時を操る婦人像 奪取編 XI
ゆうきと藤堂はインフェルノ羽生と対談することになったのだが、その場はChronosのアジトで行われる手筈となった。
二人はChronosの本拠地の扉まできていた。
『いやぁここが、あのChronosの本拠地かぁ、緊張しちゃうなぁー↑』
『念のためいっておくが、ロマンチック忍者のことで熱くなって失礼なことをしないようにな。相手は大物だからな』
『言葉まるごとのみこんじゃうくらい把握しました。ツノバヤシがたくさんいると思うとワクワクしますね!』
『なんか、心配して損した気分にならないことを祈るよ』
テーブルに肘を着きながらうなだれる藤堂。
『きみは既に国家崩壊級にならぶレートになっていてもおかしくないはずだ、だからこそ、Chronosともめて抗争を激化させないでほしい』
『はい!師匠!私はいたずらに人を挑発したり侮蔑したり差別したりいたしません!』
ニッコリと満面のスマイルをみせるゆうき。
『良い心がけだ』
『では、巨人にあいにいこう』
『でかいんですか!?』
頭をポリポリとかきながら呟く藤堂。
『そういう意味ではなくてえ・・・』
『わかってますよ!』
キリッとしていった。
『からかったな!?』
『それだけ余裕があれば大丈夫だろう』
二人は扉を開くとそこには多種多様な魔物や人種がおり、小人部族ホビットや巨人部族ジャイアント、淫魔部族サキュバスなどあげたらきりのない種類の亜人がいた。
いっせいに二人に視線が集まり、瞬時に散った。
話が通っているのがわかって安心した二人は大きくてエレガントな調度品が並ぶ大広間をぬけて細い通路を二分ほど歩いた先にある部屋で椅子にこしかけた。
『ようこそChronosへ』
両手を広げ芳醇なワインのはいったグラスをゆらす羽生。
ソファーにどっしりとこしかけている様はえになった。
葉巻をすいながら高級なスーツをひるめかすと瞬間的に跳躍しゆうきたちのそばへやってきた。
『きみたちだろう?拠点を潰し回っていたのは』
『そ、そうです』
『よろしい、それはそれとしてある程度の罰をうけてもらわなければならない。もちろんきみたちには我々の目指す未来の展望を特等席でみえるようにしてさしあげますよ』
葉巻を掌で揉み消す羽生。
二人は驚きを隠せなかった。