お誘い
僕「ただいま~」
僕は疲れた声でそういった
お母さん「あら、おかえり芳樹」
僕「ご飯は~?」
お母さん「できてるわよ」
お母さんは笑顔でそう言った
僕には父、母、姉、兄の家族がいる。僕を含めたら五人家族だ
父は残業。姉は部活。兄は友達と遊びに行ってる
―リビング―
お母さん「いいテレビやってないわね」
僕「今どきはスマホで動画を見るのが主流だよ。テレビなんて古いよ」
お母さん「そうなのかしらね・・・」
お母さんは寂しそうに言った
お母さん「時代の流れなのかしらね・・・ちょっとさみしい気もするわ」
僕「新時代がやってきたのさ」
お母さん「なによ笑かっこつけちゃって笑」
僕とお母さんのこの空間が好きだお母さんだけは僕のことを否定してこない。姉と兄は僕が難しい言葉を使うと「何お前ネット用語使ってんだよ!!」と言ってくる・・・・ネット用語じゃなくてちゃんとした言葉なのに
お母さん「芳樹・・・・なんかいいことあった?」
僕「え?」
お母さんの言葉に僕はびっくりした。女の勘ってやつだろうか。まあ実際いいことあったんだけど
僕「えーなんでもないよ」
お母さん「教えなさいよ~」
お母さんが近所のおばちゃんみたいなテンションで聞いてくる
僕「・・・・・・・好きな人の隣になった・・・席が」
お母さん「あらまぁ!今日は御赤飯にするべきだったかしらね」
僕「からかわないでよ」
お母さん「好きな人って・・・・みさきちゃん?」
僕「っっっっっ!!!」
僕はびっくりした。だって誰にも教えてないはずだ
僕「なんでわかったの!?」
お母さん「だって小学校の頃からチラチラ見てたじゃない」
僕「うぅ・・・・恥ずかしい・・・」
僕「誰にも言わないでね!」
僕は口を尖らせながらそう言った
―学校―
僕「ーそれでさ~」
みさき「あはは。面白い~」
みさきちゃんはどうやら僕のことを面白いと思っているらしく、結構話しかけてくる。僕から話しかけることもたまにある。ほんとにたまに
みさき「ねぇげんちゃん、このアニメ好き?」
みさきちゃんがパンフレットを手に持ち見せてきた
そのアニメのタイトルは【後退の小人】
僕はそれほど興味がなかったが、みさきちゃんに嫌われたくなかったので
僕「うん。好きだよ!」
と答えた
―そう
みさき「えーほんとぉ?やったぁ!じゃあ今度、映画観に行こうよ!このアニメの」
僕「え?」
―それはつまり
みさき「二人っきりで」
―デートのお誘いだった




