時を操る婦人像 奪取編 X
『なぁ、藤堂さん。おれたちって正しいことやってんのかな』
『そうだな、さきほどの騎士、きみの攻撃だけに集中していればよけれていたであろう』
『それだけじゃなくて、なんだか時をもどすことがこわくて、いまの自分を藤堂さんがアイリがユキが、なんだかかわってしまうんじゃないかなって』
『あり得る話ではあるがどうする?今回はきみがきめろ。Chronosは恐らく悪の組織ではなく両方をかねそろえているとおもわれる』
Chronosという企業の本質を見定めていくとみえてくるものがある。表裏には表側のインフラ関係の建設会社としての側面と裏側の反社会的勢力としての行動をしているところもある。
住民は自分達に関係なければうけれる恩恵としてのインフラ増設があるので反社会的行動は見過ごすことになりやすい。
『ロマンチック忍者のためならなんでもする!!』
『交渉してみてはどうだろうか』
『何を材料にすればいいのでしょうか?』
『それはその時彼らにとって必要なものをきいてみればいい』
『そうします。拠点潰しの件、内密に』
『もちろんそうするさ』
正義とはなにかを考え出したゆうきは時をもどすことに葛藤し、善悪の両面をもつものにどう対処すればいいのか分別がつかずにいた。
それから一時間後のChronosでは大きな騒動となっていた。
インフェルノ羽生は厳めしい顔で言った。
『緑の騎士との連絡が着かぬ』
『ただごとではないにょーん』
『やつがやられるわけがないぜ☆』
『だりぃなおい』
四天王たちにも動揺がみてとれた。
『急報!!新宿、渋谷間の地下で緑の騎士様が討ち死にとのこと!』
『やはりか、盤面ではしゃいどるやつがおるようだな』
『ちっ!ちったぁ気分悪いぜおい!やつは結成メンバーの一人!スネークドラゴンから出土された破邪の玉をもってたはずだろーが』
破邪の玉とは鑑定のルーペでみてみると、ふたつの玉がまじわるとき、かつてない厄災が訪れるだろうとかかれていた危険なアイテムであった。
インフェルノ羽生と緑の騎士がひとつずつもっていたのだが、これでひとつ紛失したことになる。
玉の起源は子供がビー玉をふたつ蛇にたべさせて純粋な悪意でころしたことによるスネイクドラゴンとよばれる魔物になったときに体内にあったものが毒と魔力によって変異したとされている。
『破邪の玉がとられたのは痛恨の極みだ。それに緑の騎士がしんだのも我々にとって大きな損失だ』
『なめられたままではメンツが傷つくにょーん』
『ぶち殺そうぜ☆』
『正面玄関に二人組が来た模様!おそらく破邪の玉を所有しているものとみうけられます!』
『二人をここにとおせ』
藤堂とゆうきは邂逅することとなるのであった。




