幸運卿の憂鬱
『ひさしいのでR』
『おれはどうしてここに』
『休憩中にねているのでR』
夢の中で幸運卿としゃべっていた。
『そもそもなんなんだおまえって』
『んーそうでアールなぁ、私は神の意思に反逆したものでR』
『神はまず元素をつくった。その記号を結合させることで物質をうみだせるよう創造した。それから色んな動物たちに生存競争をおこなわせ、知能の高い生物にわずかながら助力した。それがエジプトのピラミッドであったり、中国の乱世中にうみだされた文化のひとつであったり形は違えど繁栄に寄与してきたのだ』
そういうとクエスチョンマークになる幸運卿。
『ここでひとつ疑問でアール。この世界と平行して存在した別次元の生命体である我々魔人がよびおこされたのは何故でアール、そのうちのひとつツノバヤシが隕石に内蔵され人類にあたえられたのでR』
『それって神が人間をほろぼそうとしたってことか?』
『すこし違うのでアール。人間は増えずぎ地球を腐敗させすぎたのでR』
『そこで間引こうとしたのでアール、そしてさらに一歩進化させようとしたのでR』
ゆうきはなるほどと相づちを打つといった。
『あんたはそれに反対しようとしたわけか!?』
『そのとおりでR』
『寒冷期間をつくり、地球をリセットしようと考えたのでR』
『じゃあしばらくしたら外に出られんのか?』
『うむ、そのとおりでR』
さらに質問するとその答えはなっとくせざるを得ないようなものばかりで、ゆうきはすこし混乱したが、なるほどなぁと感心した。
『恐らく、いまの文明とはちがう形で繁栄していくのでR』
『なんかよばれてる気がする』
夢の中というなの雲の上でねていると無理矢理なかにひきずりこまれ覚醒させられた。
『ゆうき、目を覚ましたか。うなされていたぞ』
『すいません、ねすぎちゃったみたいで』
『Chronosからの使者がきたぞ。かなり友好的だったが謎だな。拠点を潰していたことにきづいているから使者をおくったはずなのに、敵意を感じなかった』
『寝ている間にきたんですか?一歩間違えたら危なかったですね』
『まぁ、そうだが、いまのきみなら問題はなかろう』
『藤堂さんにほめられてるみたいで嬉しいですね。照れ臭いです』
藤堂はかわりはてたゆうきの姿に複雑な心境だったがすこしばかり救われた気がした。




