、珍しく起きるか?
..............zzz
やっぱり起きないかぁ
仕方ないだったら、ぼくはキッチンへと向かいある物を持ってきた。
お玉とフライパンである。
もう予想出来ると思いますが........
そう!この二つの道具を使ってやることはただ一つ
フライパンをお玉で叩きその音で起こします。
「秘技『死○の目覚め』」
ガンガンガンガン
ビクンガタガタガタ
「な、なんじゃ、か、火事か⁉」
まあ予想通りの反応である。
「まったく、違うよはかせ!せっかく来たのにいつまで経っても気付かなかっし、最後は寝るってちょっと酷いんじゃないかい。」
ぼくは少し怒りながらはかせに言った。
はかせは少し反省した様に少しうなだれていたが、何か思いついたように顔を上げると...
「まったく、こんな起こし方をするなんて、心臓に悪いだろうが、そんな悪いやつにはプレゼントやらんぞ?」
意地悪っぽい顔をして言ってきた。
「や、そんなつもりは無かったんだよ。でもどれだけ揺らしても起きなくて、不安になって」
明らかに動揺しているぼくの姿を見て博士はとても楽しそうにしていた。
「やっぱりお前を慌てさせると面白いなあ〜」
博士はそう言ってさっきまで作っていたものをぼくに渡してきた。
「だから、悪気があったわけじゃ....」
全く話を聞いていなかったので、目の前に出されたものが何なのか分からず、ぼくは博士に
「なにこの、黒っぽいもの?」
なんてマヌケなことを聞いた。
カタチはネックレスかブレスレットの様に見え、色はすすけた感じで黒っぽかった。
博士は当然のように
「お前への『プレゼント』だ。喜ぶかどうかはべつとしてな。」
そう言って博士はぼくに渡してきた。
「ありがとう、博士」
一応、礼儀としてお礼を言った。
そして、指差しながら
「ところでこれ、どうやってつけるの?つなぎ目みたいなの無いけど⁇」
見た感じ金具も無ければつなぎ目も無いのだ
「それはなぁ、かb「頭からかぶってネックレス...なんて無しね」
「・・・」
予想通りだんまりだった。と思いきや
「おい、試しにちょっとー」
ドーンガガガガガラガラガラガラ
『持ってみろ』そう言おうとした時急に爆発、爆音が響いた。
「な、なんじゃ!?」
博士が慌ててパソコンの電源を入れ家中のモニターを見て、何かに気づきすぐにパソコンを閉じた。
「は、博士!?この人達誰⁉たくさん武器持ってるよ⁉」
博士を見ると
「・・・」
汗を垂らして何も写っていない画面を睨んでいた。
「な、なぜ、なぜ此処が」
わけの分からない事を言っていた。
「こんな日に...仕方ない‼」
そう言って博士はぼくのポケットにプレゼントを押し込み
「今すぐ隠れろ‼決してそれを渡すんじゃないぞ‼」
と、急に言ってきた。対するぼくは
「え、いや、ちょっと待って、どう言う事?!分かる様に説明を⁈」
何が起こったのか分からず慌てていた。
「説明をしてる暇は無いんだ!此処に来るまでに家の中でおかしく思ったところは無いか?」
急に聞かれ、少し混乱したけれど
「へ、えっと、廊下が道がなくなっていたと思うけど」
素直にそう答えると博士は少し驚いたが
「そうか、久しぶりで忘れていると思ったがそうでも無かったか。ならば、話は早い。奴らに捕まらない様にそこまで行くんだ。」
優しく言った。
その時、
『ガンガンドンドン』
急にドアを誰かが叩いた。
「おい、ここだけ鍵掛かってるぞ。あとは、ここだけだ、こじ開けるぞ」
緊張が走った。
「ど、どうしよう博士!来ちゃったよ!どこか他に出口ないの?」
博士は何も言わずぼくの手を取り
「仕方ない、少し危険だが......いや、迷っている暇は無い。こっちだ」
いきなり走り出した。
用意出来てなかったぼくは転びそうになったがなんとか持ち直し走った。
走った先には...壁⁉
「ちょっと待って博士!このまま走ったら壁にぶつかるよ!」
恐怖と驚きで腰が引けたが博士は誰よりもこの家のことを知っているので大丈夫だろうと思いー
「先に言っておこう。」
急に博士が口を開けた。
「場所間違えてても怒らないでくれよ。」
.........とても不安である。
そう思っているうちに博士は壁にそのままの勢いで体当たりした。
壁は簡単に外れ隠し部屋に入った。
そこにあったのは・・・