これが私の習慣です
文章の至らない所もあるかもしれませんが、どうぞ暖かい目で見て頂けると嬉しいです♪
「氷野ちゃんっ」
真正面から私を呼ぶ声。顔を上げれば、アホ面のイケメンが笑顔でこちらに手を降っていた。
既に習慣と化してしまったこの状況に、盛大な溜め息が漏れる。
現在進行形で廊下にいる生徒(主に女子)の視線が、一瞬にして集まった。
「おっはよー」
そんな事には気付かず堂々と挨拶をする彼は、無神経野郎以外の何者でもない。
黙って横を通り過ぎると、
「え、スルー? 大好きな先輩をスルーしちゃうの?」
「朝からうるさいですよ騒音先輩」
「騒音先輩って何!? それ俺の名前だと勘違いされたら困るからやめてぇ」
「はいはい、朝からハイテンションなツッコミありがとうございます」
「いやぁ嬉しいな。まさか氷野ちゃんから感謝されるなんて」
「……なんというか、馬鹿ですね相変わらず」
私と先輩の会話が始まるのであった。
「先輩に馬鹿って言う事をちょっとは躊躇おうよ」
「その必要性がありますか? 先輩ごときに」
毒を吐かれた本人は、一瞬ポカンという顔になって、後にアハハと笑った。
幼い頃から、私は「毒舌」というレッテルを貼られてきた。気にしてないし、治そうとも思わない。
ただ、一言で表されると人間としてなんとなく寂しいものがある。
でも、
「氷野ちゃんの毒舌なところも好きだな、俺は」
先輩は、そう言った。気まぐれか、もしくはからかっているだけ。心が読めるほど鋭い人ではない。でも、私を動揺させるには十分な言葉だった。
「……つ、つまり後輩からの毒々しい言葉で嬉しくなるM体質なんですね。先輩気持ち悪いです」
「え、なんか違う。ものすごい勘違いを――――」
「黙れ。M先輩ごときの分際で生意気ですよ」
「突っ込みどころが多すぎて困るよ氷野ちゃん!」
こんな会話をするのが、私の習慣。
とりあえず、順調な滑り出し……ですかね?
初投稿ドキドキです