時を操る婦人像 瓦解編 Vl
『くそっバフが切れちまった』
体が鉛のように重く感じて、絞れば雑巾のように水と老廃物が流れ落ちそうだった。
『頼む動いてくれ、俺の体!』
『残念だったなぁ!』
『おっとっと』
失血が凄まじく意識を失いかけるマコト。
『はっはは。お、おれしぬのか!?』
『くっ、たばりやがれ・・・!』
『ほむら・・・!ぎり!!』
爆発で加速させる装置の勢いだけを軌道にのせるよう最低限の力でコントロールして抜き放った一撃はマコトのもつ村雨をとらえた。
ボトボトと血が滴れるマコトの腹の傷がクパァとひらいていった。
動きすぎたのだ。衝撃による傷口の歪みが細胞の網をとかしていくかのように流血した。
『馬鹿・・・野郎が・・・!』
ゆうきは刀を支点にして膝だちすると呟いた。
『あっけねぇぷはっ!ガバァッカッカ』
吐血しながら倒れるマコトを尻目にアイリへとよりそうゆうき。
『大丈夫・・・か?』
『あ・た・し・!強い人好きよ!』
『こんなになっちまって・・・!』
『キャハハハ受けるんですけど、こんなになっちまったのはあんたのほうだっつーの!』
『はは。確かに・・・な』
強く口のはしを結ぶと歯をくいしばって泣いた。
ゆうきの目からは涙があふれでていた。
遅かった。
いや、ちがう。
時を戻すんだ。
そう誓った瞬間であった。
『Chronosに戻ろう』
『藤堂さん大丈夫ですか?』
『見事だった。漢になったな』
『傷口ぱっくりしちゃってますね!』
『なあに、伊達に不死身でとおっていないさ。じきおれのなかの悪魔が治癒するだろうさ』
『帰りますか』
『あぁ・・・!帰ろうっ!』
『男同士の友情、ちょうなけるんですけどー』
アイリが冷やかす。
『今は黙っててくれないかアイリ』
『ブァーッカ!断るぅ!!わっちはフリーダムぞ』
『まぁいいこのまま担いで帰る』
『ヤメロ!HA・NA・SE☆』
藤堂と肩を組んでアイリを担いでChronosへと帰ることになった4人は沈黙のままのユキをつれてトボトボと帰路に着くことになった。




