時を操る婦人像 瓦解編 Vlll
藤堂と羽生がいっきうちをしているのをしっていたゆうきは、こそこそと婦人像のあるゲートを利用して直接的にじかんをあやつろうとしていた。
『なんでこんなに警備がおろそかなんだ?』
一人で呟きながら考える。
答えはかえってこない。
数多のトラップや警備をすりぬけるのかとおもっていたら、なにもなくて拍子抜けした。だがかまわない。時を戻すだけだ。
婦人像にたどりつくまで30分程度かかったが屁でもなかった。
『婦人像か、懐かしいな。魔力をこめるだけだもんな・・・』
不思議な気分に浸る。魔力をこめるだけでいままでのことがなかったことになるのだ。
魔力をひねりだして注入する。
婦人像がかがやきだすがなにもおこらない。
『何故だ!?』
ゆうきは困惑していた。ときが戻れば全てが良くなると考えていたからだ。
『なぁ・・・!うごいてくれよ!』
『動け!動け!動け!動け!!うごいてよぉおおおお!』
初号機なら暴走していただろうが、うんともすんともいわなかった。
そんな時、絶望しているとバハムートとイシスがやってきた。
『無駄だぜ☆』
『既に消費期限が過ぎてるにょーん』
『どういうことだ・・・!』
『国と世界が良くなるよう時の歯車を回し続けてきたのが俺たちChronosだったぜ☆』
『だが、あるとき時の歯車が壊れもどせなくなっちまったぜ☆』
『なおすためにいろいろと試行錯誤しているにょーん』
『なんてことだ!!』
くそっと地面を殴り付け、拳の形を地面に刻むゆうき。
そうこうしていると、幸運卿の言葉があたまをかすめた。
『婦人像を隷属させろといっていたような・・・』
ゆうきは右腕にはめている隷属の腕輪に魔力をこめ発動させ婦人像に押し付けてルーンを刻んだ。
隷属の腕輪は眷属にしたもののスキルなどを解析し、利用できる副産物的能力がある。
それをしらなかったゆうきの脳裏に時のもどしかたが浮かぶ、がそれには自分が時の歯車になるしかないと感覚的にしった。
『どうしてだよ・・・!くそっ!!』
全て良くなると思ったのにこのざまだ。
どうこうするか悩んでる暇もない、こいつらふたりが裏切り者を許すとも限らないし、さっさとやるならやらないと殺しあいになる。
『時よ!戻れ・・・!』
逡巡して不承不承ながら試行する。
『てめえ!無駄なことするなだぜ☆』
ニヤリとしてみせたゆうきは魔力をしこたま婦人像にぶちこんだ。
青をとおりこして赤く光る婦人像。
『動けやぁあああ!婦人像ぅうううう!!!』
ゆうきを中心に周囲の景色が360度の映画館
のようにノイズがはしりながら走馬灯のようにうつりかわり魔力の暴走は収束した。
時は戻り、ロマンチック忍者がゆうきをたすけにいく場面、アイリを奮い立たせた後に戻るとロマンチック忍者はいった。
『はて?それがし何のために動き回っていたのか?』
『え?ゆうきのためでしょ?』
『分からぬ。記憶がそこだけ、欠損している、液状のドット抜けのように』
婦人像を一度起動したアイリは記憶がたもたれたままだったが、ロマンチック忍者はなんのことかわからなかった。
ときを同じくして別の場所では。
『誰かがときをもどしたな』
インフェルノ羽生がそういうと日本酒をおちょこで飲んだ。
無音高値と剛三も、うむと相づちをうっていた。なにかが起きているとたげこの三人だげが 気づいていた。