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 調査任務から数日。

 学園はいつもの日常を取り戻した――はずだった。

 けれど廊下を歩けば、すれ違う生徒たちの視線が妙に熱い。

「見た? あのクラッシャーの配信」

「同時視聴百万だぞ、もう芸能人だろ」

「十支族と肩を並べてたとか……やばすぎ」

 そんな囁きが聞こえるたび、悠真は肩をすくめる。

(……注目されすぎてる。俺なんてただの身体能力上昇のはずなのに..)

 気まずさを抱えながら教室のドアを開いた。


「今日はみんなにお知らせがある」

 ホームルームの開始直後、担任がそう切り出した。

「手続きの関係で少し遅れたが、今日から新しく加わる留学生を紹介する」

 教室中がざわつく。

 扉が開いた。

 姿を現したのは、黒髪を高く結い、切れ長の瞳を持つ少女。

 明るい笑顔を浮かべ、元気よく一歩前に出た。

「フォン家のリーメイです!今日から一緒に学ぶアル!」

 一瞬、静寂。

 次の瞬間――教室は爆発した。

「えっ、十支族のフォン・リーメイ!?」

「中国の家系の……マジかよ!」

「国際任務で一緒に戦ってた子だろ!」

 悠真は椅子から転げ落ちそうになった。

「は? え? そうなの!?」

 笑顔で手を振るリーメイ。

 男子は「かわいい!」とざわめき、女子は「また十支族が同級生ってどうなってんのこのクラス!」と声をあげる。

(……俺、なんでこんな世界的スターと机並べるんだ……!?)

 悠真は心の中で悲鳴を上げた。


「これで相原の周り、ますます豪華メンツだな」真田が笑う。

「配信での連携見てたぞ! まるでバディじゃん!」外村が冷やかす。

 黒瀬は無言でリーメイを見据え、拳を握りしめる。

「……十支族、か」

 教室の熱気は収まる気配を見せなかった。


 昼休み。

 悠真はクラスで皆に話しかけられているリーメイに声をかけた。

「驚いたよ!この前の調査任務では助かった。今日からクラスメイトなんだね!」

「うん!」リーメイは迷いなく頷く。

「クラッシャーともっと戦いたいアル! ランキング戦も楽しみネ!」

「いや戦うの前提かよ……」

 呆れながらも、悠真は小さく笑った。

(異国の強者が仲間入り……。ますます騒がしくなるな)


 

 放課後、校内掲示板に大きな紙が貼り出されていた。

《全校生徒ランキング戦開催決定!》

 あっという間に人だかりができ、誰もが興奮気味に話す。

「クラッシャーも出るぞ!」

「十支族勢揃いだな」

「上級生との真っ向勝負、熱すぎる!」

 その声を背に、悠真は拳を握った。

(……今度は全校生徒か。上級生の中に俺と同じような強化系の能力者がいれば相談できるかな...?)



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― 新着の感想 ―
中国が、優秀な人材を簡単には国外に出さないと思うんだけどなぁ?
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