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『無能』と追放され奴隷に落とされた最強召喚師 ~前世の心理術で伯爵令嬢を手なずけ、裏から世界を支配する~  作者: ラレイラ
第一章:甘い毒は、暗闇に蠢く――お人形執事の覚醒

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第21話 暗雲の進言と歪んだ繭

セルヴィス伯爵邸の廊下に敷かれた赤い絨毯を、マリアは静かに、そして寸分の乱れもない美しい足取りで歩いていた。


仕立て直された短めのメイド服の裾が、歩みごとに軽やかに揺れる。だが、その完璧な侍女としての姿の裏で、彼女の下腹部は甘く重い熱に支配されていた。


黒のニーハイソックスに挟まれた太腿のさらに奥——スカートの下で滑らかな肌をぎゅっと妖しく締め付けているのは、『影縫いの黒蜘蛛』の魔術によって漆黒に染め上げられた極上のレースパンティであった。


(……ああ、ヴェルス様……)


伯爵の執務室へと向かうこの瞬間も、秘所に触れ続ける黒レースの感触が、マリアに強烈な背徳感を呼び起こす。自分は今、主である伯爵に忠義を尽くす振りをしながら、その実はあの地下牢の美少年に侵され、私物化され、心も身体も完全に支配されているのだという事実。口腔に広がる淫らな蜜の記憶と、下着越しに伝わる締め付けの感触に、マリアは息を潜めて下腹部の痺れを耐え忍んでいた。


◇


洗練された石造りの重厚な邸宅、上質な古木と調度品が静かな品格を醸し出す佇まい、そして足音を深く吸い込む深紅の絨毯——そこは、歴史と確かな地位を誇るオルディニア王国の名門、セルヴィス伯爵の執務室である。


高窓から斜めに差し込む琥珀色の斜陽が、壁一面に掲げられた伝統ある武具の鋭身や、幾重にも積み上げられた羊皮紙の魔術書を静かに照らし出していた。だが、その静謐(せいひつ)な室内に満ちているのは、歴史ある館の優雅さとは程遠い、肌を刺すような重苦しい沈黙と密やかな緊張感であった。


「当主様。マリアでございます。ヴェルス奴隷の経過報告と、今後の家門の営みにつきまして、ご報告とお進言に参りました」


整えられたノックの音とともに執務室へ入ると、重厚なデスクに腰掛けたギルバート・セルヴィス伯爵が鋭い視線を向けた。


「入れ、マリア。……あの無能なゴミめは、どうなっている」


マリアは深く、完璧な角度で頭を下げた。


「お言葉通りに。あの小汚い下等奴隷めは、地下牢の寒さと飢えで完全に憔悴しきっております。当主様のご指示通り、豚の餌(ぶたのえさ)同然の冷え切った薄いスープと硬いパン屑しか与えておりません。近いうちに己の足で立つことすらできなくなるでしょう。虫ケラに相応しい、惨めな死に体でございます」


冷徹な言葉を淡々と報告しながらも、マリアの意識は肌をぎゅっと締め付ける黒い糸の感触——『ヴェルスとの絆』に向いていた。彼と確かに結ばれている熱がじわりと下腹部へ広がり、マリアは頭を下げたまま、人知れず吐息を甘く震わせた。


ギルバート伯爵は満足そうに鼻を鳴らした。


「ふん、当然だ。セルヴィスの名を汚した下等奴隷には、お似合いの末路だな。……して、進言とは何だ?」


「はい。今回の不祥事……クラリス様とエレノア様が、あの下等奴隷に惑わされ、取り乱された件についてでございます」


マリアはすっと姿勢を正し、寸分の揺らぎもない声で言葉を紡ぐ。だが、その直立した脚の付け根では、秘所を包む漆黒のレースが擦れ合い、まるで地下牢にいるヴェルスの指先が蠢(うごめ)いているかのような錯覚に身を焦がしていた。


「当主様、怪我の功名と申しましょうか……この件を逆手に取り、セルヴィス家の権勢を盤石とする絶好の好機かと存じます。お二人の令嬢を、アルヴェディア帝国の『第5皇子派閥』へお輿入れさせてはいかがでしょうか」


伯爵の眉が跳ね上がった。


「第5皇子派閥だと……? 皇位継承権こそ低いが、帝国軍部に強い影響力を持つあの皇子の派閥か」


「左様でございます。第5皇子の最側近である将軍家へクラリス様を輿入れさせ、エレノア様もまたその関係者へ差し出すのです。不祥事の噂が広まる前に帝国軍部とのパイプを太くし、我が家が第5皇子派閥の『王国における最大の足がかり』となれば、セルヴィス家の地位は確固たるものとなりましょう」


言葉を重ねるたび、マリアの肌に直接触れる黒のパンティが密やかに熱を帯びる。


ギルバート伯爵は深く椅子に背を預け、腕を組みながら思案に暮れた。

やがて、その口元に満足げな笑みを浮かべて頷いた。


「……見事だ、マリア。ただのメイドにしておくには惜しいほどの思慮深さだな。不祥事の揉み消しと、帝国軍部への太いパイプ……悪くない。すぐに談判の準備を進めさせよう」


「恐縮でございます、当主様」


深々と頭を下げて執務室を辞すと、マリアは夕闇の影が伸びる静かな廊下を進む。

黒のレース越しに伝わる残熱を感じながら、彼女の足取りは迷うことなく、愛しい主の待つ地下牢へと向かっていた。

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