第11話 そこにある世界
この世界は有限個であると自然科学は主張しているようである。有限個とは有限の要素を意味し、要素の形態は問わない。要素が物質であれ波であれ、かまわないとされている。これは「エネルギー保存の法則」(旧くは質量保存の法則)が示唆するものだと考える。
そう考えると、この世界はそこにあるのである。常に変化はしているかもしれないが、異次元から突然に魔物なり強力なアイテムが出現することはないはずである。出現すると、科学者たちが困ってしまう。何故ならば、科学者たちが自然の法則だと主張する多くのものが瓦解してしまうからである。だが、僕は瓦解する法則がどれなのか知らない。
異次元世界とこの世界で要素の等価交換が同時に行われれば問題は起きないと思うが、自然科学はこの同時性も否定している。これは特殊相対性理論での主張である。そもそも「エネルギー保存の法則」が、自然科学の根拠として成立するのか疑わしい。何故ならこの法則を経験則でも導き出すことはできないからだ。「誰か個数を数えたものはいるのか?」と問いたい。しかし「エネルギー保存の法則」が否定されれば僕も困る。僕の考えの基盤もこの「エネルギー保存の法則」に依っているからだ。
指紋やDNA鑑定により個人が特定されるという。どういう根拠なのだろうか。特に指紋については中学生の頃に疑問を持ったと記憶している。どうでもいいことだからすぐに忘れ去ったとも記憶している。しかし、根拠が確率によるものならば僕には受け入れ難い。どこかの「話」でも書いたが、僕は確率が大っ嫌いだ。そして手術も嫌いだ。例え99.9%の確率で手術は成功すると言われても拒絶する。いや、した。数度の手術勧告に耐えて僕はここに生きている。何故そうしたかといえば、ただ嫌だったからだ。
「エネルギー保存の法則」の意味することは、そこに真実が存在するということだ。宇宙や自然はただそこにあるだけだ。それなのに科学はそれを解明できないでいる。そこが距離や時間的に遠いためだろうか。行きたいところへ行ければ科学は全てを解明できるのだろうか。
このように問いかけても誰も応えてはくれない。自分も答えを出せない。でも僕は1つのある数学の解法を所有している。それが有益なのか無益なのか知らない。ただ現段階では何の役にも立たないことははっきりしている。また、少なくともネット上では類似の解法は発表されていない。
その解法を所有する過程で得た2つの示唆がある。
「複雑さは内側にある」
「宇宙は内側に拡がっていく」
これを具体化していくことが僕の願いである。以前はこの解法に触れただけで、精神状態に変調をきたした。今は大丈夫のようである。これは何かを克服したお陰なのかもしれない。この作品を書き始めたときは、このことに触れようとは思いもよらなかった。脳のことを考えるとき、これは必須なのかもしれない。




