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 まばゆい光が視界を覆った。

 転移ゲートを抜けた瞬間、地上の喧騒が押し寄せてくる。

「クラッシャーだ!」

「相原悠真! 見えたぞ!」

 報道陣が一斉にフラッシュを焚き、マイクを突き出してくる。

 教師陣やギルド職員が慌てて規制線を張り、記者たちを押し返していた。

「視聴者数は最後まで百万を超えていました!」

「歴代最高クラスの配信記録です!今回の調査はかなり活躍されていたと見受けられました!」

 耳に飛び込む声に、悠真は戸惑って立ち尽くす。

(……こんなに大勢の前で注目されるなんて、俺は一体……)

 胸の奥がざわつき、居心地の悪さと熱気が入り混じる。

 ――戦いは、まだ終わっていないというのに。


 学園の臨時会議室。

 教師陣とギルドの担当者が顔を揃えていた。

 机の上には、例の「異常魔石」が置かれている。黒く濁り、表面には不気味な紋様が脈打っていた。

「……解析を試みましたが、従来の魔石とはまるで構造が違います」

 研究員が顔を曇らせる。

「技術的にも理解不能です。我々の世界で生まれたものではない可能性がある」

 重苦しい空気が流れる。

「現状、討伐ではなく調査優先で継続すべきでしょう。ただし異常は拡大中の恐れがあります」

 ギルド職員が声を張る。

「高ランク冒険者には引き続き調査を依頼します。学生諸君は――学業を優先してください」

 教師たちも頷いた。

「……これ以上無理に子どもたちを危険にさらすわけにはいかない」

 だが、その場にいた者たちの誰もが心の奥で思っていた。

――あの少年の力は、いずれ必ず必要になる、と。


 夕刻、学園の廊下。

「……本当にお前は化け物だな」

 黒瀬が吐き捨てるように言う。だがその拳は固く握られていた。

「面白い。次は校内ランキング戦だな。鍛錬を怠るなよ」

 アシュベルが笑う。挑戦状のように。

「やっぱり期待通りアル!」

 リーメイが軽やかに親指を立てる。

「もっと一緒に戦うアルね!」

「……さすがね、助かったわ」

 凛が静かに微笑み、悠真の肩に手を置いた。

 言葉を失い、悠真はただ小さく頷いた。


 寮に戻ると、談話室から歓声が上がった。

「おお、帰ってきたぞ!」

「百万視聴って、お前もう芸能人じゃん!」外村が飛び跳ねる。

「でも無事でよかった。本当に」真田がしみじみと肩を叩く。

「……次も、必ず帰ってきてね」白鳥が小さく囁いた。

 悠真は耳まで赤くなりながらも、「……ああ」と答えた。


 夜。

 ギルドの研究室に置かれた魔石のケースが、ぼうっと光を放っていた。

 紋様が脈動し、まるで呼吸するかのように赤黒い輝きを放つ。

「……これは、我々の世界で再現できる技術なのか……?」

 研究者の一人がその魔石の技術に頭を悩ませていた。

 静まり返った室内で、魔石だけが不気味に蠢いていた。



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