世界情勢と隔離者
トクトウカクサンカに入隊した勇気はほつれがんじからめになった糸のようなもやもやをかんじていた。
藤堂となのる隊長のおとこはことこまかにいまのせかいじょうせいの不安定さをせつめいした。
隕石に生命体が付着しておりその生命体から魔力とよばれる未知のエネルギーが登場し、活用できるようになったせいで石油に関する利権がすべて台無しになってしまい、既得権益者がさわぎはじめているのだ。私服をこやしていたのに邪魔をするんじゃないと。
いちぶの適合者だけが魔力を粉に変換して物質として物理的にりようできるようになっていることをおしえてくれた。
粉は反社会性物質として、認定され法で規制されることとなったが裏社会では流通網が完成しつつあった。
法の整備がおくれているあいだに巷では幸福をよぶ粉とよばれ、おおくの利用者がいた。
極道もこれにかんしてはみみにさとく、すぐにくいつきうごいた。
鮫が血のにおいをかぎつけるがごとく。
すぐにさわぎになり中島会とよばれる闇の組織がしゅどうけんをえることになった。
特角3課はそこにめぼしをつけて、ラーメン屋次郎のアナとよばれるみせを捜査していたのだ。
そこの店主がいま拘置所で隔離されているところだ。
『ぼくをどうしたいんですか?』
『きみには柱となってもらう、我隊の主力としてつのばやし、通称角をかってほしいのだ』
(はやくかえりたい)
脳内でそうささやく。
(世界がおわる)
(かいらくにみをまかせろ)
身体中の血液が沸騰して筋肉がべーこんみたいにやかれていく感覚におちいって脳内がさわがしかった。
『わかった。かわりにぼくのからだをしらべて研究してくれ』
『わたりにふねだ』
藤堂はよしっというとデータベースに勇気の項目もつくった。