時を操る婦人像 奪取編 Vlll
Chronosのボスとなったのは石塚らをさしおいて新人の思想家将棋士インフェルノ羽生だった。
王手飛車取のスキルをもつインフェルノ羽生は四天王にバハムート石塚と
イシス佐竹とニート田中と緑の騎士をしたがえており、100からなる精鋭の構成員で組織化されている。
『政治など所詮は児戯にすぎぬ。血をながさぬのであれはだれがその指揮をとってもおなじてあろう?』
『そのとおりにょーん』
『あたりまえだろうが☆』
『ちっどーでもいいんだよ!』
緑の騎士は発言を控えた。
『戦争の指揮をだれがとるかが問題だ。将兵は疲労する命をもった駒だ。それを盤面で躍動させ駆け引きし犠牲を払い勝ち取る。それこそ真理。皆きけ!等価交換の法則をもとに行動しろ!自己犠牲でおわらすな、対価を得るのだ。あたえられるものではない。勝ち取るのだ!』
『Asyouwish』
緑の騎士はそういうと剣を自身の眼前に両手でたてた。
『はたらきたくねぇよ!時をあやつれんだろ?こうーぱーっと稼ごうや』
『この氷河期では、経済が完全に孤立化するため流通が滞留しやすくなる、いっきにこのハイブの金銭を集めると亀裂が生まれ治安の悪化や死人がふえることになりますな』
執事の剛三がそういうとニート田中は苦虫を噛み潰したかのようにして見せた。
『われわれは理想郷をつくろうとしているのだ。私利私欲のために私腹を肥やすためにだけに時の番人をつかうわけにはいかない』
羽生は憤慨しながら浅慮なニート田中を諌めた。
ボスといっても決定は民主主義であり、芸術家のツノバヤシ無音高値は羽生の右腕としてはたらいていた。よく議論の際、無音は羽生に意見を忌憚なくする立場にありむしろアドバイザーとしての役目も果たしていた。
『現在地下シェルターを繋ぐモノレール事業を企画中のChronosではありますが、進捗のほどはイカ程で?』
取材に来た、あの日新聞の記者が無音にきいた。
『渋谷と新宿、巣鴨、松戸に関しては現在着工済みで20%完了しております』
『雇用と未来を創出する築く企業Chronosの今後の方針について何かありましたら一言お願いします』
『今後地下施設にて繁栄していくことが考えられる人類に、大きく寄与する事業を展開していきたいですが近頃われわれの施設が破壊されているという事実が多々ありますので慎重に進めていきたいと思慮しております』
『ありがとうございました』
ゆうきたちがChronosの拠点を潰して回っていたのだ。




